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※この物語はフィクションです。実際の人名、団体名、事件等は関係ありません※

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『red』後編


-red-  



ある日の事。王であった姫様のお父上が亡くなられた。
体が次第に腐っていく病気で、治す方法は誰も知らなかった。
とうとうある朝、心臓が腐ってお亡くなりになられた。
姫様は臭くて汚いから、と。お父上が死ぬ間際もお父上の傍には寄らなかった。
娘である姫様を溺愛していた王様は、娘に看取られず腐って亡くなった。

死ぬほど娘を愛していた王様は、皮肉な事に娘に愛されず死んだ。
さて。王様が死んだ後、国民は嘆き悲しんだ。娘には愛されなかった王は、国民の大半に愛されていた。
姫様の行為を見逃していたことを差し引いても、王は国民にとって愛すべき王だったんだ。

その王が亡くなった今。横暴な、父王の死すら看取れぬ冷血な姫様のみが居る王宮に。
人々は、なんの躊躇いもなく剣を取り、掲げ、そして突きつけた。
王が居なくなった今、制止するものは無くなり、人々はクーデターを起こした。

「姫様大変です!国民が、クーデターを起こし王宮になだれこんできました!」

大臣は、慌てて姫様にそう告げる。姫様は、それを見て五月蝿そうに言った。

「それがどうしたと言うの。総て首を切ってしまいなさい。」

「ですが、姫様。数が多すぎます。それに首切り処刑人も、クーデターに加わっているんですよ?!」

それを聞いても、お姫様は動じない。それどころか事も無げにこう言う。

「それがどうしたと言うの。その首切り処刑人も、一緒に打ち首にしてしまいなさい」

―――大臣は、長い長いため息を付いて・・・・。

「だから、お前は馬鹿だと言うのだ。」

そう言って、お姫様を殴り、気絶させた。

数時間後。姫様は処刑台の上に載せられて、狂喜と歓声の、国民の只中に居る事になる。

「私にこんな事しておいて、只で済むと思う?!お前たち皆打ち首よ!」

お姫様は最後までそう喚いた。国民の間から、嘲りと哀れみの声が聞こえた。
その姫様の喚く首を押さえ・・・・。首切り処刑人は姫様の首を落とした。
国民の間から、わぁ!と歓声が上がって、そうして、この国から姫様は居なくなったんだ。
姫様のドレスは、血でべっとりと汚れていた。あの若者の予言のように。
でも。でも。ただ一つ、予言には間違っている部分があった。
首を切られた瞬間、落ちていきながら姫様は。自分の血で汚れてゆくドレスを見た。
そうして、口元を綻ばせて。落ちる瞬間、確かにこう呟いたんだ。

「なんだ。汚い血なんて、嘘ね。綺麗じゃないの。」


...end




『red』後編


-red-  



ある日の事。王であった姫様のお父上が亡くなられた。
体が次第に腐っていく病気で、治す方法は誰も知らなかった。
とうとうある朝、心臓が腐ってお亡くなりになられた。
姫様は臭くて汚いから、と。お父上が死ぬ間際もお父上の傍には寄らなかった。
娘である姫様を溺愛していた王様は、娘に看取られず腐って亡くなった。

死ぬほど娘を愛していた王様は、娘に愛されず死んだ。皮肉だね。
さて。王様が死んだ後、国民は嘆き悲しんだ。娘には愛されなかった王は、国民の大半に愛されていた。
姫様の行為を見逃していたことを差し引いても、王は国民にとって愛すべき王だったんだ。

その王が亡くなった今。横暴な、父王の死すら看取れぬ冷血な姫様のみが居る王宮に。
人々は、なんの躊躇いもなく剣を取り、掲げ、そして王宮に突きつけた。
王が居なくなった今、制止するものは無くなり、人々はクーデターを起こしたのさ。

