既に盗賊のほとんどが死に絶え、残りの者も傷つき動けない。
しかし覚醒したルーザルは暴れ続けている。
血を浴び、鬼と化した体を一層恐怖の対象とするかの如く
盗賊を引き裂き続ける。
「かの者はヤシャの力を持つ者。ヤシャは絶大な力を持つ反面、人を喰らうという邪悪な面を持つ。かの者は汝にこの力を見極め、どう使うか汝に考えてもらいたいのであろう。」
下の惨劇を見続けたルークの目には涙が溜まっていた。
弱きを助け、強きをくじくために
民衆を助け、帝国を打ち倒すために存在する英雄の力。
しかし下で繰り広げられたのは惨殺である。
英雄と呼ばれるべき力とは言いがたいほどの
圧倒的で、残酷な力である。
ルーザルはそんな力を持っている。
ある意味では烙印のようなものを押され
苦しみ続けたルーザル。
そう思うと止めどなくルークの目からは涙がこぼれた。
一刻経ち、ルーザルの動きが止まる。
周囲に生あるものが居なくなり、再びの咆哮の後ルーザルは倒れた。
「ガルーダ!!急いで!!」
ルークの命にガルーダは全速でルーザルの元へ急ぐ。
ルーザルの元へつき、ルークはガルーダから飛び降りルーザルを抱き起こす。
「ルーザルさん!大丈夫ですか?」
血にまみれたルーザルはニヤッと笑い
「あぁ…大丈夫だ…凄かっただろ俺の力…こいつは凄い代わりにちょっとの間動けなくなっちまうんだよ。…ほんっとめんどくせぇ力だよな…」
冗談交じりに言った言葉ではあるが、
ルークには重くのしかかるような言葉であった。