ムスタン王国の王子さまに、リアルに謁見できたときの話。 | 世界を旅するラブレター

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「アラサー・独身・彼氏ナシ」現代女性の三重苦を背負ったバックパッカーが、さらに「住所不定・休職」をステータスに加え、世界一周に旅立ちます。

ナマステ!(こんにちは)

 

いつもムダな知識が一個多いと言われた女、

ミギー(ないよりあったほうがいい派)です。

 

かつての恋人さんとダッチワイフの話題になって

恋人さんから「いまではリアルドールって言うんだよね」とフラれたので

「リアルドールといえば、オリエント工業さんが高品質で有名だよね」と返したら

「そこまで深みに行かなくていいし、なぜそれを知ってる」と言われたのち

数ヶ月後に別れるハメになったわけです。

 

ダッチワイフやオリエント工業さんのせいで別れたわけじゃないけど。

 

ハメを外すより、むしろ、ハメたいお年ごろ。

 

 

 

はい。

 

 

 

歩きはじめて5日目。10月1日。

 

宿泊地ツァラン(Charang、標高3560m)では、いつもより早起き。

 

なぜならば、

昨日拝観したゴンパ(僧院)でのプージャ(観行、修行)を見に行くため。

 

ツァランのゴンパには16名の僧と、13名の少年僧がいるらしい。

 

ゴンパ自体は約700年前にできたそうなんですが

人によっては「いや、900年前だ」「いやいや、7世紀にできたんだ」

と言ったりするので、真相はナゾ。

 

どの説であったにしろ、古いゴンパであることに間違いなさそうです。

 

そんな歴史あるゴンパでのプージャが

朝6時半から行われると聞いたので、その時間に行ってみたものの

メインのお堂は閉まったまま。

 

お茶を用意しているお母さんがいたので、身振り手振りで聞いてみると

どうやらまだみんな寝ているらしい。

 

うーむ、どうしたものか、と思っていると

お堂の右にある部屋から、太鼓と鐘の音が。

 

お母さんが「行ってみたら?」と言ってくれたので音の鳴ってる部屋のほうへ。

 

中をのぞくと、お坊さんがひとりで太鼓と鐘を鳴らしながら読経中でした。

 

そろそろとお邪魔して、近くに座らせてもらい

朝日が差し込んでくる部屋のなかで、静かに彼の読経に耳を傾けてました。

 

深く響き渡る音が、とても心地よかったのを覚えています。

 

 

しばらくすると、読経が終わった僧が照れくさそうに話しかけてくれました。

 

彼は18年前に出家し、

1年前にインドのダラムサラから、このゴンパにやってきたそう。

 

彼がひとりで読経していたこの一連の修行は

「マハカラ・プージャ」というものらしい。

 

1年間、毎日欠かすことなくこのプージャを行うことが、今の彼に与えられた修行。

 

「本当に1日も休まずに続けてきたんだ。

 どんな日にも。雪の降る、寒い冬の日にも」

 

10月に入ったばかりのこの日でさえ、朝はけっこうな肌寒さ。

暖房のないこの場所で、雪の降る日となると、どれだけツラいことか。

 

「この修行もあと2ヶ月で終わる。

 そしたら、またどこにでも行けるようになるんだ。

 今年のチベット暦はダブルマンス(2回訪れる月)があったから

 ぼくの修行は、例年より1ヶ月多くなっちゃったんだけどね。

 きっとコレも、グットカルマだよ」と彼はおだやかに笑っていました。

 

ゆるやかな空気のなかで会話していたら、いつのまにか時がすぎており

もう宿に戻らなくてはいけない時間に。

 

よい旅を、と彼に見送られ

帰りにメインのお堂で読経を始めた、寝起きの少年僧たちをチラ見して、

ゴンパをあとにしました。

 

 

さー、今日はいよいよ首都ロマンタンに行ける日。

 

さくさく歩きます。

 

どういう感じに歩いてるか、みなさまに伝わりやすいかと思い

パノラマで撮影してみました。

 

クリックで少しくらい大きく表示できるはず。

写ってるのはガイドのサビン(彼女がほしい28歳)。

 

 

ムスタンのトレッキングは、

ジープも走れるような道を歩く時間が長いので難易度は高くないです。

 

初日のジョムソンやカグベニあたりはバスが走っているのですが

奥地にいってしまうと公共の交通機関はありません。

 

ジープをチャーター、またはシェアする手もあるのですが…かなり高いらしい。

そのため、村々を移動する農作業車にも

「チャーンス!」とばかりに人がいっぱい乗ってます。

いくばくかの燃料代はシェアしてるらしい。

 

こんな乾燥してても植物があるってふしぎ。

 

なぜこんなところに!?という場所にもチョルテン(仏塔)。よく作ったなぁ。

 

氷河がどういう風に溶けていったのか、想像に難くないっすね。

 

まだまだ向こうにいきますよー。

 

お、右側になんか見えてきました。

 

おぉ、洞窟。穴をよく見ると、壁をつくったり削ったりしたあとが。

かつては人が住んでたんですね。

 

人の足でも、ひたすら歩けば遠いところまで行けるもんだなーと思ったり。

 

果てしないように見えても、けっこう行けちゃうもんなんです。

 

ひたすら歩きます。

 

 

お、峠だ!峠が見えてきました!

