2011年 12月 30日。 フェズで予約していたのは、メディナの玄関口ルシーフ広場から歩いて 3分ほど、Seffarine サファリーン広場にほど近い、Dar Seffarine という リャド。
築 600年の古い邸宅をそのまま残して使っている、ほんとうにほんとうに美しいリャドです。
わたしの中では、この旅のひとつのハイライト。 モロッコのメディナは、迷路のように延々と壁が続いている街づくりで、それぞれの建物が独立していません。なので、中にどんな家があるのかは、外からはまったく想像もつかないんですよね。 それもあって、このリャドも場所がちょっとわかりにくく、小さな木のドアを前にして、本当にここで合っているのか少し不安だったのですが… 中に入ってみれば、ものすごく豪奢な大邸宅で、びっくり。
豪華な建物に圧倒されそうになりますが、オーナー夫婦の人柄を反映しているのでしょう。 ものすごく暖かい、優しくフレンドリーな接客で、一人なのに本当に居心地よく過ごせました。
1階の大広間の両側に位置するお部屋には、高い天井まで続く美しい飾り扉。
ちなみに、こちらのお部屋が、わたしのお部屋です。
通用扉には鍵は無く (内側からはかんぬきで閉まるので、部屋にいるときは大丈夫なのですが)、外出するときはちょっとだけドキドキしました。 でもこれもひとつの 「自宅にいるようにくつろいで欲しい」 というオーナーの気持ちの表れなんです。
それぞれの部屋には鍵をかけず、自宅にいるようにふるまう、ということは、一緒に泊まっているほかの宿泊客は 「家族」 ということ。 このリャドでは夕食も食べることができるのですが、宿泊客がみんなそろって、同じ時間に、同じテーブルについて食べます。遠くに住んでいる親戚が久々に集まったパーティのような、あたたかい雰囲気での食事でした。
素敵なキッチンから、毎晩ものすごく良いにおいがして、どきどきしたもの。
夕方、同じように今日から宿泊していたアメリカ人のおじさんと一緒に、広間のソファでモロッコ産の白ワインを飲みながらディナーを待っていたところ、宿泊客がぞくぞくと集まってきました。
イラン人建築家であるオーナーの方が、邸宅 (リャド) 内のツアーをしてくれるんだそう。
わたしもウキウキとついていくことに。
玄関、キッチンを回って広間に戻ってくると、オーナーが言うではありませんか。
「ミカ、よかったら、君の部屋をみんなで見てもいいかな?」 なんだか照れ臭かったけれど、「もちろん!ぜひ見てください」 と、みんなにお部屋を見てもらいました。モロッコ特有のお部屋の作り方や、リャドにするときに、もともとは無かったバスルームを後から作ったことなど、お部屋についてのオーナーの説明が聞けて良かった。
そのあと、2階、3階にある、ほかのお部屋も見て回りました。 もとの姿を維持する形で修復され、リャドとして生まれ変わったのは、その昔、お金持ちの家族が暮らしていた邸宅です。ほかの人が泊まっているお部屋の場合は写真を撮るのはちょっとためらわれましたが、見て回れて、とても面白かったです。 なんてったって、築 600年のお屋敷ですから! ツアーが終わったら、そろそろ、ディナーの時間。キッチンでは、食事のしたくで大忙しです。
夏はこのキッチンに続く中庭で食事をするそうですが、今回は冬だったので、屋上テラスの奥にあるお部屋でいただきました。
今夜は、イタリアはミラノから来ている家族 (小さな子供が 2人)、オランダ人の夫婦、熟年のアメリカ人カップルとわたしが食事に参加しました。
(仲良くなったアメリカ人の家族と、若いアラブ人カップルは外のレストランに出かけたよう)。
最初のスープから、もう、幸せな美味しさ!
その後、大皿に盛られていろんな料理が続々と出てきましたが、どれもすごく美味しかったです。
最後に出された、モロッコ伝統のにんじんのスイーツは、ちょっと忘れられない味。 でも、みんなとの会話が楽しくて、また、次々出てくる料理に気を奪われてしまって、スープ以降、一切の写真を撮り忘れていたのでした。残念!
小さな絨毯がしいてあるとはいえ床は大理石。 朝晩は冷えるモロッコで大丈夫かなぁと不安でしたが、意外にも、小さなヒーターひとつで朝まで暖かく眠れました。不思議!
Dar Safferine ダブルベッドルーム € 80
シャウエン Chefchaouen - Fes フェズ (4h) 長距離バス
ディナー 200 DLH 白ワイン
※ €1 (ユーロ) = 約 98 円 ※ 1 DLH = 約 9 円
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