このシリーズ 今4作出版されています。
今回は「対決篇」
対決といっても2枚の名画を比べて紹介しているのですが、
ほとんどはテーマについて
2名の画家の作品で書かれています。
ただ表紙だけは同じ画家
テーマは「麗しの王妃」オーストリアvsフランス
オーストリアは有名なエリザベート
THE ハプスブルク で見た同じ画家の
エリザベートの印象が強烈に残っています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20091129/18/mietyan/ee/33/j/t01970244_0197024410323517308.jpg?caw=800)
対するフランスは皇帝ナポレオン三世の妃ウージェニー
あんまり馴染みのない王妃ですが…
エリザベートはこのウージェニーをもっとも意識していたとか
エリザベートは姑のゾフィーとの確執もあり各地を転々と移動して宮廷を顧みず
最後は旅行先で暗殺されます。
表紙の作品はいつもいないエリザベートを想ってフランツ・ヨーゼフ皇帝が執務室に掛けられていた絵だそうです。
対するウージェニーはファッションリーダーとしてだけでなく政治にも口出しをしたとか。
結局プロイセンとの間に戦争が起こり
イギリスに亡命 そこでナポレオン三世は亡くなり、息子も先立って
彼女は94歳まで生きたそう。
柔らかい面影の肖像画から強さはあまり感じませんが…
この章だけでも読み応え十分
こんなお話がいろいろと
男の美貌という対決では
リゴー作「ルイ十五世」vsレーニ作「聖セバスティアヌスの殉教」
イケメン対イケメンですが
雰囲気は対極
これもよかった!
一番初めには
私の好きなカラヴァッジョ
「聖マタイの殉教」
絵の見方もいろいろ想像できる典型のような内容が書かれていました。
そして長年の疑問の答えも
最近宗教画を見ていて疑問だったのです。
なぜ赤ちゃんの姿のイエスは可愛くないの?
西洋画にかかわらず、日本画でも可愛いと思えない幼児の絵を見ますが、
それとイエスと限らず可愛く感じない幼児の絵は多いですが…マンガに毒されて「かわいい」基準が高くなりすぎですかねぇ?
イエスに関しては他の幼児とは違う、イエスが特別だと
超越した存在の威厳で
幼子イエスはかわいく描かない暗黙の了解があったそうです。
それとあまり意識しませんでしたがキューピットと天使の違いとか
ぱっと見、絵の内容でわかりますが、神話と聖書のどちらの存在かで違います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150502/22/mietyan/31/c9/j/t01500117_0150011713294292315.jpg?caw=800)
昨年ルーヴル美術館展 で見た「アモルを売る女」
この本では「キューピッド売り」として紹介されています。
つままれているキューピッドがおかしかったです。
中野さんの本を読むと、絵のことだけでなく歴史についてもおもしろく読めるので、いいですねぇ