面白い。
アニメも面白かったけど、原作もたがわず面白い!
アニメの映像を脳裏で再生しながら読んでる!
七転八倒で到着~♪
「鋼人の噂」「想像力の怪物」の章まで読み終わり、
後半戦の「虚構争奪」の章に突入。
原作を読むと、やっぱり紗季さんが主役だったんだなあ、と再認識させられる。
紗季さんに視点を固定しているわけじゃないので、琴子視点の描写もあるにはあるけど、
それでもやっぱり、紗季さんを中心に話が進んでいっている。
アニメでは琴子が解説役を担っていた「九郎が人魚とくだんを食べた経緯」について、
原作では紗季さんがその役割を果たしているのが大きな違いかな。
それに、紗季さんの自分に対するコンプレックス、琴子に対する嫉妬心、
六花さんに対する不快感、劣等感や畏れといった描写が緻密に描かれていて、
ますます彼女に感情移入してしまった。
原作の紗季さんはより人間臭い。それが良い。
むろんアニメの紗季さんも良い。
九郎は、アニメ同様温厚で朴訥とした青年として描かれてはいるけど、
彼の視点で語られる段落は今のところ一つもないので、
アニメ以上に不可解で謎めいた存在という印象が強い。
存在感がないわけじゃないけど、本当につかみどころがない。
アニメで2-3話に「沼のヌシは聞いていた」のエピソードを挿入したのは、
世界観を紹介する導入部として機能させるほかにも、
九郎の人間らしさや優しさを強調する目的があったのかな。
じゃないと、鋼人七瀬と対峙する九郎を応援する気持ちになれないもんなあ。
原作だと、「虚構争奪」の章に至っても、九郎ちゃん、いまだに謎の人。
アニメの構成は正解だよ。
いや、コミカライズ版が正解なのか?(←コミック読んでない
それ以上に、原作で良かったのは寺田刑事の人となりの描写がもっと緻密だったことかな。
読めば読むほど寺田刑事が人格者だったことが理解できる。
無下にされても怒ることも嫌がらせをすることもなく、
ずっと惚れた相手に真摯に接することができるなんて、
寺田刑事、めちゃくちゃいい人じゃないか。
更に。まさか、原作では焼き鳥食べに行く約束してたとは。
そうなると、アニメ最終回の「焼き鳥」のカットは全然違った意味を持ってくる。
紗季さんの好みのタイプ(ビジュアル面)じゃなかったのは、
寺田刑事にとっては不運だったとしか言いようがないけど、
それでも九郎のことに踏ん切りをつけようとした紗季さんから
ようやく、ようやく食事のお誘いを受けてもらえた矢先に
鋼人七瀬に撲殺されてしまうなんて、何て悲しい運命。
結末は知っていたけど、結構お似合いの二人だと思ったので、本当に切ない。
残すは、「秩序を守る者」の章のみ。
結末は知っているけど、原作ではどのように描写されているのか、先の展開が楽しみ。