「クラフトマンシップの文化」を深掘りする-その20「社会に出て通用する学びになっているか?」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



今日の一日一読は第3章の続きで、第4章の終わりまで一気に見ました。内容的にあまり参考にならなかったので、ななめ読みしました。本書の中で初めて共感できなかったのですが、理由はシンプルでバーガー氏の教育論しか書かれていなかったからです。


バーガー氏は普通の教師がやらないようなことを自ら実践し、そこで気づいた大切な価値観を生徒にも伝えようと必死でしたが、教育現場で成功したとしても、社会に出てからどのように役立つのかがよくわかりませんでした。


例えば、課題の提出の際に、量よりも質を重視して、締め切りに終われないことが重要だという持論が展開されていましたが、現実社会には何かしらの締め切りがあって、もちろんバーガー氏もわかって、生徒たちがさまざまな締め切りに向けて悪戦苦闘することが書かれていましたが、締め切りが迫らない限りは、何度も見直すことが大事だということを重視しているように感じられました。この姿勢は学校では通用するかもしれませんが、社会、特に相手がいることでできるとはあまり思えませんでした。


詳しく書かれていなくて残念だったのは、バーガー氏の学校を卒業した生徒たちが社会でどう活躍しているかということでした。卒業生が本書で出てくるのは、学校内のプロジェクトの先輩という文脈だけでした。


生徒たちが運営するジュエリー・ショップの例が書かれていましたが(参照222-227ページ)、期間限定のプロジェクトで、終了後も生徒たちは続けたいという想いを持っていたにもかかわらず、バーガー氏が「無理です」と生徒に伝えていたところが学校の先生の域を出ていないことがわかりました。