2010年 8月 15日。 昨日の夜、到着したポルトガル、リスボン。 すでに秋風がふいて肌寒かったロンドンから一変、夏らしい、ものすごくいい天気です。
ロンドンのホテルと違って、こちらはコンチネンタル・ブレックファストです。今日は、ロールパンとジャム、チーズ。明日はシリアルにしようかな?
さて今日は、リスボンの中心部からトラムで 30分ほどの Belém ベレン地区まで足をのばし、リスボンにある 2つの世界遺産を見てこようと思います。 リスボンにあるこれら 2つの世界遺産は、どちらも 大航海時代に世界をリードしたポルトガルの象徴ともいえる建物。今はヨーロッパの片田舎の国として哀愁漂うポルトガルが、列強だった時代の遺産です。 ホテルを出ると、ものすごく強い日差しが腕を射します。暑い! 昨夜はひんやりと光っていた ロシオ広場のタイルも、くっきりと色味を際立たせている様子。
まずは、ロシオ広場のひとつ向こう側、フィゲイラ広場へ。そこから、地下鉄ロシオ駅のチケット売り場まで降りて、Viva Viagem ヴィヴァ・ヴィアジェン と呼ばれるチケットを購入します。
これは日本で言う Suica のようなカードで、一度購入すれば再チャージして何度も使えるチケットなのですが、チャージする際に選べば、リスボンすべての公共交通機関が一日乗り放題のトラベルカードとしても使用できるんです。
チケットを買って地上に戻ったら、広場の奥にあるトラム乗り場で、15番のトラムを待ちます。
リスボンは古めかしい 一両編成のトラムが有名ですが、ベレンまで行くのは、新型の 2両編成。これに乗って、ベレンまで、30分。
ベレンに到着すると、トラムからすぐに、巨大な白い建造物が見えました!
16世紀初頭、海に乗り出していくことでポルトガルを繁栄に導き、大航海時代を拓いた名君 エンリケ航海王子の偉業を称えて建てられた修道院です。 聖母マリアにささげられた南門。 門の上の部分、ステンドグラスの前に立っているのが、エンリケ航海王子です。
まずは教会を見学。 海外からの富 (香辛料万歳!) で建てられた豪華な教会、しかもカトリックの国の、と思うと、すごいきらびやかなものを想像していたのですが、白い石造りの、案外シンプルな教会でした。
その分、細かな彫刻でいたるところが飾られていたのが印象的。
枝を広げるように天井を支える大きな支柱は、椰子の木をイメージしているんだそうです。柱に彫られた彫刻は、すべて航海に関するもの。 そして、この教会にはポルトガルの 2人の著名人が埋葬されています。
そして、こちらはバスコ・ダ・ガマの功績を一大叙事詩にしてうたった詩人、ルイス・デ・カモンイスのものです。(この名前はあとでまた出てきます)。
さて、教会を見学し終えたら、となりの修道院へ。
中庭をぐるりと囲んでいるのは、石のアーチに飾られた 2階建の回廊。全長 55m四方 あるんだそう。
● マヌエル様式の最高傑作とたたえられるこの回廊、夏でもひんやり涼しくて気持ちがよかったです。
見学を終えて 川沿いに出ると、見えてきたのは、発見のモニュメント。 1960年に、エンリケ航海王子の 500回忌を記念して建てられたものだそうです。
先頭に立つのはエンリケ航海王子、続くのは天文学者、宣教師、航海士、地理や植物の学者など。
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これによると、日本は 1541年。 このモニュメントの塔の部分には、中のエレベーターで登ることができるようですが、観光客で長い列ができていたこともあって、今回はパス。
おなかが満たされたら、腕や肩の日焼け止めを塗り直し、再び炎天下へ。
ベレンの塔は、16世紀のはじめに、テージョ川の河口であるこの場所で、入ってくる船を監視するために要塞として建てられました。基礎部分が 2階建、そのうえのタワーは 4層あります。
潮が満ちると水画上がってくる 1階は、水牢だったそう。 塔へは、川岸から渡された木の橋を渡って行きます。
間近で見るタワー部分は、繊細な彫刻に飾られていて、本当に綺麗でした。作家の司馬遼太郎は、この塔を 「テージョ川の公女」 と呼んだそう。
塔の向こうに広がるテージョ川、その先はもう、大西洋です。 大航海時代には、この窓から、出ていく船を見送ったんでしょうね。
これで、ベレンの世界遺産 2つの見学は終了です。 ふたたび、トラム乗り場のほうにむけて、歩いて引き返しましょう。 修道院のわきにあるトラム乗り場から、15番のトラムに乗って、リスボン中心部に戻ります。
行きは立ちっぱなしだったのですが、帰りはなんとか座ることができました。 ここからまた、ごとごととトラムに揺られて 30分。 リスボン市街の フィゲイラ広場まで戻ります。
Pasteis de Belém パスティス・デ・ベレン 日本では 「エッグタルト」 と呼ばれている ポルトガルの伝統菓子のひとつ、Pastel de Nata パステル・デ・ナタ。ポルトガルではどこでも見かけるこのお菓子は、ベレン修道院が発祥だと言われています。 ・
ベレンにある パスティス・デ・ベレン は、いまも修道院時代のレシピを守っている、1837年創業の老舗。 テイクアウトも、店内のカフェで食べることも可能。
Pasties de Nata
フィゲイラ広場 Placa da Figueira - Belém ベレン (0.5h) リスボントラム
トラムチケット (Viva Viagem / 一日乗り放題) €4.2 (地下鉄ロシオ駅) 修道院入場料 / 祝日だったため無料 (ジェロニモス修道院) ベレンの塔 入場料 / 祝日だったため無料 (ベレンの塔) ランチ € 7 (カフェ) ポストカード 4枚 € 2 (カフェ併設のショップ) 水 € 2 (アイスクリームスタンド)
※ € 1 (ユーロ) = 約 110 円
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