2009年 8月 4日。
ホテルで朝食を取ったら、今日は ビエルタン という近郊の小さな町 (村?) まで足を伸ばします。
ビエルタンまでは、ツアーに参加するか、タクシーをチャーターするしか足がないので、ホテルの女の子に、タクシーを頼んでもらいました。 今回泊まったホテル 「CASA EPOCA」 は、出発前に調べて、電話番号のメモだけ取っていたところで、ブラショフから電話して予約しました。(世界携帯って便利よねー)。 木のぬくもりがとても温かい、やさしいホテルです。
タクシーのおじちゃんは、英語をほんのちょっぴり、ドイツ語をほんのちょっぴり、話します。わたしはルーマニア語ができないので、会話は主に、その 「ちょっぴり」 の範疇で行われるのですが、気のいいおじちゃんで、会計もウソをつかれることがありませんでした。 しばらくすると町並みがなくなって、緑のなかの一本道に。
走ること 30分くらいかな。遠くに見えてきた小さな町と、大きな教会。 あれが、今日の目的地、ビエルタン 。 炎天下のもと、時間が止まったかのような、小さな、静かな、田舎の村です。
でも、ビエルタン には、ユネスコの世界遺産に登録されている 「トランシルヴァニアの要塞教会群」 のうちのひとつがあるのです。中世の時代に外からの襲撃に備えて作られた要塞教会で、3重の外壁に囲まれているのは、ここ ビエルタン だけだそう。
外の壁から、奥の教会を。何重もの壁の向こうに、教会が見えます。
教会は丘の上にあるので、そこまで、薄暗い木造の階段を上って行きます。
遠くから見ると、ものすごーく大きく見えたけれど、それは3重の壁に囲まれているから。もとの教会自体は、それほど大きなものではありません。
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3重になった壁の間は、歩いて回ることができます。
壁にはそれぞれ、射撃用の穴が。まさに、要塞です。
中世の戦乱の時代、ほかの国から攻め込まれた時のために、丘の上の教会を砦に変えて準備をしたザクセン人 (ドイツからの入植者)。けれど、実際に攻め込まれて、この要塞が使用されることはなかったんだそうです。
今の、この、緑のなかに取り残された集落のような ビエルタン からは、どうしてここに砦を作ろうと思ったのかを、思い描くことすら難しい。
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教会を見終えて、すこしビエルタンの町を歩いてみました。 見どころなんて教会以外に何にもないし、交通の便が悪いから観光客もそれほど多くない。
ほんとうに、小さな町です。 ほかの町とを結ぶ、唯一の大通り。
町の中心にある、小さな公園。 夏のルーマニアは、バラがとてもきれい。冬の旅では見られない、色鮮やかなヨーロッパ。
やはりここでも、思う。 ルーマニアって、なんだかやっぱり、どこか南米のテイストがあるよね。
それにしても… 写真から伝わるでしょうか?
若干色飛びしてしまうくらい、この日は本当に日差しが強くて、ものすごく暑かったんです。湿気がないので日陰に入れば大丈夫なのですが、町を歩きまわるのはかなり厳しい。
ちょうど、一番日が高い時間帯だったし、人の姿もまばらで。
だから、いま思い出すビエルタンは、まぶしく、しんと静かな、時が止まった場所。 …さて、タクシーはいちどシギショアラに戻ってしまっているので、電話をかけて、広場で待ちます。ビールを飲んで、ポストカードを書きながら。
シギショアラまで、また 30分かけて戻ります。 さよなら、ビエルタン。
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田舎の町をいくつも通って、シギショアラの町に戻ってきました。
郵便局でハガキを投函し、ホテルに荷物を取りに行く前に、まずは、ランチ。 小さなシギショアラの町の、片手で数えるほどしかない選択肢のなかの一軒で。
昨日のうちに駅で確認しておいた、日に 3本 (午後 1本) しかないシビウ行きの列車をつかまえなくては。
シギショアラ Sighisoara - Biertan ビエルタン (片道 30分ほど) タクシー
タクシー 片道 56 Lei (シギショアラ) 教会入場料 5 Lei (ビエルタン) ポストカード 2枚 3 Lei (ビエルタン) 切手 8 Lei (ビエルタン) ビール 5 Lei (ビエルタン) ランチ 50 Lei (シギショアラ)
※ 1 Lei (ルーマニア レイ) = 約 30 円
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