【映画感想】劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』 | 雪花の風、月日の独奏

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まさかこのシリーズで泣くとは思ってなかった。

 

 

2018年に放映されたテレビシリーズの劇場版。

アマプラで配信してるとは思わず、495円のお布施で視聴開始!!

 

テレビシリーズは視聴済み。

『化物語』に似た構成だなと思いつつ、思春期症候群という超常現象の設定と女性キャラクターの愛らしさに惹かれて、全12話完走。

1クールという尺の都合により駆け足気味の昨今のアニメにしては、珍しくゆったりとしたテンポと会話劇の軽妙さで楽しく見れたかな。

妹ちゃんの第二人格が消えていくエピソードとか、すごくよかった。

それに桜島先輩は良い女だよ…ホント、よくできた人だよ…。

 

 

いや、我輩の本命は双葉ちゃんですが。

 

 

 

 

眼鏡サイコー!ソバージュサイコー!クール美人サイコー!

ダウナーなテンションサイコー!とどめに種崎ボイスサイコー!!!(語彙が貧相)

 

 

劇場版はTVシリーズ最大の謎であった「翔子さん」の存在をピックアップ。

「翔子さん」って正直苦手なタイプの女性キャラクターなので、彼女が周りをひっかき回す展開が苦々しかったのと「翔子さん」が再登場するくだりが性急すぎたのもあって正直、序盤は辟易してマシタ…。

 

けれども、「翔子さん」の正体が判明して、彼女と咲太にまつわる因果な運命が明らかになってからは話が面白くなり、終盤で号泣。

桜島先輩が咲太をかばって死んでしまうシーンはきつかった。

自暴自棄になる咲太の姿には、『CLANNAD』で渚が死んだ後の朋也が重なる。

そして、桜島先輩の命を守ることを選んで、「翔子さん」の未来の芽を摘んでしまう場面では、

感極まって落涙…。

咲太が着ぐるみを着ていたのには、二重三重の意味があったのね。

自分、この作品に泣かされるとは思ってもみなかった。

 

ラストはとてもきれいにまとまっていた。

14歳の「翔子ちゃん」が「現在」で、大人の「翔子さん」が「未来」だと思っていたら、小学4年生の「翔子ちゃん」が「現在」だというレトリックになっていたとは思わなかった。

咲太たちが「未来」で14歳の「翔子ちゃん」に希望を与えたことで、翔子の思春期症候群は発動せず、「翔子さん」との出会いも全ては「夢」と化してしまった。

桜島先輩は傍にいる。

妹も後輩たちも変わらず過ごしている。

そして、あの日「夢」を見た少女は、何不自由ない体を取り戻していた――。

ご都合主義と言えばそうだけど、桜島先輩にも翔子ちゃんにも不幸な結末は似合わない。

全ては「夢」の導きのまま…。

 

 

昨今の劇場版アニメにしては珍しく、演出にとんでもなく気合が入っているわけでもなく

派手なアクションシーンがあるわけでもなく、本当にテレビシリーズの延長という趣きだったけど、それがゆったりとした雰囲気の本作には却って合ってる。

シリーズを締めくくるにふさわしい作品でした。

 

 

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評価 (★:1点、5点満点)

 

 シナリオ     ★★★★☆

 キャラクター   ★★★★☆

 演出・テンポ  ★★★★☆

 作画・美術   ★★★☆☆

 音楽       ★★★☆☆

 総合       ★★★★☆

 

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