【読書感想】『虚構推理』(講談社文庫タイガ)(3・完結) | 雪花の風、月日の独奏

雪花の風、月日の独奏

ゲーム、アニメ感想メインの堕落ブログ。
主にギャルゲ、時々百合。

 

やっとこさ読了~。

これを読むと、アニメの出来がいかに素晴らしかったのかを再度実感することができる。

 

 

 

 

解決第1から第3までを段階的に提示し、解決第4という核弾頭を投下することで

「無責任な決定者」たちの圧倒的な支持を得て、六花の企みを撃破。

闘いの後、九郎と紗季さんは自分たちがやり直せないことを再確認し、

紗季さんは、夜に対する恐怖を抱えながらも前を向くことを決める…。

終盤も基本的な流れは、原作通り。

 

 

コミカライズは見ていないのでアニメが漫画準拠なのかよく分からないんだけど、

終盤の「真犯人」指摘のくだりは、アニメの方が圧倒的に迫力があった。

これは映像という視覚情報のインパクトがもたらす作用が大きいので、

当たり前といえば当たり前なんだけど、

鋼人七瀬の肖像画が砕け散り、そこに「七瀬かりん」が収まっているという構図に

大変なインパクトがあり、興奮度合いはアニメの方に軍配が上げたい。

BGMという相乗効果もあったしね。

本作、劇伴のクオリティがとんでもなく高いんだよ。

サントラ単体で出してほしい。

 

また、琴子が弁舌を繰り広げる一方で、九郎が鋼人七瀬と対峙し続けているという

アクション要素もあったので、やっぱりアニメの方が面白いなあ、と思ってしまう。

九郎ちゃん、スポーツも格闘技の心得もなく、足元も覚束ないはずなんだけど、

終盤のバトルは完全に玄人のそれだったよ。

下手なアクション漫画の登場人物よりも強い。

絵的に面白いんで、全然問題ないのだが。

あと、アニメは会話の間が本当に良かった。

 

 

一方で、原作は文字媒体なので、琴子の論説が理解できない場合、

ページを繰って読み直すことができるという利点があるので、

彼女の解決方法をより深く理解したい場合は、原作がおススメ。

「七瀬かりん」というアイドルがどういう人物だったかを詳しく知りたい人にも、

原作をおススメしたい。

アニメでは「青春!火吹き娘」のインパクトが強烈で

彼女自身の人となりにはあまり触れられていなかったけど、

原作を読むと、彼女がどうして知名度の低いアイドルだったという理由がはっきり明示されている。

自分は彼女の聡明さと強気さ、したたかさがすごく好きでファンになったけど、

それらの要素が逆に一般の男性が求めるアイドル像とはかけ離れていて、

そこまで人気がでなかった、というエピソードが面白かった。

 

あと、最終回で紗季さんが焼き鳥定食を食べていた理由。

原作を読むと、ほろりとしてしまう。

 

よって、結論。

『虚構推理』は原作もアニメも堪能すべし。

 

 

 

 

 

「雪女のジレンマ」編が気になって、最新刊だけコミックスにも手を出したんだけど、

コミカライズ版も面白いな。

 

 

 

 

雪女、可愛い。本作はゲストヒロインが粒ぞろい。

琴子は………………………………………………………………品性