2018年 12月。
死海から北上、今度はヨルダン川沿いにある 「アル=マグタス(アラビア語で洗礼)」 と呼ばれる世界遺産のスポットを目指します。
ここは、イエス・キリストが洗礼者ヨハネに洗礼を受けた場所。
福音書によると、イエス・キリストは、先だって荒野で修行を始めていた洗礼者ヨハネの手によってヨルダン川で洗礼を受けたといわれています。
洗礼は川の中で受けるので、聖地「アル・マグタス」は正確には川の両岸をさすのですが、洗礼を行っていた施設の遺跡がヨルダン側に出てきたために、ヨルダン側のみが世界遺産に登録されました。
洗礼地は軍の管理管轄になっているので、近くにいくには、かなり手前にあるビジターセンターに車を置いて、シャトルバスで向かう必要があります。
なお、対岸も同様にイスラエル軍の管理区域なんだそう。
現地では ちょうど次のシャトルツアーの時間に間に合ったのであわててチケットを購入し、ガイドさんとともに洗礼スポットを目指しました。
じゃじゃん、こちらが、ローマ法王も訪れたらしい、当時イエスの洗礼が行われたであろう場所、だそうです!
川… じゃないですね。
まあ、2,000年前の話ですからね。そのあいだに川の流れる場所が変わったり、水量が減ったりしてしまいました。
ここから、現在の川の流れを追って移動。
あ、川があった(茶色い~!)。
川の対岸に見える大きな建物はパレスチナ側の教会。
なお、当初 「対岸はイスラエル」 と思っていたわたしたちは、ガイドさんにきっぱりと 「対岸はパレスチナだよ」 と言いなおされて ハッ としました。
対岸は 「ヨルダン川西岸地区」 であり、「パレスチナ自治区」 と呼ばれている場所。これって、中東を旅するにあたって、ものすごくセンシティブでいないといけない部分です。
パレスチナ問題については、日本にいるときも本を読んだりニュースを見たりして理解していたつもりでしたが、今回の旅でものすごくいろんな目が開いた。その最初の気づきがこの瞬間でした。
川のほとりにある教会は近くに更衣室があって…
ここで白い洗礼服に着替えたら、階段を下りて河岸へ。
そして、実際に川に入って洗礼を受ける、という流れです。
洗礼を受ける(罪を洗い流す)川なのでもっと澄んだ綺麗な川をなんとなく想像していたんですが、めっちゃ泥川でちょっとビックリしました。2,000年前は綺麗だったんだろうけど、今もこの教会で洗礼を行ってるってことは、この川に入るってことだもんね…
そしてにしても、衝撃なのは川幅の狭さ。どのくらいの深さなのかわからないけれど、簡単に向こう岸に渡れてしまうんじゃないでしょうか?
この川は、国境。そうか、だから両岸ともに軍の管理区域になっているんだ。
熱心なキリスト教徒は、わざわざこのヨルダン川で洗礼を受けにくるのかな。
ちなみに、イエスが洗礼を受けた場所は福音書に 「ヨルダン川の向こう側、ベタニア」 と記載があるのですが、実はヨルダン川の東側には 「ベタニア」 という地名は見つからないそうです。
さらに、初日にマダバで見た地図では、「ベタニア」 と類似する地名が 「川の西側」 に記載されていたりして、なので 「ベタニア」 がもともとどこにあったのかって、実際は不明なんです。遺跡との直接の関係性だってわからないわけで。
なので、シンボリックな意味合いで聖地になるのは理解できるけど、世界遺産になるのってちょっとスゴイ気がします。
さて、ここから再び北上。
今日は首都アンマンの北西に位置するジェラシュという町まで向かいます。
ジェラシュのホテルにたどり着いたら、荷物を置いて町へ。
しばらく街をぶらぶら歩いたあと、シュワルマ屋さんでチキンのシュワルマをテイクアウトしました。
シュワルマというのは、トルコのケバブみたいな食べ物で、大きな串で焼いたチキンを削いで、野菜やひよこ豆のペースト(ホンムス)などと一緒に薄いパンにくるんだものです。
アラブのファストフードといえばシュワルマ!って感じで、今回旅したヨルダン、イスラエル、パレスチナのアラブ地域では、いたるところで目にしました。
ホテルの部屋に戻って、買ってみたざくろ味のノンアルビールとともに夕食。
さて。昨日シャワーを浴びれていないわたし。はやく熱いお湯でシャワーを…!と思ったら、そもそも熱くならないし、ぬるいお湯とお水を行ったり来たりで、最後には水になってしまった…! 繰り返しますが、12月、です。
ヨルダンは土地柄なのか、お湯に不安のあるホテルが多かったな。
さて、明日はローマ時代の遺跡を歩きます。