「クラフトマンシップの文化」を深掘りする-その16「プロジェクト活動能力はどう育てるか?」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



今日の一日一読は第3章の続きで「作品を通して読み書きの力を育む」までです。今回の内容もかなり参考になりました。なぜなら、前回のプロジェクト活動を学校でやろうとすると当然先生たちから質問されることにバーガー氏が的確に答えていたからです。

「生徒の力強いプロジェクトの作品を先生や校長先生に紹介すると、次のような反応が返ってくることがよくあります。「この作品は本当に素晴らしいけれど、私たちにはブロジェクトをする時間がありません。生徒たちに、基礎的なスキルを教える必要があります。プロジェクトやテーマ学習に時間を費やす前に、子どもたちに読み書きをしっかり教えなければならないのです」(114ページ)


これこそが先知後行の最たる理由だと思います。やろうと思っても、子どもたちができないから、まず教えないといけないという論理です。


バーガー氏はそもそも「プロジェクト」というものに対する教職員の囚われを指摘していましたが、プロジェクトと教育を分けること自体が必ずしも前提ではないことがよくわかりました。


バーガー氏が説明していたように、子どもたちはすぐにはできない課題に対して、自分たちがどうしたらできるようになるかを考えて、行動しながら学んでいきます。


これは子どもに限らず大人も普通にやっていることです。ただこれを認めすぎると、学校そのものの存続価値に関わる可能性も出てきます。しかし、バーガー氏はあくまでも学校教育として実践しています。このことは学校関係者にとってとても良い話ではないかと素直に感じました。