孤児院を出て既に一月が経った。
ルールーさんが言っていた通りまだ戦力と呼べる人数は集まっていない。
英雄の力、ルーの名を持つ戦士は自分を含めて三人だけである。
しかも能力らしいものは見せてもらってもいないし
ルーザルはともかくルールーに関しては
振る舞いや動きからして戦うことなど出来そうもない。
今はひたすら仲間探ししかない。
力があったとしてもたった二人で10万以上といわれる
国軍兵に勝てるわけもないのだ。
これじゃあいままでの日々と余り変わりは・・・
「てめぇはまた口に出しやがって!!」
ルーザルがワザルの頭を殴る。
「いったいなぁ!!何するんだよ!!」
ペンを持った手で頭をさする。
「お前には他の能力者を探すよう言ってあったのに見つけてないわさっさと合流してまたそのちんけなもん書いてるわ…ほんとに使えないやつだなぁ!」
苛立ちをこめて怒鳴る。
「そんなこと言ったってこの広い国の中で人探しなんて無理だって!だったらさっさと合流して小説進めていた方が有意義ってもんだよ!ほらルーク見てよこれ!君のおかげで冊子一枚分まで書きあがったんだよ!いや~やっぱ本物がいると違うよなぁ…兄さんやルールーさんも力あるけど見せてもくれないし話になんないよ。その点ルーク君はすぐ見せてくれた上こんなかっこいい能力…あぁ…なんて素晴らしい…」
そこでまたルーザルが一発入れる。
派手に吹っ飛ぶワザルにはははっと笑いを入れる。
でも実際ワザルの言うとおりである。
二人の力は見せてもらっていないし
すぐに革命軍を立ち上げるわけでもなく
能力者探しの旅が続いている。
動きはしているが進展のない日々にルークはやきもきしている。
特訓がてらた薪集めや食糧確保にガルーダの能力を使い
力の強弱のコントロールを身につけようとしてはいる。
ルーザルからの指示でこれをやっているが
自分の力は見るのにルーザル自身の力は見せてくれないことに
若干の不満を持ち始めている。
不満を持ちながら街道を進んでいると
ルールーが動きを止める。
「どうやら近くで村が襲われているみたいよ。」
突然のルールーの発言にルークは驚く。
周りには特におかしな雰囲気はなく、のどかである。
しかしルーザルはさっきまでの感じとは違い真剣な雰囲気になっている。
「どっちだ。」
「まっすぐ十キロって所かしら。」
「めんどくせぇ位置だな…ルーク行くぞ。」
え、っと少し間の抜けた声を出すと
「呆けてないでさっさとガルーダ出せ!それが二人で先行して村を助けるぞ!」
言われてすぐにガルーダを出し、二人で乗る。
ガルーダは勢い良く飛び立ち上に上がる。
遠くの方に大勢が村に向かっているのが見える。
そこに向かって進んでいく。
「俺の力を見せてやるよ。」
ある程度近づき、村の門を壊し始めている賊がはっきり見えてきたところで
一言ルーザルは言い、ガルーダから飛び降りた。
まだかなりの高さを飛んでいるというのに…
続く