峠には必ず5色の旗、タルチョがパタパタしてるのでわかりやすいっす。

 

Lo La、標高3950mを通過。(La=峠で、Lo=ムスタンって意味)

 

この広さもパノラマで撮ってみました。

みなさまにムスタンの景色をおすそわけできたら、うれしいです。

 

首都ロマンタンも、うっすら見えてます。

トリミングしたこの写真だと一番手前の山のむこう。わかりますかね。

 

 

すんごく遠く見えますけど、この峠から1時間かからないくらいの距離です。

 

というわけで、歩いて4時間半。

ロマンタン(Lo Manthang、3840m)に到着。

 

リアルに歩いて5日かかりました。

 

泊まってる宿の屋上から。街の全景は見えず…。

 

 

幸運にも、今日はムスタン王国の王子さまがロマンタンにいらっしゃるらしく

わたくしめも謁見できることに!

 

まさか我が人生で、本物の王子さまにお会いできるなんて。

 

※ 以前は王さまが謁見に応じていたそうですが、

  いまは高齢のため王子さまがその役割を代わられています。

 

質問があれば、ことばを交わすこともできるらしい。

 

うおー、何をお話ししようかなー。

とドキドキしながら、謁見の時間を待ちます。

 

夕方。

王宮からの使いの方が宿まで呼びにきてくれました。

いよいよです。

 

 

宿から歩いて2分くらいの距離に、王さまたちが住んでいる王宮があります。

この白い建物。歴史を感じますな。

 

同時期にロマンタンにいた訪問客10人くらいといっしょに、

部屋に通されます。

 

こ…この部屋に王子さまが…。

 

王子さまってどんな御方なんだろう?

って思うじゃないですか。

 

THE王族!って服装ではなく、国民と同じような洋服をお召しでした。

華美なところはなく、おだやかでやさしい笑顔をたたえたビスタ王子。

 

ひとりひとりに、カタ(スカーフ)を首にかけてくださいました。

これは歓迎と祝福を表す行為なんす。ありがてぇ。

 

みんなで車座になって座り、談笑。

お茶も出していただきました。至れり尽くせりです。

 

王子は、みんなからの質問に笑顔でこたえながら

ムスタン王国のことをいろいろ教えてくれました。

 

 

ロマンタンには800人ほどが住んでいて、王子はみんなの顔を知っていること。

 

冬には仕事がなくなり、寒さも厳しいため人口が半分ほどになること。

 

これからは教育にチカラを入れたいこと。

あたらしい学校設立にあたり、各国の有志から支援してもらい感謝していること。

 

高額な特別許可書は父(現在の王さま)の方針であり、

いつまで続けるか未定であること。

※ ムスタン王国に入るには10日で500ドルの特別許可証が必要。

 

チベットとムスタンとの国境を開放できないかネパール政府に打診していること。

※ ロマンタンからチベットまでの距離はわずか20キロ。聖地カイラスまで車で7時間。

 

 

 

わたしからは「日本人がお手伝いしている農園、今年の収穫はいかがでしたか?」

と聞いてみました。

 

不毛の大地ムスタンで何十年も研究を重ね、

いまでは豊かな実りをもたらすことに成功した日本人の農学者・近藤亨さん。

(現在は90を越える高齢のため日本で静養中。くわしくは、こちらのページをご参照くだされ


その後進の方が、いまでもムスタンのために農園で働いていると聞いていたので

それについてうかがってみたのです。

 

すると、ビスタ王子とその側近の方から

「今年もよい収穫が得られました。

 近藤さんたちには本当に感謝しています。

 国民も、近藤さんのことを王さま同様に尊敬しています。

 よかったら、帰りに農園に寄ってくださいね」との言葉が。

 

これほどまでに、みんなに感謝され、尊敬される近藤さんの生き方。

 

わたしはいままでそんな生き方、まったく考えてなかったし想像もしなかった。

誰かのために、と思っていても、やったことはちょっとの偽善だけで

振り返れば、自分のためにしか生きてこなかったわけで。

 

近藤さんや、ムスタンで働くみなさんを思うと

自分がとても小さくて恥ずかしく思えてきて。

 

「人の役に立ちたい」ということが、

けっきょくはただの欲でしかなくても、

これからの人生で何が成せるか考えたいなー。

と、

そんなきもちになりました。

 

 

 

謁見の途中で、王宮で飼ってるという小型犬2匹が部屋に乱入し

部屋の中央で2匹がキャンキャン遊んでるのを

みんなでひたすら眺めるという一幕も。

 

ゆるやかな時が1時間半くらい流れたでしょうか。

日も暮れたので、そろそろお開きに。

 

最後にいっしょに写真を撮ってくださるとのこと。

どこまでサービスいいんですか、ビスタ王子。

 

というわけで、わたしも撮ってもらいました。

ツーショット。

写真を撮るとき、王子さまが腰に手をおいてくれたんすよ!

わーお。

 

みなさんも王子の写真見たいっすよね。

 

暗くてすみません、ビスタ王子はこちらです。

(右側にわたしがいて、最後にあいさつしてるときの写真。サビンくん撮影)

 

庶民的でありながら、その笑顔には慈悲があふれてました。

ありがとうございました、王子。

 

王子がロマンタンにいらっしゃる場合は、誰にでも謁見のチャンスがあるので

みなさまもムスタン王国に来たときにはぜひ王宮を訪れてみてください。

 

 

次回、洞窟に潜入。

をお届けする予定。

 

 

読んでくださり、ダンニャバード!ヘリベトゥラ(ありがとう、またね)

 

 

I’m still alive , and i love u.

 

 

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