「クラフトマンシップの文化」を深掘りする-その18「学校で育むべき“アート”の力」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



今日の一日一読は第3章の続きで「アートの力」までです。ここでバーガー氏の学校で取り組んでいる「アート」がいわゆる美術や芸術の意味だけなのかどうかは結構大事な気がしました。


おそらく学校教育の中では、アートが芸術や美術だけを指さないことは大した意味がないかもしれません。単純に5教科に該当するか否かの違いぐらいにみなされるからです。


しかし往々にして、副教科と言われるものの方が社会の生活に役立つことはあります。特に英語のartという言葉に含められているニュアンスが現代社会では幅広く捉えられ、ビジネスの世界でも肯定的に使われるようになってきています。


もちろん、バーガー氏自身の文脈では、普通にアート=芸術や美術を指すことが多いので、私の深掘りの仕方は当てはまらないのかもしれませんが、見当違いだとは思えない深みのある内容だと感じました。


以下の内容は特に興味深かったです。

「私たちが問うべきなのは、授業の一環として芸術を取り入れる余裕があるかどうかではなく、どのようにすれば生徒が芸術家のようにこまやかな気配りや気遣いを持てるようになるのか、ということです。私の学校ではどの学年でも、生徒は自分が学んだことを何らかの形で作品として表現し、他の生徒と共有します。解説、創作物語、詩、展示物、図、 地図、イラスト、ポスター、模型、コンピュータでのプレゼンテーション、写真、スライ ド、ビデオ、演劇、音楽、ダンス・・・・・・。文章や図を使った作品の発表、口頭発表、 口頭発表、身体がフォーマンスなどはすべて、美的な視点や感覚のもと準備され、批評され、さらに磨かれ、鑑賞され得るし、またそうされるべきです。演劇、音楽、書道、写真など、どんな芸術分野でも同じことが言えます。芸術を愛し、洗練された作品をつくることを通して、生徒は自分自身や作品を大切に表現することを学ぶのです」(125ページ)