2014年、11月 19日。 ボントックの町に、この日最後の便となる午後のバナウェ Banaue ゆきのジ―プニーが到着。 ところが、わたしを含めて乗客が4人しかいなかったため、通常 150ペソのところ、ひとり 450ペソ だと言われました。理由は、「そうしないとガソリン代がでなくて赤字になってしまうから(日本の感覚では、「しらんがな!そこをカバーできるように通常の値段を設定してあるはずだ」 と思いますが、まあここはフィリピンだしね)」。 各国でふっかけられてきている日本人なので、つい、足元見られてると腹が立って、一緒にいたフランス人やたまたま乗り合わせた日本人(フィリピンで唯一であった日本人)と一緒に 「それは高い!あんまりだ」 と交渉。結局は、ほかに足がないという理由で、まあ払うことになったのですが、450ペソって、まあ 1000円ちょっとです。そのために30分以上交渉したのだから、貧乏くさいといえば貧乏くさい。 でも、乗ると決まれば楽しまなくては! おっちゃんに 「悪いことを言わないから屋根に乗ってみるといい。すごく気持ちがいいぞ!景色も最高だぞ!」 と言われて屋根の上に。
くねくねと曲がる山道を、サスペンションが弱くてぐわんぐわん揺れるジープの屋根に乗って旅するのは… いやー、すんごく面白かったです! 予想以上に気持ちが良かった。
しかも、人数がすくないいわば貸切のプライベートツアーなので、きれいに棚田が見えるビューポイントごとに、おっちゃんが車を止めて、写真を撮らせてくれました。「ほら、綺麗だろう!写真を撮るならいまだぞ!」 って。
山道から望む緑の景観はものすごく美しかった。 日本とどこかつながっている景色ですよね。山があって、田んぼがあって。
そんななか、山道を右に左に、ジープは進んでいきます。
標高が高くなったのか、天候の影響なのか、霧が出てきました。 霧の中を走っているからなのか、小雨が降っているのか、小さな雨粒を感じるようになってきた。
おっちゃんに 「天気がよくないから中に入れ」 と言われて、屋根から降りて車の中に。
棚田どころか、崖の向こうはなにひとつ見えない。 なんだか眠くなってきました。 そういえば、ジープニーに乗る前に酔い止めを飲んでいたんですよね。 そんなわけで、うとうとしているうちに、バナウェに到着。 ツーリストオフィス前でジープニーが停まると、全員がツーリストオフィスで名前を登録し、棚田を守るためのお金を払わされます。寄付というより、ここに来る観光客は全員が払うもののような感じ。
ここからホテルまではトライシクルで移動。 今回泊まったのは、バナウェで一番大きく、高級なホテル 「バナウェホテル」 です。裏にはプールもあって、夏はきっと泳げるのでしょうね。(この季節は寒くてとても無理)。
ホテルにチェックインしたあとは、まずは町に出てみることにしました。 バナウェホテルは中心部からは少しあるので、トライシクルでツーリストオフィスまで向かいます。 いままでの町もそうでしたが、バナウェはほんとうに犬が多いです。 いたるところに野良犬(飼われているのかもだけど、数が多すぎる)がいて、ちょっと怖い。
実は、フィリピンペソは注意して数えながら旅してきましたが、ボントックでうっかりしていて、ちょっと現金が不安になってきていました。ホテルのレセプションで両替できるかなと思っていたのですが、バナウェホテルでは両替はしていなかったのです。 ちなみに、ATMはだいぶ離れた別の町にあり、そこまで行くのに数百ペソが必要。町の中でカードが使える場所は限られています。そして、この町の唯一の両替所を教えてもらいましたが、日本円に対応しているかはわからないそう。 そんなわけでちょっと心配しながら両替所に行ってみましたが、はたして、日本円は両替可能でした!
両替所は、ツーリストオフィスから坂の下に降りた広場の突き当りの、「あそこに両替所があるよ」 と人に聞かなければ絶対に入らないであろう、というボロボロのビルの中にありました。 ちなみに、バナウェは棚田や山は本当に美しいのですが、中心部の町はとても寂れていてちょっと怖い感じでした。実際に治安が悪いというよりは、たぶん、ボロくて汚いだけなのだと思いますが。
ただ、やっぱり、メニューのなかにフィリピン料理はそれほど多くなくて(あることはあるのですが)、バーガー類や、肉のグリルなどのふつうのメニューが多かった。 欧米観光客の多いホステルのレストランだったからかもですが、実際はどうなんだろう。 帰り際にツーリストインフォで明日の棚田トレッキングのツアー参加の申し込みをしたあと、腹ごなしにホテルまで歩いて帰り、夜は、ホテルのロビーでイフガオ族の踊りが披露されるというので見てみました。
バナウェホテルの裏道の階段を下って行ったさきに、小さな村があり、そこではまだイフガオ族の古い部族の人たちが昔ながらの生活をしているらしいのですが、そこの村の方々なのかもしれません。
なのですが、民族衣装で踊りを披露してくれるのは、ほぼ全員がご高齢の方たちなんですよね。
求愛のダンスも、戦闘のダンスも、すべて、やせ細ったご高齢の方々によって踊られていました。若い人たちはもうこういった伝統を引き継いではいないのか、それとも都市部に働きに出てしまっているのか。 ご高齢の彼らにとって、このホテルでのダンスも大事な収入源なのでしょう。
なんだか、すこし物悲しい気持ちになりました。
ボントック - バナウェ (2h)
Banaue Hotel 一泊 約 6,600 円(朝食つき)
夕食 p 200 くらい
※ P1 (フィリピンペソ)= 約 2.5 円
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