集合は五時半でした。
前回の待ち合わせでは私の方が早く到着したのですが、今回は電車のダイヤの関係で、五時半きっかりに到着しました。

駅前は私たちと同じように待ち合わせる人で賑わい、私は仕方なくY君に電話することにしました。
呼び出し音を聞く数秒の間は、ものすごく緊張していました。
約束を忘れられているのではないかだとか、電話に出てくれなかったらどうしようだとか、そんな不安でいっぱいでした。
彼と電話で会話するのが初めてだったことが主な原因です。

もちろんこれらの不安は杞憂にすぎず、Y君はすでに待ち合わせ場所に居ました。
遊園地に行ってからも、彼の態度やレスポンスの悪さは相変わらずでした。
いくらかの好意は感じるものの、それを純粋に受け取っていいのかどうかが分からなかったのです。
それまでY君へのメールはサークル活動の業務連絡じみたものばかりだったので、入会をきっぱり断られて以来メールを送ることが出来なくなりました。

遊園地の件を相談した男友達に、また相談しました。
悩んだ末、あろうことか下ネタクイズを送りました。
後から本人に聞いたところ、かなりビックリしたそうです。当たり前ですよね。
でも、その時はどうしても彼とメールがしたかったのです。

好きな歌の話や、サークルにいる面白い人の話など、当時は他愛ない話ばかりしていました。

遊園地に行ってから一週間経つか経たないかというときだったでしょうか。
今度は手羽先を食べに行こうと誘われました。

一も二もなくOKしてしまいました。
観覧車には2回乗りました。
でも、特に色っぽい出来事はありませんでした。
1回目か2回目かは忘れてしまいましたが、頂上付近に差し掛かったとき、彼が緊張した様子で打ち明けたのは、「サークルには入らない」という決定事項でした。
その時点ですでに、Y君とY君の友人がサークルに入る気がないのだろうということは何となく察していたため、特にショックを受けたり、驚いたりすることはありませんでした。

「サークルには入りませんけど、良かったらまたこうして会いたいんですけど。嫌だったら断ってくれていいです。」
彼は、およそそんなふうに言いました。
「サークルに入らないんだろうなっていうのは分かってたし、気にしなくていいよ。また誘ってね。」
私は、そう答えながら、どことなく違和感を感じていました。

2回目の観覧車から降りた後は、閉園時間も近かったため、別れる時間までは駅前のパスタ屋さんで食事をしました。
Y君という新しい友人のことを色々と聞きたかったのですが、うまく話してもらうことが出来ず、私ばかりが色々なことを喋っていた記憶があります。


後にも、私は自分にまつわる「されたら嫌なこと」や、信条にかかわること、トラウマめいたことを話しています。
今でこそ笑い話やネタとして人に話すことが出来る話題です。
ところが、このときにY君に対して話しすぎてしまったことを、後に深く後悔することになります。