今日の一日一読は「〔234〕烏山の救急仕法」でした。今回は昨日の内容に似ていたのですが、同じ内容が繰り返されるのではなく、前回の続編という位置づけでした。
冒頭は同じ仕法を要約してまとめていましたが、次の内容は初出でした。
「飢民の気ばらしのために藩士の武術のけいこをそこで行わせて、縦覧を許したり、折々は空砲を鳴らしたりして、滅入った気分を消散させた。そのうち病気になった者は、自宅に帰すか、別に病室を設けて療養させた。」(304ページ)
ここで書かれていることは前回には触れられなかった部分という意味で非常に大事だと思います。なぜなら、前回の内容にはただ死なない程度に我慢をし続けるということしか書かれていなかったからです。もちろん、危機的な状況にあって、気の緩みなどあってはならないと思いますが、人間である以上、気晴らしも必要な時があります。特に、ただじっと我慢をするように言われていた働けない人たちのために気晴らしの場を設けようとした尊徳がいたことは見過ごせない点だと思いました。