「東証システム障害」のその後 | ロマンチックなSEがIT業界を変える。

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東証システム障害の原因調査結果が出ましたね、「作業指示書の記述ミス」が原因で、東証の役員、富士通の役員が減俸処分になっています。まあ、それは役員という役割を担っている上で形式上仕方がないことです。

一方、現場は今、どうなっているんでしょう。非常に気になります。きっと再発防止策を検討して、報告書にまとめて、幹部や営業がお客様に説明して、という段取りをしているかもしれません。

その原因分析が、「東京証券取引所システムダウンの真の原因とは?」という記事でされています。「経営陣にITに対する土地勘がなかったのではないか」というのがその主旨で、対策としては「ITを経験した人材を役員にしてはどうか」と書かれています。

もちろん、それはひとつの対策になるかもしれません。でも、それで再発が防止されるか、というとできない気がします。

  ・10億~100億のシステム開発は100~1,000人のエンジニアが関わっている
  ・そのため組織は階層化されており、6~7階層は普通である
  ・とすると、トップ方針を担当者に浸透させるのはほぼ不可能である
  ・つまり、担当者レベルで品質を確保する取組みが必要である。
と考えます。

結局、大規模システムの開発では、役員に対する報告は、きれいにクレンジングされた情報だけが上がっていきます。「設計はほぼオンスケ」とか「要員不足あり、現在対策中であるが確保できる見込み」とか「試験は1週間遅れだが予備日を活用してリカバリ見込み」とか。。。

仮に役員に人員やコストをきちんとマネージできて、対策を打てる権限やリソースがあれば、まじめに報告するでしょう、そしてプロジェクトが成功できるのであればどんどんヘルプを出します。しかし、現実には他のプロジェクトも多忙で、そんなリソースもなく、まじめに報告したら恫喝されたり、もっとしっかりやってよ、なんていうコメントしか返ってこないとすれば、「うまくいってます」的な報告しかあげなくなります。それが今の進捗報告の実態ではないでしょうか。

ちょっとハナシがそれましたが、現場の作業リーダが品質に対するポリシーを持って、メンバーの計画、作業、結果をきっちりとレビューし確認していく、という細かくて地味な作業をコツコツと積み重ねていく、そしてその努力を報うような仕組み作りが必要なのではないか、と考えています。それが役員の仕事ではないでしょうか。