「姫様大変です!国民が、クーデターを起こし王宮になだれこんできました!」

大臣は、慌てて姫様にそう告げる。姫様は、それを見て五月蝿そうに言った。

「それがどうしたと言うの。総て首を切ってしまいなさい。」

「ですが、姫様。数が多すぎます。それに首切り処刑人も、クーデターに加わっているんですよ?!」

それを聞いても、お姫様は動じない。それどころか事も無げにこう言う。

「それがどうしたと言うの。その首切り処刑人も、一緒に打ち首にしてしまいなさい」

―――大臣は、長い長いため息を付いて・・・・。

「だから、お前は馬鹿だと言うのだ。」

そう言って、お姫様を殴り、気絶させた。

数時間後。姫様は処刑台の上に載せられて、狂喜と歓声の、国民の只中に居る事になる。

「私にこんな事しておいて、只で済むと思う?!お前たち皆打ち首よ!」

お姫様は最後までそう喚いた。国民の間から、嘲りと哀れみの声が聞こえた。
その姫様の喚く首を押さえ・・・・。首切り処刑人は姫様の首を落とした。
国民の間から、わぁ!と歓声が上がって、そうして、この国から姫様は居なくなったんだ。
姫様のドレスは、血でべっとりと汚れていた。あの若者の予言のように。
でも。でも。ただ一つ、予言には間違っている部分があった。
首を切られた瞬間、落ちていきながら姫様は。自分の血で汚れてゆくドレスを見た。
そうして、口元を綻ばせて。落ちる瞬間、確かにこう呟いたんだ。

「なんだ。汚い血なんて、嘘ね。綺麗じゃないの。」


...end




『red』 前編


-red-  




ある所にとても我侭な姫様が居りました。彼女は癇癪もちで潔癖症。
気に入らない物が在れば、その周りに在った物も総て廃棄させ、
気に入らない者が居れば、その家族すらも打ち首の刑に処したとか。
その父である王は、彼女を溺愛するが故にその行為を許して居た

けれど、そんな事が、そうそう周りに許されると言うものでもない。

一人の命知らずな若者が、我侭なお姫様に向かってこう叫んだ。

「お馬鹿なお姫様!お前はきっと地獄に落ちるだろうよ!」

ってね。それを聞いた姫様は、案の定、かんかんに怒って・・・
その命知らずな若者と、その家族を打ち首にするように命じた。
その命知らずな若者は、結局の所首を切られたのだけれど
姫様は珍しいことに、死ぬ前にその若者とおしゃべりをしたんだ。

「お前が死ぬのはね。私に暴言を吐いたからだけではないの。」

姫様は、その若者を見ながら優雅に言い放つ。

「お前が死ぬのはね、私の綺麗な真っ白なドレスに・・・」

もったいぶるように、一旦区切って。

「お前のその汚らしい唾で染みをつけたからよ。下賎の者であるお前の唾で。」

すると、命知らずな若者は、お姫様に向かってこう言い放つ。

「お馬鹿な姫様。お前の口の中にだって唾はあるだろうに。」

すると、お姫様は、顔をまっかにして怒り、若者をにらみつけた。

「お黙り。お前のような垢まみれの下賎の者と、私を一緒にするのではないよ?」

「俺は予言する。近いうちにお前は死ぬ。お前の汚い血でドレスをべっとりと汚して。」

そこで、若者は額に汗を浮かべて、必死に恐怖を押し隠すような声で、荒い息で、こう言う。

「俺のように。」

お姫様はその若者をふんと鼻で笑ったあと、もう興味がなくなったかのように背をむけて。
そうして歩いて、しばらく離れたところで、ふと振り返ると、若者の首が切られる瞬間だった。
真っ赤な血が、ぴうと噴出すのを見て、お姫様は顔を綻ばせて呟いた。

「下賎の汚い血だけど、色だけは綺麗ね。」

お姫様はその様子を、とても優雅に笑いながら見つめ続けていた。

to be continued
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