山奥の村サガダと、ハンギング・コフィン | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2014年 11月 18日。

 

バギオから山道をかっとばすこと 約 6時間弱。ちょっとお尻が痛くなる頃、サガダに到着しました。

 

山あいの、小さな小さな町です。

 

 

町の中心部は、バスターミナルというか、バスが発着する広場。

その周りに、小さな商店の入った建物が建っていて、ちょっと歩くとすぐに町をぬけてしまうような、ほんとうに小さな何もない町。

 

 

とりあえず、広場から伸びる坂道を上って、すこし高台から町を見下ろしてみました。

 

ほんとうに何もないなぁ。

 

 

 

 

立ち寄った町の小さな市場。フィリピンバナナが鈴なり。

 


 

唯一、何か大きな建物が見えるなと思って行ってみた、教会。

この日は閉まっていましたが、翌日はちょうどミサをやっていて、人々が集まっていました。

 


ほかのフィリピンの町と同じく、キリスト教が根付いた土地なのですね。

十字架にあふれた墓地もありました。

 

でも。この町には人々を埋葬するための、不思議な習慣があるのです。

 

それが、遺体の入った棺を崖に吊り下げる 「ハンギング・コフィン」。

実は、その不思議な棺を見るために、なーんにもないこの町に立ち寄ったんです。

 

というわけで、町の中心のツーリストインフォーメーションで、明日のツアーを予約。だいたい 1時間程度で見てこられるそうなので、1時間のトレッキングツアーを申し込みました。

 

 

夕食は、泊まったホテルのレストランで(ほかに営業しているレストランを見なかった)。レストランつきのホテルを予約してきて良かったです。ほかの宿に泊まった人たちが食事だけ取りにきたりしていました。

 

 

 
 

山奥のホテルだし、きっとディープなフィリピン料理なんだろうな。

と思って、ちょっと不安に思いつつもワクワクしてメニューを開いたら、

 

ハンバーガー

ミートソーススパゲティ

フライドチキン

ステーキ

 

… とかそんな感じ。

 

しまったー、ここ、観光客向けか! と、ちょっと迷ったのですが、外は寒いし、レストランを探して歩くのもと思い、唯一フィリピン料理であろうと思われる 「アドボ」 をオーダーしたところ、今日は無いと。

 

そこで、 「ほかに地元のメニューてありますか?」 と聞いてみたら、「フライドチキンと、魚です」 と言われ、結局それを食べることにしたのですが、普通にフライドチキンで、普通に鱒のグリルでした。(サラダとポテトフライまたはライスが添えてある)。

 

 

山に入っていくと、とても地元っぽいというか、フィリピンっぽい料理ばかりが出てくるのだろうと思っていたのに、こんな田舎のサガダでさえ、バーガーやフライドチキンを押してくるのか、フィリピンよ。

 

 


食事を終えたあと、KIMCHI BAR という斜め向かいのバーにて一杯お酒を飲んで部屋に戻りました。

 

 

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2014年 11月 19日。

 

朝、予約した時間にツーリストインフォに向かい、ハンギング・コフィンを見に、エコーバレーという場所に向かいます。ガイドさんは、ガイドとは名ばかりで地元のオッチャン、って感じの人。

 

とはいえ、もちろん山道にとても詳しいし、いろんな質問にはすぐさまなんでもきちんと答えてくれたのですが。

 

ぺったらぺったら気楽に歩いていくのにすごく早足で、山道をついていくのが結構キツかった! さすが。

 

 

 

エコーバレーは、サガダの町からは、町を出てすぐの裏山的な場所。大きな声を出すと 「こだま(エコー)」 が聞こえるので、エコーバレーと呼ばれています。

 

ツーリストインフォから歩いて30分弱くらいで、崖の向こう側に、ハンギング・コフィンが見えてきました。

 

わかりますか? 岩のまんなかへん、赤い〇で囲ったあたりです。

 

 


 


ガイドのおじさんの説明によると、この埋葬法はこのあたりの古くからの伝統的なやり方で、宗教的な背景などについては不明だそう。キリスト教徒も多そうなこの町ですが、「俺は 6フィートアンダー(キリスト教では、地面から 6フィート下に遺体を埋葬します)なんて絶対に嫌だよ。狭くて暗くて苦しそうだ」 と言っていました。

 

「じゃあおじさんも吊るされたいの?」 と聞いたら、「洞窟がいい」 とのこと。

そう。この地域では、もうひとつ、洞窟に棺を安置する方法も伝統なのです。

 

 

洞窟には今回はいかないつもりだったけど、そういわれるとやっぱりみたい。急きょ、洞窟の棺を見に行くことにしました。

 

いったん町にもどって、洞窟まではバンの後部座席を横向きの座席に改造した車で向かいます。

 

 

 

車を停めた細い道から山の中に入っていくと、わりと間もなく、ぽっかりと黒い穴があいていました。

 

 


え、もう、そこが洞窟? 

 

 

内部は意外にも、ものすごく大きい。奥は暗くてまるで見えない。

 


どこまで続いているんだろう。ガイドさんと2人の観光客が、洞窟の奥に向かっています。

 

 

この洞窟を、数時間歩いて抜けるツアーもあるんだそうです。この 3人はきっとそのツアー。かなり狭い場所を通り抜けたり、かなりスリリングなツアーなんだそうで、面白そうだけど、ちょっと怖いかな。

 

右側の壁沿いに積み上げられているのは、棺。独特の静寂。

 

 

 


太平洋戦争中にこの付近で亡くなった日本人も、この棺のどこかに埋葬されているのだそうです。

 

土地の人が、わざわざ棺を作ってここまで運んで埋葬してくださったんですね。

いわば、自分たちの先祖の墓に。

 

こんなところで日本人がお世話になっていたなんて、ここに来るまで思ってもみなかった。

 

亡くなった方の親族の方ですら、知らないかもしれない。

 

 

吐いた息が、とても白かった。



 

洞窟から戻ったら、サガダを後にして、ボントックへ向かいます。

 



 

 

 

 

Masferre Country Inn and Restaurant

一泊 4,299 円

 



夕食 メインが 約 p 200 くらい

朝食 p 150くらい?

エコーバレー ガイドツアー p 650

 

※ P1 (フィリピンペソ)= 約 2.5 円

 

 

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