遊園地では、私の苦手な絶叫マシーンやお化け屋敷などにも屈さず、わりとたくさんの乗り物を制覇しました。
かの遊園地は大規模なショッピングモールを持っていたので、気分転換にそのへんをふらふらと歩いてみたり。

その日は初夏並みのいい天気だったので、涼みがてらお化け屋敷に入ったときのことです。
そのアトラクションは、自分で歩くだけでなく、扉の鍵を開け次々に進んでいく形式のものでした。
後から知ったのですがY君は本当に怖いもの全般が苦手だったらしく、私が若干前に立って進むかたちになりました。
控えめに騒ぎながらおっかなびっくり進んでいったのですが、コースの中腹にさしかかったとき

「すいません…手つないでもいいですか」

どうやら本当に怖かったらしく(当然私も怖かったのですが)、そこからは手をつないで歩きました。
二人とも手が汗ばんでいましたが、そのときはただがむしゃらに進んでいったのです。
最後の方にはお化け(イミテーション)に追いかけられて悲鳴を上げながら、手というよりは腕をひっつかんで走りました。
そんな状況だったので、ときめきのたぐいを感じているヒマもありませんでした。
無事ゴールしてはじめて、そういう意味でどきどきしました。

でもきっと、Y君にとってはなんともないことだったのでしょうね。
少なくとも、当時の私はそう思いました。

幸いにも天候に恵まれ、電車が遅れることも無く、至って順調に現地に到着しました。

遅刻を恐れるあまり、待ち合わせ時間の30分も前に到着してしまい、ずっとiPodを聴いてドキドキしながら待っていました。
前回会ったのは初対面で、しかも飲み会の席です。
顔をよく思い出せないけど大丈夫だろうか……
彼は私を発見してくれるだろうか……。
とにかく不安と緊張とを抑えるので精一杯でした。

当日の遊園地には友人カップルが遊びに来ていたので、もしも彼が約束をすっぽかしたとしたら、そちらと合流する手はずでした。(もちろん私が根回ししたのですが。)

すべては杞憂に終わり、遊園地での一日はとても楽しく過ごすことができました。
でも、やっぱり彼が何を考えているのか・私のことをどう思っているのかが全く見えてこないのです。
先が見えない。
また遊びに誘ってくれたら嬉しいのに。
帰宅してからもそんなふうに思っていました。

その後の話し合いの結果、週末、2人で遊園地に行くことになりました。
詳細は後日と言われたことが、却って週末まで私を苦しめることになりました。
この段階で、すでに彼のことをまったく信用できていないため、当日のドタキャンや無断キャンセル、あるいはこのまま詳細連絡も何もなくお流れになるのでは……という疑心や不安でいっぱいいっぱいだったのです。

デートの約束と同時進行で、サークルのイベントへの招待メールも送っていました。
こちらに対する返信は、やはり24時間以上経過してからのものでした。

私に対するいくらかの好意は感じるものの、矛盾する箇所が多すぎるあまりに、何も分からない状態に陥っていたようにおもいます。


詳細連絡が来たのは、約束の日の前日、夜も更けたころでした。
どうやら本当に行かなくてはならないようです。
現地最寄の駅に集合なので、何度も経路を調べました。