名物としてあるようです。(小樽では、群来そばというバリエーションも)
もともと京都の味として、江戸時代から食べられていたという話と、鰊の魚場
だった江差の横山家がルーツとも言われ、多くはかけ蕎麦に、身欠きにしんの
棒煮(甘露煮)を載せた物が普通でしょう。
札幌で「にしんそば」が有名なのは、行啓通りにある八天庵で、ここが本店。
他にも暖簾分けの店や、名前貸し(FC店?)があるそうです。
ここ、八天庵本店で使っているのは「生身欠き」である事と、半身ごとではなく
食べやすい大きさになっている所などが、他のニシンそばとの違いでしょうか?
あと、大きいのは、冷たいせいろの蕎麦も選べる事で、蕎麦は冷たいに限る派の
私は嬉しいです。もっとも、ニシンそばだけは、銭函更科などのような温かいのも
とても美味しいですが。
生身欠きの蕎麦を思い立ったのは、60年ほど前に先々代が漁師さんを
訪ね「鰊はどう食べたら一番美味しいか?」を教えを請いに行ったところ
「そりゃ、一夜干しの生身欠きが、一番うめべや」と聞いてきてからだとか。
身欠き鰊の乾燥は、用途により本乾、七渇、半乾、三分乾とあり、本乾は
完全に乾燥させるまで、5~6日かるそうですですが、こちらは一夜干し。
その鰊を醤油、ザラメ、昆布に、昭和24年から注ぎ足しのタレで、12時間
煮込んでいるそうで、昭和24年…私と同学年。親しみを感じるわけです。
おかみさんのお勧めは「最初は薬味を入れたとろろに付けて召し上がって
見て下さい」との事。
※白とびしていますが左手前の器は摺り降ろした長芋が入っています。
まずは鰊をそのままいただきます。おお、やわらかで美味しい!
柔らかく箸でサクッと切り取り、口に運ぶと、舌の上でホロホロと溶けて
ゆくような味わいは良いですね。
次は、何も付けないとろろで。鰊の生臭さなど微塵も無く、これも合います。
次には薬味を入れたとろろで…と、美味しくいただきました。
今回は仕事中だったので遠慮しましたが、次は休日に酒と一緒ですね。
ニシンとフキで一杯やって、猪口半分位残した酒を、蕎麦の上からさっと
ふり掛け、もりそばでいただく。
ニシンそば1200円だし、お酒といただくとそれなりの値段になるだろう
から、頻繁には行けないけど、たまにはそんな休日も良いな。