ベン・シャーン展@神奈川県立近代美術館 | 翠日記

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イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
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週末行ってきました。

ベン・シャーン展@神奈川県立近代美術館

http://benshahn2011-12exh.info/

 

なんかイラストレーション誌かなんかを見ていたら、偉いベテランイラストレーターさんがすても崇拝していたので、これはきっと何かある人なんだろうと思っていってみた。最初、なんとなくふーんという感じだったが、後からジワジワ良さがしみだして、普段はあまり買わない図録を買った。

気がついたこと

・ベン・シャーンさんはかなりの社会派イラストレーターだったらしい

・色々と主張する絵だけど押しつけがましくない。けど力強くて優しいかんじもある。

・原画よりデザイン後(ポスターなりLPジャケットなり製品になったあと)のほうが絵がすごくよく見える。

・線画がすてき。天才という感じがする。

・ベン・シャーン自身がとったモノクロ写真がかっこいい。私の好きな古いニューヨークのざらさらした感じ。

・最初原画をみたときは、なんかこわい絵だなと思った。人の顔大きすぎると思った。

・おじさんの表情がとても好き。とぼけているけど深い。ベン・シャーンさんはおやじ好きに違いない。

 

私の生活している範囲内では、イラストレーションってそんなに主義主張とかを含んでないし、無垢で優しくてふわふわしていて綺麗でちょっと不思議さを秘めている、という感じのものがおおいと思う。それはそれで全然いい。けど、ベン・シャーンみたいな人もいるんだなと思った。

第五福竜丸の被爆を扱った絵本も、それはそれは良かった。原画もみたけど、ショップで見た絵本のほうが感動した。多分、文字と絵の組み合わせが絶妙なんだろう。

私は、芸術に政治的なメッセージを含ますのがなんとなく好きじゃない。そういうメッセージを発信したいなら政治家になればいいと思ってた。芸術という隠れ蓑を纏って声高になにか言うのってむしろなんか卑怯じゃないかと思ったけど、でも絵と組み合わせないと伝わらない微妙なかんじというのはあるんだなと、ベン・シャーンさんの絵本を見て思った。第五福竜丸の被爆を扱った絵本の一番いいとおもったところは、被爆した船員が、逞しい海の男として描かれているところだと思う。ベン・シャーン流のいいかんじのオヤジとして描かれている。ただの弱い立場の犠牲者というステレオタイプではなく、個人として丁寧に扱っているという感じがして、とても好きだった。こうやって漁を生業としてしっかりと生きていた市井の人が水爆実験によって命を落としたという事実がリアルに迫ってくるのは、やっぱり人の描かれ方によるだろうなあ。こういう感じっていうのは、通り一遍の政治的なメッセージではなかなか伝えきれないものだなあと思った。絵ってすごいなあと思ったのでした。

 

でも、実際展示を見ている途中は眠くてしょうがなかった。お昼をたらふく食べた直後だったので…。あと睡眠不足も手伝って、美術館のソファで爆睡していた。眠さでよろよろしながら展示をみて朦朧としてました。もうちょっとちゃんと見たかったんだけど、胃に血液が結集して無理でした~。美術館いってからご飯食べればよかった~。

 

ちなみにおひるは、

UNA GIORNATA

というところで食べました。夫婦でやってる5組でいっぱいになるくらいの小さなお店。セットのサラダが濃厚なカボチャスープでとっても美味しかった。味付けが繊細で塩気がきつくなくてフレンチみたい。

パスタは、私は塩パスタで白身魚、連れは、ゴルゴンゾーラとカブのクリームパスタ。塩パスタは味付けが甘めで優しい味で麺がしっかりアルデンテで美味し。、クリームパスタは濃厚でチーズの風味がしっかりで美味しかった。大盛りにしたらとんでもない量がでてきて連れが涙目で食べてたので、手伝ってあげた。うまし。

http://r.tabelog.com/kanagawa/A1406/A140602/14003151/

こういう人気のところも、こんな寒い時期だと結構待たないで入れるから、冬もまあいいよね。

 

車で行くと葉山まで1時間ちょっとくらい。すぐ日が落ちたから、お昼食べて美術館いって(美術館のなかで昼寝して)すぐ帰った。夜はヘルシーなチゲなべにした。そのあと個展用の絵を描きました。夜か朝しか描けないのでもう何も考えずにどんどん描く。DM用の絵をやってます。沢山描いてMAYAさんに見てもらう。2月中旬まで頑張ろー。