山旅 2017 - 日本で一番高い場所、富士山頂でみえたもの | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2017、8月。

 

2年ごしの計画をいよいよ実現し、富士登山!

 

混雑を避けて金曜日に登り、本八合目の山小屋 「富士山ホテル」 で一泊しました。

 

 

「ホテル」 とはいいつつも、普通に山小屋です。普段旅行で泊まるような設備を期待していくとビックリするかもですが、小屋泊の経験があれば全然ふつうです。

 


宿泊にあたり、1人に与えられるのは、普通のお布団の半分くらいのスペースのみ。

 

そこに、それぞれ寝袋に入って、半分に折った毛布を掛けて寝ます。

 

 

まあ確かに広くはないけど、(どちらか片方だけでも)隣で寝る人が気を使わない仲であれば、「布団半分」 って聞いて思い浮かべるほどしんどくはないかな。

 

寝始めは寒くてフリースを着ていましたが、夜中に暑くなって、フリースを脱ぎ、毛布をよけました。寒くて目覚める、ってことはないと思う。

 

運よくいびきをかく人がいなかったのか、騒音で起きることもありませんでした。

 

 

朝は、まず 2時半に一度、小屋の人が時間を知らせに来てくれます。

山頂でご来光を見ようと思っている人はこの時間に起きて、出発。

 

わたしたちはご来光渋滞を避けるために小屋の前でご来光を見ようと思っていたので、4時半に起こしてもらいました。(夜8時から寝ているので、4時半にはすでに目をさまして準備している感じでしたが)。

 

日の出の時間は 5時13分。5時前には下の食堂で外を見ていましたが、ガスがすごくてまるで期待できない感じ・・・

 

 


結局、ご来光は、「太陽はここです!」 っていう、丸い太陽の形が見えることはなくて、赤い光が広がったなぁ、って感じでなんとなーく、終わりました。

 

夜明け前から渋滞のなかを登頂して、ものすごく寒い山頂でずっと日の出を待ってた人、残念だっただろうなぁ…

 

夜中に何度か外に出たりしていた連れによると、小屋の食堂は夜中も人が絶えることがなく、小屋の前の登山道にも夜中の 1時すぎくらいから人があふれていたそうです。ほあああ、お疲れ様だ…!

 


夜明けのあと、外は強風でかなり寒かったので、小屋内に戻って食堂で朝食。

普段あまり朝を食べないわたしはいつも小屋の朝食がしんどいので、今回は夕食のみの宿泊に変更。朝食はパンを持参しました。

 

体を温めたくて、たまごスープだけ注文。400円したけど、すんごい温まってホッ。

 

そんなこんなで、わたしたちが小屋をでたのは、やや暖かくなってきた朝の 6時半くらい。もう、山頂でご来光を見た人たちが戻ってきた時間です。

 

上はフリースとレインウェアの上着を着こんで、下はサポートタイツの上に防寒のタイツを重ねばきして、登山用のショートパンツ。だけど、30分も歩くころには汗をかいてフリースを脱ぎました。

 

 


山頂でご来光を見ようとしていた大勢の人とはだいぶ時間をずらしての登頂でしたが、それでも九合目を越したあたりから渋滞が発生。

山頂付近は道が狭くなって追い抜きもできなくなるため、のろのろとその列を歩きます。

 

それにしても風は相変わらずで、岩の壁が近くにある個所では風がやむのですが、ときおりものすごい突風が吹きつけてきます。ゴウッ。

 

さらに、もう、景色はこんなんで、まっちろになってしまいました!

上も下も何も見えなくなって、山頂がどのあたりかもわからないので、ただただ前の人について登っていくだけ。

 

 


そして… 小屋から1時間と少し歩いたあたりで、白いガスのなかに鳥居が出現。「ん?ここ?山頂ここなの?」 って感じで、なんか半信半疑で登頂…。

なんとなく、あっけなく、富士山頂。

 

…ただ、吹きさらしの山頂は山肌とは比べ物にならないくらいの強風で、命の危険を感じるレベルでした。

 

とりあえずは山頂の小屋に入って、憧れだった山頂 「カップラーメン」 を!

