【追記です】
お話しさせていただいて翌々日の月曜日、前を通ると黒柴ちゃん、ブラシをかけてもらっていました。
普段は寝ている姿しかみないのですが、
今日は身軽になって気持ちいいのか、
ひょこひょこ歩いていました。
早速実践してくださったお礼を申し上げ、
『これからも、気にかけさせてください』
とお伝えしました。
気持ちが通じあうことができて安心しました。
この冬納品先の近くに、気になる黒柴の子が居た。
雰囲気からして外飼い。
昼間しか見れないが、短い鎖に繋がれて、
晴れの日は横たわって陽に当たっている。
雨の日は、
木製の犬小屋に入って凌いでいるのだろう、尻尾の先が見えた。
そうしてるうちに、季節も三月。
この黒柴も換毛期に入り、少しずつ冬毛が抜けようとダマになってきてるのが、遠目から見てもよく分かる。
ずっと気になってた黒柴の子。
大きなお世話、ありがた迷惑、
そう思われて当然なのだが、
やっと昨日夕方、飼い主さんにお声をかけることが出来た、新しいブラシをホームセンターで購入して。
でも、この黒柴ちゃんは、私の気配を感じると吠え続けていた。
この時点でご家族以外が触ることは難しいなと判断した。
名刺を渡し自分の立場を名乗り、
『大きなお世話だと重々承知しながら…』
とお伝えして、
『換毛期のブラシッングのお手伝いをさせていただけませんか?』
とお話を続けた。
『人間で言えば重い冬用コートをずっと着ている感じなので、ブラシッングしてあげることが換毛を促し、さらに皮膚病の防止にもなり、また触れあうコミュニケーションは身体の異変にも気づきやすいので、
お天気のいい日など、ブラシッングしてあげるといいですよ』
とお話しして、使うつもりだった新しいブラシを差し上げた。
今日は天気がいいのでどうかなと、
少し期待しながらも恐る恐る前を通った。
…なにも変わっていなかった。
狂犬病予防接種済票や犬畜登録鑑札、迷子札の装着もそうなのだが、
すぐにできる。
横になってテレビを見てる時間、
自分がご飯を食べる時間、
スマホに触れている時間、
そんな時間を少し削れば、
すぐにできること。
飼い主さんにとっては、緊急性がないのかもしれないな。
何事もそうだろうと思うのだが、
すぐに行動しただけ、その事柄の重要度の判断になる。
この子は後回しなのだろう。
私にはそう感じた瞬間だった。
『気にかけて居てくださって、
ありがとうございました』と
お言葉をいただいたのだが、
飼い主さんから見れば、
やはり、
『ありがた迷惑、大きなお世話』だったかもしれない。
『見て見ぬふりをしない』ということは、
毎度ながら、勇気のいることだった。
でもまだ今日一日ある。
明日を期待していたい。