鈴鹿では第40回記念大会の8耐決勝が開催されています。
こんなに暑くなるのは予測できたでしょうけど、暑さなんてお構い無くロードを駆け走るライダー達と、午前からたくさんすれ違いました。
そんな中で、タンデムの親子の一台とスライドしました。
でもこれってタンデムと呼べるのかどうか…。
走行しながらなので、目にすることができたのは、対面直前とスライドしたわずか10秒にも満たない時間だったでしょう。
400cc~800ccくらいのオフロード車。
よくリアシートに左右大きなボックスを備え付けてツーリングしてるようなタイプ。
そんなに収納する鞄やボックスは目にしませんでしたが、
ライダーの胸の斜めした方向、燃料タンクに付近に物体。
収納するためのバッグが備え付けてあるのかと思ったら、
なんとそれは、小学一年にも満たないくらいでしょうか、
小さなお子さんが、燃料タンクに胸を乗せる形で、前のめりとなってハンドルかまたは他のなにかにしがみつくように乗っていたのです。
でもそれってタンデムと表現していいのか…
しかもタンデムシートは基本後部。
バイクに乗られる方ならお分かりでしょうが、
夏にバイクに乗ると、シート下部からのエンジンの熱気が停車時など込み上げ、また、足回りは熱くなります。
さらにこの猛暑でボディーは熱を受け高温となり、素肌ですどエンジン回りで火傷も起こしかねません。
その子供は半ズボンに長靴のようないでたちでした。
ヘルメットらしきものはしていたかもしれません。
最近では、運転者が子供を背中に固定するような、昔でいうおんぶ紐スタイルの用品が販売されています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170730/13/mikadoya-kohsuke/25/98/j/o0222022713993686672.jpg?caw=800)
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![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170730/13/mikadoya-kohsuke/53/a3/j/o0200041813993686688.jpg?caw=800)
安いもので2000円に満たない価格で、ネット販売しています。
バイクはタイヤが2つしかないので自然と倒れます。
また車のようなガードがないので搭乗者の身体はむき出しです。
排気量問わず自動二輪で加速して衝突、転倒すれば大抵、怪我をします。
自動二輪に乗る限り、怪我は100%の想定しなくてはならないことなのです。
『誰も転倒するつもりで乗ってません』
きっとそんな思いのかたもいらっしゃるでしょう。
その万一の時のために、可能な限り最小限の怪我で済むようにと、
自動二輪の場合は、乗るための装備をする必要があるんです。
でも、よく見かけるのが、
グローブなしで素手でハンドルグリップを握っていたり、
若い男性はクロックスタイプのサンダルや簡単なスニーカーで搭乗していたり、
さらには、脚や腕をまったく防備することなく、短パン、T シャツで運転していたりします。
グローブは、汗ばんでくる手のひらがちゃんとグリップを握れるようにする意味と、転倒時の擦過傷を防ぐ意味があります。
スニーカーではなくライディングブーツを履くことは、足でのギヤチェンジ、ブレーキングの確実性が増し、また転倒時に足首の捻挫や骨折、擦過傷などを最小限にします。
そして長袖シャツ、長ズボン、出来ることならナイロンや布製ではなく、革製のラィデイングパンツやジャケットを身に纏うことは、
夏の直接の陽射しや長時間浴びる風から、体力を守る役割と、やはりここでも、転倒時の擦過傷などから身を守ります。
『自動二輪に乗るということは、転倒時に如何に身を守るか』
それに尽きると、同じ自動二輪免許を所有する私は考えています。
振動をまともに受ける燃料タンクに、半ズボンで子供を密着させていた、今朝スライドした親子はどうでしょう。
長時間の無理な体勢と暑さによる疲労から、子供がずれ落ちたら、子供は後輪に巻き込まれ、また後続車に轢かれ、
それを止めようと手を差しのべ脇見をしたお父さんは、体勢を崩し間違いなく転倒することでしょう。
そしてさらに二次的事故を誘発します。
バイク関連で言えば先日、タンデムの親子が高速道路を走行中、荷物が路上に落下。
それを拾うために停車し走行車線に飛び出したお父さんが後続車に跳ねられ死亡するという事故がありました。
もうひとつは、エンジンを切った停車中の車内に残った小学4年の男の子が、熱中症で死亡するという不慮の事故も起こりました。
さらにいうならば、
親の自殺のみちづれに小さな子供が無理心中をしたり、親の不仲の末、子供もまでも巻き込んで妻と共に殺害したりという、子供が犠牲となる事件や事故が絶えません。
未来ある子供達が、大人の身勝手や無関心のためにどれほど、命を亡くしてきていることか。
『これくらいなら大丈夫だろう』と、子供やペット達を見る大人や親の主観の尺度。
大人と親の油断や過信、間違った安心勘が、
弱者である、多くの子供の命を奪い、ペットたちを不幸にしています。
残念ながらそれは、きっとこれからも続くことでしょう。
子供とタンデムして、大好きなバイクに乗りたいのなら、
どうかお父さん、それなりの装備をして、交通法規を遵守し、お子さんの命を、そしてあなたの命を守ってください。
5000円以内でそのための装備が購入できます。
それでお子さんのお命が守られるのならば、安いものではありませんか。
…お父さん。