 

 

気圧が低いため、山頂では 100度になる前にお湯が沸騰してしまいます。なのでちょっとぬるいんじゃないかなと期待(?)していたのですが、案外普通に暖かくて、普通すぎて逆にちょっとガッカリでした。

 

美味しくてガッカリ、っていうのも変な話ですが。

 

 

結局、あまりの強風にお鉢巡りは断念せざるを得ず、しばらく山頂に滞在したのち下山することにしました。


山頂の小屋でピンバッジを買って、久須志神社にてご朱印をもらって、下山。浅間大社まで行けなかったので、そっちのご朱印はもらえなかった…。

 

 

でも、それよりなにより、お鉢巡りでどんな景色が見えるんだろう、ってとても楽しみだったので、そこがとても残念。

 

でも、不思議と 「もう一度富士山に来る理由ができた」、みたいなポジティブな気持ちでもあって。逆に言うと、もう一回来たいと思えるくらい、楽しい登山だった、ということかなと思います。一緒に登ってくれたメンバーも良かったし、雨に降られなかったのも幸せだった。

 

次回こそお鉢巡りをして最高地点まで行きたいし、浅間大社のご朱印も欲しいし、山頂郵便局からハガキも出したい(郵便局は8月中旬で閉まります)。

 

山頂からはなーんにも見えなかった。

 

うん、また来よう。


 

ここからは、長い下山。

 

岩がちだったり、石が引いてあって滑りにくかった登山道と違って、下山道は細かい土の道で、ちょっとフカフカザラザラしていて足を取られて滑りやすいのが特徴です。

 

 

土埃がたつので、サングラスとバフで完全防備して出発。のぼりでは使わなかったストックを、下りではフル使用しました。

 

降りているうちに気づいたのですが、これ、スキーとかスノボと同じなんですよね。

膝をまげて腰を落とし、すこし前傾姿勢を取ることによってバランスがうまく取れて、上手に、はやく下れるというか。滑って足を取られても、転びにくくなるし。

 

それに気づいてからは、いかに早く、すいすい下れるかを自分で工夫するのが楽しくなって、えんえんと続くつづら折りの下りも、意外と飽きずに下山できました。

 

山頂から離れればガスも晴れて、しだいに気温も上がってきて暑いくらい。

 

休憩もほぼ取らず、かなりのスピードで降りていたので(ずっとほぼ小走り)、あっという間に六合目が見えてきて、そして、間もなく、五合目に帰還。

 

・・・そんなわけで、富士山、 無事下山。

余力を残して楽しく下山できてよかったなぁと思います。

 


五合目の「富士山ソフト」 で乾杯だ!

 

 

帰りは、河口湖付近の 「ふじやま温泉」 で汗を流して帰宅したかったので、五合目からは路線バスで河口湖駅へ移動。ただ、河口湖からのシャトルバスの時間がうまく合わず、さらにまったくタクシーが来なかったため、あきらめて帰宅することに・・・

 

登山と温泉はワンセット。富士山に毎年ものすごい人数が登山に訪れることを考えると(せっかく富士山近辺にたくさんの温泉があるのだから)、ここの導線をつくらないのってものすごくもったいなくないですか?

 

五合目から各温泉施設をつなぐシャトルバスとか、絶対つくるべき!


 

 

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それにしても。富士山に登ってみて改めて分かったことは、

 

準備がなにより大事

 

ってことでした。ここでいう準備は、持ち物、装備を揃えるとかいうことだけじゃなくて、体力をちゃんとつけておくこと、ある程度の知識をつけておくことなども含みます。

 

富士山って特殊な山で、普段、ちかくの低山にすら登らないような人が、唐突に、気楽に山頂を目指す山ですよね。

 

防寒着も雨対策もしていない軽装な人や、高山病で 「頭が痛い」 って言っている小さい子の手を引っ張って行こうとするご両親、途中で歩けなくなっている人、しんどそうな人をたくさん見ました。

 

でも、そういうことを非難したいんじゃなくて。

 

国で一番高い山なのに、あんなに整備されていて山小屋も多くて、危険個所もなくて、初心者でも頑張りさえすれば登れてしまう山なんて、そうそう世界にもないんじゃないかなと思うんです。これって実はすごいことで。だから、せっかくなので楽しく快適に安全に、登りたい。

 

いつかは富士山に、って興味を持っている方、ぜひ、事前にいろんなことを調べて、体力トレーニングをしてからチャレンジしてくださいね!

 

 


 

 

 


 

たまごスープ(富士山ホテル) ¥400

カップヌードル(山頂の小屋) ¥800

ご朱印(久須志神社)¥1,000

富士山ソフト(五合目) ¥500

五合目 → 河口湖 路線バス ¥1,540

 

 

※ 富士山ホテルの写真はHPからお借りしました。