「非正規レジスタンス」→「最強の執事小説」 | 翠日記

翠日記

イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
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週末はいつもどおりでした。


土曜日、洗濯・電子的な食材の買出し(ネットスーパーへ注文)・プチ掃除→絵→Fスクール→ご飯風呂→ゴロゴロ
日曜、絵→ジム→絵→夕飯→ジョギング→風呂→ゴロゴロ


絵は、意外と長々とかかってしまった滝の絵が大体終了~。一週間もかかったよ。飽きたー。でもまあ結構思い通りにいったー。今度はさくっとかける絵にしよう。じっくり描く絵とさらっとした絵が交互に描きたくなる。甘いもの辛いもの甘いもの…の無限ループに似ている。次は噴水と部屋の絵と決めている。これを来週末までにやっつけたい。



Fスクールに行くときに結構長く電車に乗る。そのときに読了した本、「非正規レジスタンス」についての感想。

池袋ウエストゲートパークのシリーズ最新刊です。結構懐かしい本ですが、石田さんはまだまだ書き続けています。
 ・内容はさすがに薄い。私の嗜好が変わったからかネタ切れか。
 ・でも一人称の饒舌な語り口は健在。内容がつまんなくてもまあこれからも読み続けてしまうだろうなと思う。声の好きな歌手が、いかに退屈な曲を歌おうと結局歌を聴き続けてしまうのと同じ構造で、良いVoiceは物語が陳腐でもそれを乗り越えてしまうときがある。「何を描くか」でなくて「どのように描くか」が重要なのだろうか。ネタ(何を描くか)はいつかは切れるわけなので。
・収録されている短編の一つ「非正規レジスタンス」の、非正規ワーカーのワーキングプアぶりがリアルだった。でもこういう貧しさがわりと自分のすぐそばにありえるのだということを私は5年くらい前から感じていた。その貧しさをさりげなく隠蔽するためのアイテムがユニクロであり松屋でありネットカフェなのだろうなー。貧乏をお洒落に隠蔽する技術がスゴイ洗練されてきていると思う。これらのものを有効活用するとギリギリまで外見的には貧乏が露見されないで生きてゆける。



次は、カズオ・イシグロの「日の名残り」を読んでいます。これは執事が主役の「執事小説」です。かなり硬派ですね。でもこれはイギリス権威ある賞であるブッカー賞を取った「最強の執事小説」です。可愛い女の子もかっこいい青年も皆無です。執事が一杯でてきます。そして執事がイギリスの偉大な風景に囲まれて短い旅をしながら(旅といっても冒険譚というわけでは全くない。ただ移動するのみ)、イギリスの落日をひしひしと感じ続ける話です。この設定でここまでぐいぐい読める物語にできるカズオイシグロさんスゴイ!ってかんじです。もっと面白い設定にしようと思えばなんぼでもできそうなのに。小説家養成ギブスというか、わざとつまらない設定を面白く描く練習にはうってつけな設定な気がします。いや、これは*面白い本です*が凡人がまねすると大変なことになると思います。

でもまあ、これはイギリスに一度でもいったことがあると、すごく味わえると思う。映画化もされてます。まだ見てないけど今度見てみよう。