ホロスコープ講座を受講しての、「水星」についての振り返りと自分なりの考察をまとめたいと思います!
水星と言えば、まず出てくるキーワードとしては「知性」「思考」「コミュニケーション」などが挙げられると思います。
それはそれで何も間違いのない正しい解釈ではあるのですが、今回の受講を通して、「象意」としてもっと深みを持たせた理解につなげることができたと思います。
先生の解説で印象深かったのは、水星は「意思を持たない」「素直な天体」というところです。
「知性」「思考」が「意思を持たない」というのは、少し意外でした。
ですが水星のもつ意味としての「神経」「繋ぐ」という視点を以て考察していくことで整合性を感じられるようになりました。
「神経」とは、中枢は脳にあるものの、全身に張り巡らされているものです。
ホロスコープにおける「水星」の意味する「神経」とは、思考・知性・コミュニケーションといった、人間において発達している高次機能を司る前頭葉における働きを表すと同時に、全身に張り巡らされている末梢神経的な働きも表していると思います。
前者は広く知られている水星の役割とリンクしますが、後者の働きも併せて理解することが、水星の象意をより的確に掴むことに繋がるように思います。
末梢神経は以下の2つに大別されています。
一応本業が医療系ではあるのですが、医学的に正確に神経について説明しようとなるとだいぶ気が重くなってきましたw
【体性神経】
・体を動かすために脳の司令を筋肉へ伝えたり、また筋肉がどのように動いているかを脳へ伝える。(運動神経)
・五感に関わる刺激を脳へ伝える。(感覚神経)
【自律神経】
恒常性(ホメオスタシス)を機能させており、心拍・呼吸・体温などの調整、消化・排泄などや、それらにかかわるホルモン調整などを担う。
これらの神経の働きをを考えると、確かに「意思を持たない」状態であると納得できる気がします。
体性神経は、筋肉を動かすため、五感の情報を脳へ伝えるための「伝達役」であり、神経が意思をもってその情報をコントロールすることはできないのです。
脳と筋肉・五感を「繋ぐ」だけのものです。
また、自律神経的観点でいうと、生命を維持するという目的のために、自動運転的に身体に与えられているプログラムに則って働くものとも言えます。それは意思を持たずとも、意識せずとも生じる営みであり、生命維持のための最大の安全装置的役割であると思います。
こちらは水星と言うよりも「月」っぽさが感じられます。月も「意思を持つ」と言うよりは「受動的かつ生理的欲求」を表しており、空腹でエネルギー不足だから食べたい、疲労回復したいから寝たい、寒いから温まりたいなど、自律神経のバランスをとることと関わる欲求のように感じます。
もう少し発展させると、交感神経優位な状態では、闘争逃走モードになるホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなど)の分泌が高まり、これはまさに「火星」っぽくもあり。
副交感神経が適度に優位となり幸福感を感じているような状態は「金星」が満たされている雰囲気を連想できます。
複雑さがありますが、「神経」そのものだけにフォーカスすると、様々な心身の欲求や働きをつないでいく機能を持つとまとめられそうです。
正直すっきり体系化できず、混乱しながら書いているところもあるのですが改めて末梢神経の働きを整理すると、
①自分の意図した動きを自分の身体へ出力すること、及び出力した動きから得られる情報を脳へフィードバックする機能(運動神経)
②外部の情報を取り入れて安全性を確かめる機能(感覚神経)
③生命維持のための調整機能を働かせるために、自分の内部の情報をつなぐ機能(自律神経)
とまとめられるでしょうか。
ただ、②については、現代における「五感」は生命の安全性を確かめるために用いられることは少なくなっているように感じます。(昔だったら得体のしれない動植物が食べられそうか判断するとか、少しの物音に耳を澄ませたり遠くで何かが動くのを見たりして猛獣など敵となりうるものの存在を察知するとか、五感の発達が生命維持に直結することも多かったと思います。)
現代における「五感」とはより上質なものを味わうために磨いていくような側面も大きい気がします。(食べ物の美味しさ・見た目の華やかさであったり、衣服寝具の肌触りや感触の良さの追求、アロマや音楽など古来からあったものの発展など)
これらをホロスコープに準えて水星の働きを整理してみます。
①太陽の意図を具現化させるための働き、及び具現化した行動から得られた体験としての情報を太陽へ伝える働き
②他者とコミュニケーションをとることで太陽の意図の安全性を保つ働き(コミュニケーションなしでは誤解や対立をまねいてしまう)、または太陽の意図を洗練させたり、太陽がより良い選択ができるように、外部から得られる情報を太陽へ伝える働き
③太陽と他の天体とのエネルギーをつなぐ働きを持ち、結果として各天体の機能が調整される
一口に「繋ぐ」と言っても、様々な側面においてその「繋ぐ」という働きがなくてはならないものだと分かります。
水星のこのような力を働かせるためには、心身のそれと同じように、継続したトレーニングが必要と言えそうです。
運動神経を鍛えるために、日々筋トレしたり正しいフォームで動けるよう素振りするとか。
感覚神経を鍛えるために、例えば聴覚を鍛えたいなら、集中して色んな音を聞き分けることを繰り返すとか。
自律神経の調整能を高めるには、生活にオンオフのメリハリをつけたり、運動不足なら意識して運動を、疲れているなら休息を、と心身の機能がバランス良く働けるように整えるケアを習慣化していくことが大切になります。
つまりは、アウトプットとインプットを繰り返す地道な作業で、神経の連絡がスムーズになったり、新たな神経回路が作られるようなことが考えられます。そして、自分の中の情報を汲み取ることが習慣化できれば、心身全体が安定した状態を保つことができるのです。
ホロスコープにおける「水星」においても、思考することだけを強化しようと思わずに、「太陽の意図に沿ってとりあえず動いてみる」ことで経験を積みながら「他の天体の意見も汲み取っていく」ことで望ましいバランスを維持できることにつながると言えるかもしれません。
「とりあえず動いてみる」ことで、思うようにいかないことも多々あるとは思いますが、それに対しての考察や対策を思考するのが、高次機能を持つ前頭葉的な水星の働きに当たると思います。
過去の経験と擦り合わせたり、客観的統計的に傾向を分析してみるとか。他者または自分の中の他の天体に聞いてみたり、本やネットで情報を集めたり、そこから何かしらのノウハウを取り入れてみるとか。(前者が乙女座っぽく、後者は双子座っぽいですね)
すべてを前頭葉的な働きでやろうとしても循環のしにくさがあると思います。
最近の仕事できる風のビジネスマンはやたらと運動したり体づくりにも力を注いでいる傾向があると思いますがw、頭だけでなく全身を活動させることで脳パフォーマンスが向上したり、健康リスクが下げられたりということが科学的にもよく謳われているのです。
占星術的には、とりあえず全部の天体使って繋いでいこうぜ!という感じに言い換えられるでしょうかw
医学も占星術も中途半端にしか理解できていないものの、重なる部分を見つけ、普遍的な営みの形が見えてくると、非常に面白く感じます!
不思議と医療占星術にはさほど興味がなくw、そちらを勉強してみると今回の考察でズレているところなども見えてくると思いますが、今は「正しさの追求」よりも「考察することで世界の見え方が変わる感覚」を得ることを大切にしたいのかもしれません。
とはいえ長い記事書いて疲れたし、いまいちすっきりまとめられず精神も削られたw
今日の残りの時間は前頭葉使わずに、他の天体の欲求に耳を傾けて過ごそうと思います