田中の世界戦は相手のウエイトオーバーで中止に。

最近、ウエイトオーバーが多くなった印象。

 

理由は様々あるだろう。今回それを踏まえてというか少し前から感じることがある。それは後程。

 

加納vsオラスクアガ

勝敗はともかくこういう内容だろうなという試合だったと思う。

パンチとフィジカルの差が出た。オラスクアガという選手はエキサイティングな試合をするし顔も笑顔が素敵で

人気が出そうだ。ボクシング自体は雑なところがあり被弾もする。でもそれも魅力で今後は寺地へのリベンジをこの階級で

果たすかもしれない。それまでにポカをしなければだが。

加納という選手は殆ど見た事は無かったが惜しい選手と思う。再起はあるのだろうか?

 

田中 リング挨拶

田中って臆することなく自分のペースで話せる人なのだな。かなり悔しそうだったな。

相手はともかく田中がどういう試合をするかを見たかった。

ただ中止という決断はスポーツとしてみればそれはド正論で正解だとは思う。しかし今回は世界戦でありながらセミセミという

位置づけだったから決断出来たのかもしれない。選手の安全性とかスポーツだからという事が最優先されたからなのだろうか。

これは今後の課題になるだろう。

というか本来昔からの課題だ。宮崎亮や比嘉大吾がフラフラで計量に臨み翌日試合をした時から何年経過しているのだろう。

田中の試合がメインだったとしたらどうなっていただろう?

今後世界戦は益々単独ではやりにくくなったな。

 

那須川vsジョナサン・ゴンザレス

那須川は以前から書いているが個人的に非常に期待している。形だけとはいえ世界ランカー相手にあの内容なので本人の

言う通り次の次位には挑戦となるだろう。彼の場合は負けが許されない。その呪縛だけがもしかすると今後もマッチメイク

をつまらなくするかもしれない。

本人に期待しているのであ~だこ~だ書きたくないが、バンタムウエイトを作った事がないのにバンタムの世界ランカーって

のは謎だ。こんな選手のトレーナーをしている粟生が堤駿斗がウエイトオーバーした時にかなりディスっていたのが

理解出来ない。

 

中谷vsアストロラビオ

これはもう中谷が見事だったというしかない。

勿論アストロラビオが王者になれる実力があるかと言えば。。だが決して雑魚狩りと言われるような選手ではないし

逆に中谷がPFPに名を連ねるほどの選手かどうかもまた分からない。そんな私の様な人へこれ以上ない回答を

中谷自身はしたと思う。

 

帝拳主催のいつも通りの予定調和のボクシング興行。と言ってしまえばそれまでだが、今後勝負論のある魅力あるカード

が出来るまでのストーリー作りとしては良い結果だったと思う。

 

常々井上尚弥を倒す絶対条件として思っている事がある。

 

それは井上尚弥がいる階級を通過していく階級と考えているフィジカルの持ち主で井上尚弥に挑戦するまでに下の階級で

実績・経験値がある事。

 

中谷がそうなってきた。井上にとっても現役PFPファイターとの初めての戦いとなるだろう。

中谷にアドバンテージがあるとすればそのスタイルだ。井上にとって未知のスタイル。

 

今後中谷は井上拓真とやりたいそうだ。井上拓真の個人的な評価はスピード・フィジカル・パワーどれも素晴らしい。

ただ失礼ながらボクシングIQというのか閃きを感じない。自身の持っているモノを活かせない。

かといって井岡のように規律を徹底したボクシングというものも中途半端だ。実力下位の選手や例えば意外性のない

日本人選手には圧倒的に強い。特に前回の石田のような意外性の無いジャバーには滅法強そうだ。

中谷vs拓真も面白いが、この試合が実現すると井上尚弥に中谷は未知のモノをさらけだすことになるかもしれない。

 

。。。で、冒頭のウエイトオーバーが多い事で思う事。

 

最近、特に日本人の軽量級選手って大きくないか?

 

いや身長のことを言っているのではない。試合当日のリング上でのパッと見た印象の事だ。そしてみんな筋肉質にみえる。

中谷にはちょっと驚いた。かなりゴツくなっていて既にバンタムもきついのではないだろうか。ふくらはぎも相当鍛えている

ように思えた。那須川も計量の時は相当瘦せこけていて人相もかなり変わっていた。

 

軽量級と書いたがバンタム級は特に本来Sバンタムの日本人が多いかも。これって井上効果なのかな?

他にもここ数か月でアマチュア実績のある選手が続々デビューしたがみんな筋肉質にみえた。

 

より弱い相手と戦うために自身を極限まで軽くする。それは階級制の競技だからそうだろうがリスクも大きいな。

 

ここ数年で筋トレがどんどん進化している。ボクシング業界なんて遅れている方だろう。

 

昔は急激に筋トレをしてケガをしたりバランスを崩してしまう事が多かった。野球の清原とかはその代表かもしれない。

イチローは筋トレをしつつ柔軟さを失わないように進化させた。そこからダルビッシュがさらに進化させてより大きく

なり、、、大谷はさらに進化している。パワーでも欧米人を圧倒している。

 

日本人が活躍する軽量級。これからも試合開始ゴング直前のリング中央で両選手が向かい合った時に驚く事が

増えそうだ。前日計量でリカバリー制限が無ければ考えることはみんな同じなのかもしれない。

 

ハッキリ見えなかったが割と空席があったように見えた。那須川天心効果も少し落ち着いたかもしれない。

だがメインの中谷の試合では結構声援が大きかったように思った。

中谷の人気・知名度はじわじわと上がってきているように思う。

今やアマプラやabemaなどはTVで観れる時代になった。今後もますます手軽に見れるようになるだろう。

 

以前のように地上波で視聴率で人気を計る必要が無くなった。大衆に知れ渡らなくてもコアなファン+ネット記事を

見る程度のファンがいれば良くなってきた。

TVを取り巻く環境は日々変わってきている。

 

あとはボクシング業界がアップデートしていってくれれば言う事無いのだが。そして私も含めボクシングファンも

昔が良かったんだ!などと思わない事が大切だ。

冷静に考えれば昔より今の方が良い事は多いはずなのだから。