現在、CLL経過観察中の人にとって、CLLを発症してから、どのような経過を辿るのかとか、現在最も効果的で副作用の少ないイブルチニブはどれくらい効くのか?といったことは、最も大きな関心事であろうと思います。
僕の一例ではありますが、最も重要なファクターである白血球数(WBC)、血小板、ヘモグロビンの推移を示します。進行の速さは人それぞれ違います(正確には染色体上のどのがん抑制遺伝子が欠失しているかで決まります)ので、一例として見てください。
僕の場合、10年も前から白血球(WBC)が増加し始めました。すぐに、緑茶や緑茶成分のEGCGを飲み始め、徐々に量を増やしていきました。途中である別の薬も併用するようになりました。これらは、試験管内の実験で効果が確認されていたのです。よく効いたときは、1年間WBCの増加は止まりました。しかし、長いスパンで今WBC増加のグラフをみてみると、直線的に増加し続けてきたのがわかります(グラフ参照)。EGCGは効果がなかったのか?それとも、EGCGなどを飲み続けたから、この程度のゆっくりした増加だったのか?それは、わかりません。
ただ、今年3月の段階で、ヘモグロビンと血小板値は、治療開始の国際基準を下回り、下降が止まる様子もなく、治療を開始することにしました。イブルチニブは1日最大3錠ですが、1錠を飲んでいます。イブルチニブを飲み始めてから、5ヶ月が経過しました。WBCは少しずつ減少しています。治療開始時は9万くらいだったのが、64000まで下がりました。最初は、リンパ節などに蓄積していたCLLリンパ球が剥がれて血液中にでるので、WBCが一時的に増加します(グラス参照)。ヘモグロビンは11以上にまで回復しました。それまでは、テニス3回ラリーやったら息が上がったのに、今はそんなことはなくなりました。問題は、血小板値です。治療開始時は8くらいでしたが、まだ8のまま。イブルチニブの副作用で血小板が増えないのです。イブルチニブは、血液凝固も阻害するので、血小板数がこれ以上下がるのは、脳や内臓の毛細血管の出血を考えると、リスクがあるかも知れません。このため、薬は1錠のまま続けます。担当の先生は2錠にしたいようですが、血小板数の問題があるので断っています。自分のイメージ通り、WBCがゆっくり下がってきているので満足しています。完全寛解になってもならなくても、病態進行が長く停止してくれればいいと思います。
完全寛解になっても、血液検査等で異常が検出できないレベルまでCLLリンパ球数が減ったというだけで、普通、実際には膨大な数のがん細胞がまだ残っています。完全寛解になってからも、薬を飲み続ければ、いつかCLLリンパ球はゼロになるはずですが、なかなかそうはいきません。(ゼロになる人もいるかも知れませんが)。それは、がんリンパ球クローンがみな同じではなく、薬剤耐性や増殖が速い(悪性度が高い)のが混ざっているからです。完全寛解しても一気に悪性度が高いクローンが増えてくるのはそのためでしょう。
修正:「完全寛解しても無増悪期間が短ければ意味がない」という記述は適切ではありません。寛解が深いほど(がんリンパ球が少ないほど)、無増悪期間(検査レベルで進行が止まっている期間)が長くなるので。
