「カリブの黒い薔薇」
あらすじ
檜山基一(斎藤工)の財産を全て奪い取った村雲(ARATA)が歌織(麻生久美子)と光とともに消えて1年が過ぎた。
左遷で多摩税務署勤めの春馬(江口洋介)は窪田(田中圭)からライトキャストの裏金がスイス銀行にあるという情報を知らされるが、脱税した5800億円と村雲の行方は依然つかめない。
窪田が檜山基一がなぜ村雲を告発しないのかというと、檜山は村雲を殺したいほど憎んでいるが、詐欺罪で捕まっても数年で出てきてしまうので、それでは飽き足らないはずだと言う。
村雲はヴァージン諸島に帝王として君臨していたが、金を手に入れても闇に向かう村雲。5800億円を光の口座にして、子どもを「カリブの王子」として仕事に利用し、抱こうともしない村雲の復讐は終わっていないことを知る。
歌織は村雲が子供の頃に撮った母親との写真と、ビデオテープを見た。そこには餓死したと聞いていた母親の姿を見つけ、死んだというのは嘘だったことに気づく。村雲は復讐が目的ではなく、本当に憎い人を憎めないばかりに世界中を憎み続けていたのだ。大金を手にして、カリブ海でもすさんでいる村雲の姿に、歌織は光のお金を全て基一の口座に戻し、光とともに村雲のもとから姿を消して日本に戻ることにした。
5800億円が基一の元に戻ったことを知った査察は、スイス銀行の口座、レンタカーのがさ入れで村雲がスキームの中心人物だとつきとめる。ライトスタッフの脱税で基一の家を家宅捜査、基一を訪ねて口座の暗証番号を渡しに来た歌織も捕らえられる。
歌織は春馬に「あなたなら村雲を救えるかもしれない」という。
査察は基一の口座に入っていた裏金がまた消えてしまったことを知る。この口座は二重口座になっていたのだった。
歌織の動きで村雲がヴァージンにいることを知った春馬は、雌雄を決するべく単身で旅立つ。
村雲の家で、ビデオテープを見た春馬は、村雲の母親文子が写っているのを見て、村雲は母親が生きているのを知っていたことが分かる。
自分を誘拐した犯人の首にかかっていた矢絣(やがすり)の手ぬぐいは、実は母のものだった。子どもの手を切り取らせたのも・・・。
「生きるために子どもの手足を切り取る親は世界中にたくさんいる。だから僕は絶望などしていない。
でも、抱きしめられる子どもと腕を切り落とされる子どものちがいが分からない」
春馬に銃を向ける村雲と格闘になる。
村雲は春馬をテープで縛り、灯油を巻いて火をつけようとして、見逃してくれたら隠し金庫の5億円をやるというが、春馬は拒否。村雲は隠し金庫から春馬を外に出して、火を付け金庫の扉をしめる。すると、村雲の逃げる足音が聞こえて、春馬も外に出ていくと、清掃車で逃げる村雲を見つけて追うが追いつかない。
車で逃げる村雲が運転をする、フロントガラスに突然舞ってきた布で視界がとれなくなり、崖下に落ちて車が逆さになった。
走りつかれた春馬は事故の煙で村雲の乗った車を見つけ、爆発の危険の中、逃げろと言う村雲を車から出して助けようとする。
春馬は「泣いた赤鬼」の話を聞かせ、人間に好かれたかった赤鬼のため青鬼が悪者になり、赤鬼が好かれて、こんどはそんな優しい青鬼がみんなに嫌われる。自分も村雲も同じ誰かに愛されたいと願っている赤鬼で、生きるしかないという。
春馬は村雲を助けて、走る間もなく車は爆発した。
村雲を連れて日本に戻った春馬は途中で母親に会ってからにしようと、レンタカーを借りた。
待つ間に村雲はトイレへ行くと、基一が現れ、村雲の腹を刺した。
村雲は黙って腹を押えたまま、春馬と2人で白浜に向かった。
しかし、文子の家の前で、村雨は怖くて行きたくない、自分は待っているからこれを渡して欲しいと黒い木彫りの薔薇を春馬に差し出す。
受け取らなければ、春馬にあげるという。
庭で薔薇に水をやる文子に声をかけて、近くまで来ているから息子に会ってやって欲しいと頼むが、人違いだと言い、木彫りの薔薇も返す文子は「私には息子はおりません」という。家の中から母親を呼ぶ娘の声がして、文子は行ってしまった。
車に戻った春馬は、外のベンチに座る村雲を発見。
「涙を流して喜んでくれたよ。薔薇も受け取ってくれた。」
春馬が声をかけるが反応が無い。
村雲の顔は白くなり、息をしていなかった。
村雲の腹は血で染まっていた。
呆然と立ち尽くす春馬は、黒い薔薇の中にメモを見つけた。
そこには澤村文子名義の口座番号が書かれていた。
春馬は携帯電話で査察に口座番号を教えて、車に向かった。
おいおーい、死体を母ちゃん家の近くで置いていくなよ。
と、最終回はツッコミどころ満載のバタバタした回でしたね。急に一年後になるし、全6回では無理のある話しだった。
最終的に、村雲って鬼畜のモンスターだなって思っていたけど、怪物の子どもは怪物になるけど、満たされない心は全て母親のせいだったんだね。どんだけ、マザコンなんだー!
