2019年、夏。
仕事で訪れたLAのダウンタウン。
数時間だけ時間があいたので、ほんの少しだけど街を歩いてみました。
実はLAって 20代のころから何度も仕事で訪れていた場所で、ここ10年くらいほぼ毎年来ていましたが、仕事以外でダウンタウンの街歩きをしたのは初めて。
時間がないなか駆け足ではあったけど、行ってみたかった美術館と本屋さんにいけたのと(たまたまその間にあった)ケーブルカーに乗れたのも良かった~!
ーーーーーーーーーーーーーーー
さて。今回、訪れた美術館はこの2つ。
ロサンジェルスのダウンタウンの北に位置する現代美術館 「ザ・ブロード The Broad 」と、「ロサンゼルス現代美術館 Moca 」 です。
この2つは交差点のはす向かいに位置しているのでいっきに両方見て回るのが良いかも。
まずは「ザ・ブロード」へ入場(ネットで事前に時間指定のチケットを買うことができます)し、まっさきにやることは・・・
ザ・ブロードいちばん人気、草間彌生「無限の鏡の部屋」の予約!です。
(Yayoi Kusama:Infinity Mirrored Room)
ロビーに予約のための機械が置いてあるので、そこに名前と携帯番号を登録(アメリカの番号がない場合は名前だけでOK)し、予約時間をもらってください。
それをもとに行動開始するのが効率的。
わたしの場合は約2時間後の予約だったので、まずは「ザ・ブロード」内の展示を見て歩き、その後急いでMOCAを回って戻ってくることに。(MOCAはかなり小さいので30分もあれば全部回れたし、ブロードのほうは無料で再入場できました)。
「ザ・ブロード」は現代美術の巨匠から比較的新しい作家のアートまであれこれ楽しめて、大型の作品が多くて迫力満点。大満足!
MOCAは思ったよりこじんまりだったけれど、短時間でサラっと現代アートの巨匠をまんべんなく見て回れる、基本を押さえた現代美術館。
単純に見比べてしまうと、新しい分「ザ・ブロード」のほうが勢いがある印象だけど、MOCAのロスコ・ルームは綺麗な色合いのものが揃っていて好きだったな。
そして・・・ 少しだけ早めに「ザ・ブロード」に戻り、草間彌生の「無限の鏡の部屋」へ。
ぐるりと鏡で囲まれたこの部屋には、ひとり(ひと組)ずつ 45秒間だけ入れます。
しばらく順番待ちをしてから入場。
・・・じゃん!
インスタ映えーーー(苦笑)
鏡張りの部屋のなかにはいくつもの照明が輝き、星のように瞬いていて、部屋自体も明るくなったり暗くなったり幻想的。
これは、良いです!一番人気なのわかります。
草間彌生といえばカラフルなカボチャ、という印象でしたが、LAでこんな展示をしていたんですね。全然知らなかった。すごく良かったです。
美術館を堪能したら、MOCAの裏手に回って歩くこと5分。
映画 『ラ・ラ・ランド』 でもおなじみ、LAの観光名所のケーブルカー「エンジェル・フライト Angels Flight Railway」乗り場にやってきました。
高低差のある町中に作られた、たった1ブロック先の道路をつなぐだけのケーブルカー。1901年にオープンし、100年以上もの歴史を持っています。
何度か廃止されそうになったり、老朽化により運休の期間が長かったりしていましたが、2017年、創業当時と同じオレンジの姿に復元され、再び運行を開始しました。
片道、1ドル。
内部もつやつやの木製で素敵すぎる。
途中でもう一台とすれ違い、あっという間に坂の下へ。
オレンジ色の車体もゲートも美しい。ケーブルカー好きとしてかなりワクワクさせられるレトロ感で、いつまでも見ていられます。時間があれば通りをはさんで目の前にあるバーのテラス席でビールでも飲んだんだけど・・・時間もないので泣く泣く離れました。
さて、ここから 7-8分歩いた先にある本屋さんに、これから向かいます。
追記
「ザ・ブロード」は、上の展示フロアから階下に降りる際に、階段の踊り場から倉庫フロアを覗ける構造になっているんですが・・・ この時、倉庫内にかかっているのが見えたのがフェルメールの「絵画芸術」なんです。
「・・・ん?え?ウィーンから借りてるのかな、でもなんで現代美術館にフェルメール?」って思ってまじまじと見てしまったのですが、あとで調べたらこれも現代美術の作品でした。
マルコム・モーリーという「スーパーリアリズム」の画家によるもので、フェルメールの「絵画芸術」のポスターを、細部まで正確に絵に再現したもの。
絵画のポスターの模写、ということになります。
スーパーリアリズムの画家たちは写真をもとにリアルな絵を描く試みをしていますが、絵画のポスターを絵にするなんて、ひとつヒネリがあって面白い(しらなければ、パッと見はただの模写に見えてしまいますが・・・)。
それにしても、こんなところでフェルメールに出会うとは!