ポルトガル鉄道の旅 - リスボン、ベレンの世界遺産めぐり | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

2010年 8月 15日。

 

昨日の夜、到着したポルトガル、リスボン。

すでに秋風がふいて肌寒かったロンドンから一変、夏らしい、ものすごくいい天気です。


張り切って早起きして、まずは朝食を。

 

 

 

ロンドンのホテルと違って、こちらはコンチネンタル・ブレックファストです。今日は、ロールパンとジャム、チーズ。明日はシリアルにしようかな?

 

 

 

さて今日は、リスボンの中心部からトラムで 30分ほどの Belém ベレン地区まで足をのばし、リスボンにある 2つの世界遺産を見てこようと思います。

 

リスボンにあるこれら 2つの世界遺産は、どちらも 大航海時代に世界をリードしたポルトガルの象徴ともいえる建物。今はヨーロッパの片田舎の国として哀愁漂うポルトガルが、列強だった時代の遺産です。

 

ホテルを出ると、ものすごく強い日差しが腕を射します。暑い!

昨夜はひんやりと光っていた ロシオ広場のタイルも、くっきりと色味を際立たせている様子。

 

 

 

 

 

まずは、ロシオ広場のひとつ向こう側、フィゲイラ広場へ。そこから、地下鉄ロシオ駅のチケット売り場まで降りて、Viva Viagem ヴィヴァ・ヴィアジェン と呼ばれるチケットを購入します。

 

これは日本で言う Suica のようなカードで、一度購入すれば再チャージして何度も使えるチケットなのですが、チャージする際に選べば、リスボンすべての公共交通機関が一日乗り放題のトラベルカードとしても使用できるんです。

 


地下鉄、バス、トラム、ケーブルカー、さらには サンタ・ジュスタのエレベーターまで、いろいろ広くカバーしているので、リスボンをうろうろする際にはお得です。

 

 

チケットを買って地上に戻ったら、広場の奥にあるトラム乗り場で、15番のトラムを待ちます。

 

 

リスボンは古めかしい 一両編成のトラムが有名ですが、ベレンまで行くのは、新型の 2両編成。これに乗って、ベレンまで、30分。
 

 

ベレンに到着すると、トラムからすぐに、巨大な白い建造物が見えました!


これが、本日ひとつめの世界遺産、マヌエル様式が美しい、ジェロニモス修道院

 


 

16世紀初頭、海に乗り出していくことでポルトガルを繁栄に導き、大航海時代を拓いた名君 エンリケ航海王子の偉業を称えて建てられた修道院です。


聖母マリアにささげられた南門。

門の上の部分、ステンドグラスの前に立っているのが、エンリケ航海王子です。

 

 

 

まずは教会を見学。

海外からの富 (香辛料万歳!) で建てられた豪華な教会、しかもカトリックの国の、と思うと、すごいきらびやかなものを想像していたのですが、白い石造りの、案外シンプルな教会でした。

 

 

その分、細かな彫刻でいたるところが飾られていたのが印象的。

 



 

枝を広げるように天井を支える大きな支柱は、椰子の木をイメージしているんだそうです。柱に彫られた彫刻は、すべて航海に関するもの。

 

そして、この教会にはポルトガルの 2人の著名人が埋葬されています。



白い石棺に眠っているのは、大航海時代の立役者、バスコ・ダ・ガマ。



 

 

そして、こちらはバスコ・ダ・ガマの功績を一大叙事詩にしてうたった詩人、ルイス・デ・カモンイスのものです。(この名前はあとでまた出てきます)。

 


さて、教会を見学し終えたら、となりの修道院へ。

 

 

 

中庭をぐるりと囲んでいるのは、石のアーチに飾られた 2階建の回廊。全長 55m四方 あるんだそう。

 

 

マヌエル様式の最高傑作とたたえられるこの回廊、夏でもひんやり涼しくて気持ちがよかったです。

 

 

見学を終えて 川沿いに出ると、見えてきたのは、発見のモニュメント。

1960年に、エンリケ航海王子の 500回忌を記念して建てられたものだそうです。

 

 

先頭に立つのはエンリケ航海王子、続くのは天文学者、宣教師、航海士、地理や植物の学者など。

 


モニュメントの奥、遠くに 4月 25日橋と、対岸のクリスト・レイ (巨大なキリスト像) がぼんやり見えています。

 

 


モニュメントの前の地面には、タイル張りの世界地図。各国にはそれぞれ、「ポルトガルによって」 発見された年号が添えられています。



 

これによると、日本は 1541年。

 

このモニュメントの塔の部分には、中のエレベーターで登ることができるようですが、観光客で長い列ができていたこともあって、今回はパス。

 


川沿いの道を、もうひとつの世界遺産である ベレンの塔 に向かって歩くまえに、まずはランチを食べておこうと思って、近くのカフェでサラダのランチを取りました。ポルトガルのローカルビールとともに。

 

 

おなかが満たされたら、腕や肩の日焼け止めを塗り直し、再び炎天下へ。

 

 

ベレンの塔は、16世紀のはじめに、テージョ川の河口であるこの場所で、入ってくる船を監視するために要塞として建てられました。基礎部分が 2階建、そのうえのタワーは 4層あります。

 

潮が満ちると水画上がってくる 1階は、水牢だったそう。


塔へは、川岸から渡された木の橋を渡って行きます。

 

 

 

 

 

間近で見るタワー部分は、繊細な彫刻に飾られていて、本当に綺麗でした。作家の司馬遼太郎は、この塔を 「テージョ川の公女」 と呼んだそう。


 

 

塔の向こうに広がるテージョ川、その先はもう、大西洋です。

大航海時代には、この窓から、出ていく船を見送ったんでしょうね。

 

 

 

 

これで、ベレンの世界遺産 2つの見学は終了です。

ふたたび、トラム乗り場のほうにむけて、歩いて引き返しましょう。


修道院のわきにあるトラム乗り場から、15番のトラムに乗って、リスボン中心部に戻ります。

 


 

行きは立ちっぱなしだったのですが、帰りはなんとか座ることができました。

 

ここからまた、ごとごととトラムに揺られて 30分。

リスボン市街の フィゲイラ広場まで戻ります。

 


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Pasteis de Belém パスティス・デ・ベレン

 

日本では 「エッグタルト」 と呼ばれている ポルトガルの伝統菓子のひとつ、Pastel de Nata パステル・デ・ナタ。ポルトガルではどこでも見かけるこのお菓子は、ベレン修道院が発祥だと言われています。

 


 

ベレンにある パスティス・デ・ベレン は、いまも修道院時代のレシピを守っている、1837年創業の老舗。

 

テイクアウトも、店内のカフェで食べることも可能。

 

Pasties de Nata
Rue de Belém 84-92
213 637 423


 

 


 

フィゲイラ広場 Placa da Figueira - Belém ベレン (0.5h)

リスボントラム

 

 


 

トラムチケット (Viva Viagem / 一日乗り放題) €4.2 (地下鉄ロシオ駅)

修道院入場料 / 祝日だったため無料 (ジェロニモス修道院)

ベレンの塔 入場料 / 祝日だったため無料 (ベレンの塔)

ランチ € 7 (カフェ)

ポストカード 4枚 € 2 (カフェ併設のショップ)

水 € 2 (アイスクリームスタンド)

 

※ € 1 (ユーロ) = 約 110 円

 

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