男子はほとんどマザコンで、親を大事にして愛するのはあたりまえだけどさ。普通は母親よりもっと好きな女子が出来て、卒業するじゃない。基一を騙し続けて全財産を奪って、家族を奪い、復讐を遂げてもまだ闇からでようとしない村雲は、成り代わりたいという希望が人を狂わすという。
歌織は希望(光)は近くにあるけど、手を伸ばそうともしない村雲に絶望する。歌織と光を空港で見つけた村雲は、光の手を取るけど、何も言わずに行かせてしまうんだね。
歌織も光も役不足だったか。
唯一村雲が感情を表すのは、妻の復讐に燃えて、追い続け、母親の居所も、真実を全て知っている春馬。心に闇を抱えて抜け出せない人って、同種族に敏感なんだよね。
春馬は村雲を一発殴ったらスッキリするだろうという単純な男なんで、金持ちになりたいとか出世したい願望で動いていないから、村雲と違うとことなんだ。
あれだけ複雑な環境で、真実がもっと残酷なもので、おかしくなった人の気持ちなんて分かる訳がないですよね。
でも、分からない疑問がたくさん出て、解消されなかったから、もやってスッキリしない。
真相は映画、DVD特典で!なんて嫌なんだけどな。
続編はあるような気がします。
母親の手ぬぐいと誘拐犯人の手ぬぐいが同じだと気づいたのは子供の頃で共犯だとすぐに分かったはずだ。実の父親はお金を払うと新聞に載り公になるのでお金は払わなかったけど、白浜の屋敷に住めるくらいの金額を後から貰っていたのかな。貧乏のふりをしていただけかもしれない。
警察署長・谷山努の廃棄場癒着うんぬんは、旅館の女将の聞いた噂で、豊かな暮らしをしていたのも文子と繋がっていて支払われた3億円を使っていたのかもしれない。
春馬が調べに行ったとき、聞かれもしないのに谷山が檜山が亡くなったから来たのかとわざわざ檜山の隠し子がいるのを教えていたでしょ。遺産のことで文子を探していると思ったらしい。
文子が檜山正道の本妻に子供が出来て、捨てられて復讐のために狂言誘拐、お金が支払われず逆上して子供の手を切り落としてまで、檜山に苦痛を味合わせようとしたのか。
子供はお金が支払われず、貧乏なのは父親のせいたと復讐心を燃やして家に泥棒に入る。ただ、大人になって母親が生きていることを知って、母親を憎めず世間を恨む。村雲を闇に突き動かしていくのは、欠落した母親の愛情かな。そのところが理解できない。
村雲の家の地下に大きな金庫があって、扉が二つあって、一つは春馬を出して、火をつけて自殺のふりをしたのか?足音がして春馬が追うともう車に乗っている。あの広い屋敷でどんだけ足が速いんだ。(クロックアップ?)
春馬を殺して逃げたいならいくらでもチャンスはあったし、屋敷を燃やして証拠隠滅をして逃げたいなら春馬を出口のない部屋に入れておくべきで、村雲にしては荒すぎる。何をしたかったのか分からない。
村雲が逃げてフロントガラスに付いた布は、手ぬぐいで行き場のない村雲を戒める母親の象徴で、妄想?あんなに都合よく貼り付いて事故を起こして春馬に見つかるなんて考えられない。
「泣いた赤鬼」のたとえ話も分からない。赤鬼も青鬼も同じ鬼だし、どっちがどっち?
基一があの時間に空港に来ていて、トイレに潜んでいたのも、納得できない。いつからいたんだろう。空港から南紀白浜までかなりの距離で時間もかかったはずなのに、村雲を刺したあと何時間もあの空港の椅子でじっとしていたのか?
薔薇の花の好きな母親は、村雲にとって黒い薔薇がイメージの象徴で、片時もあの事件や母親を忘れない。自分を捨てた母親を憎むことは出来ないけど会うのが怖いから、木彫りの黒い薔薇を渡して受け取れば、文子が5800億円を手にして、受け取らなければ春馬に手柄を立てさせる。
死を確信した村雨の選択だった。黒い薔薇(お金)を文子に渡す必要も無いし、春馬にあげなくても良かったんだ。春馬に影響されて人情が出たのかな。
最後なのに本当に生きている姿を見ようともしない。
会っていたらもっと冷たくされて傷ついていたかもしれません。
悪いことでも思うがまま、仕事もお金も復讐も終わり、たくさんの女性に愛され、パートナーの歌織や息子がいても満たされない、あんなマザコンのハードボイルドは初めて見た。
口座番号が分かり、犯人は死亡、事件解決でスッキリ。とは思えないモヤっとした最後でした。
ARATAさんと江口さんの対比が良かったですね。すっぽんみたいなマルサには、悪役はあれぐらい悪くてクールでないとね。
役者さんがいいとスピーディな展開も重厚で安心して楽しめる。描かれなかった所を想像してまた楽しめるドラマでした。
