「日本一のおばあちゃん」 俳優の北林谷栄さん死去 | Coffee break

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日本映画界を支えた名脇役が逝ったことが6日、分かった。「日本一のおばあちゃん女優」北林谷栄(きたばやし・たにえ)さんが4月27日、肺炎のため都内の病院で亡くなった。98歳だった。23歳で初舞台を踏んでから75年、生涯女優を貫いた。
20代の頃から“日本のおばあちゃん”を演じ続けた名優が、この世を去った。所属事務所によると、都内の自宅でひっそりと暮らしていた北林さんは、亡くなる10日ほど前に体調を崩して入院。そのまま息を引き取ったという。
2003年3月、代表作の一つである舞台「泰山木の木の下で」に出演した翌4月、東京・世田谷パブリックシアターで行われたトークイベント「北林谷栄の世界『蓮以子 93になった』」が公に姿を見せた最後となった。その後も舞台などへの出演依頼はあったが、それを受けずに余生を過ごしていた。
近年では「阿弥陀堂だより」(02年)、「黄泉がえり」(03年)などの映画、「となりのトトロ」の声優としても活躍した北林さん。出演作は舞台、映画、ドラマと数限りないが、「日本一のおばあちゃん女優」としての顔は70年以上。生前の北林さんのインタビューによると、老け役は26歳の時に舞台で80歳の老女役を務めたのが最初。生まれた時に母を亡くし、祖母に育てられたこともあり、老人の物言いや物腰を知り尽くしていたことから抜てきされた役だった。
それが高い評価を受けて、以来、老け役一筋。当初は目にばんそうこうをはったり、お歯黒で歯をつぶしたりふん装で苦労したものの、50代からは苦労がなくなったという。時には役作りのため前歯を取り去ることも。衣装や小道具の収集家としても知られ、モンペや野良着など自前の衣装で生活感ある老女を演じ続けた。
80歳の91年には「大誘拐」で自分を誘拐した若者を指揮する老人・柳川とし子を演じ、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞。史上最高齢のグランプリとして話題となった。81歳で「粉本楢山節考」で劇作家デビューするなど、どこまでも活動的だった。明治から大正、昭和、平成と4つの年号を生きぬいた大女優。その足跡は今後も輝きを増していくだろう。
なお、葬儀は近親者のみで済ませており、後日、お別れの会を開く予定。喪主は長男・河原朝生(かわはら・あさお)氏。
◆北林 谷栄(きたばやし・たにえ)本名・安藤令子。1911年5月21日、東京・銀座生まれ。山脇高女卒業。1935年、創作座で初舞台。新協劇団、瑞穂劇団などを経て、1950年に劇団民藝に参加、幹部女優として活躍した。
1989年、動脈瘤破裂で倒れたが、大手術を受けて見事に復帰した。この際、臨死体験をしたと主張、詳細は『証言・臨死体験』(立花隆著、文藝春秋)に記されている。
舞台、映画やテレビドラマでも活躍し、紀伊國屋演劇賞、1959年「キクとサム」でブルーリボン賞主演女優賞、1991年「大誘拐」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、2002年「阿弥陀堂だより」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など数々の賞を受ける。1978年、紫綬褒章受章。
代表作は舞台では「どん底」「泰山木の木の下で」「六道御前」、映画では「キクとイサム」「にあんちゃん」「大誘拐」など。
画家との間に1男1女をもうけたが、その後に離婚。

〈俳優、米倉斉加年さんの話〉 
北林さんの脚本はほとんど僕が演出したが、厳しくて愚痴を言わない人だった。反骨精神の強い近代的な女性だったが、私生活では明治生まれの日本女性の優しさを持ち合わせていた。88年に「ドストエフスキーの妻を演じる老女優」で北林さんと夫婦役をやった時に、うちの母が亡くなり、母より三つ年下の北林さんをお母さん代わりに面倒をみていきたいと思った。戦前・戦後を生きてきた偉大な俳優を失い、今は母親を亡くした時と同じ気持ちだ。
〈俳優、奈良岡朋子さんの話〉 
初舞台「山脈」(49年)の時から面倒をみてもらい、劇団の中での母のような存在だった。とてもいい大先輩で、いろいろ助けてもらった。先輩後輩ということを超えて、お互いに親しく厳しく意見を言い合える関係でもあった。私を「デココ」と愛称で呼ぶ声を、もう聞くことができないのは寂しい。
〈映画監督、小泉堯史さんの話〉
かくしゃくとした方だが、背骨の曲がった老女の感じを出すため、針金か何かの棒に布をまきつけて背中に入れて役作りをしていた。場面をつかむ力が優れていた。北林さんの芝居に会えるのを、毎日、楽しみにしていた。

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訃報が相次ぎました。北林さんは、私もおばあちゃんの役しか覚えがありませんが、優しいおばあちゃんといったら北林さんというくらいに、たくさんの作品に出ていらっしゃいました。
岡本喜八監督の「大誘拐」では、気丈な大富豪の夫人で、3人の若者の誘拐犯が身代金を5千万円というと、安いといって「身代金100億円」を要求させる、誘拐犯に協力的で主導権を握り、リーダーとなるおばあちゃんの役でした。犯人は、風間トオルさん、内田勝康さん、西川弘志さんで、若かった。なぜ、犯人の味方をして身代金100億円を出させようとしたかは、映画を見てください。
映画は「黄泉がえり」が最後の作品になったんですね。
98歳で大往生。もう少しで99歳でしたのに、残念でした。
心よりご冥福をお祈りします。

大誘拐 Rainbow Kids 予告編


最近お父さん役の多い風間トオルさんは、この頃イケメンで大人気。私も映画を見に行きました。緒形拳さんの刑事が渋いです。