全国で増え続ける空き家を少しでも減らすための改正空家対策措置法が12月、施行されました。
市区町村が主体となる事業が多いのですが、自民党住宅土地・都市政策調査会会長として空き家対策を進めてきた私としては、ぜひ、うまく生かされることを願っています。
空き家は相続で発生することが多く、「思い出のある実家を壊すのは…」「親の遺品整理は気が滅入る」とか、「解体するにもお金がかかる」などと、相続人がぐずぐず決めかねているうちに年月がたち、家の老朽化が進みます。
一方、地元の不動産屋さんは「立地がいいから活用したい、でも所有者がどこにいるかわからない」と困っています。
そこで、市区町村が、宅建事業者団体や空き家対策の実績のある法人を「空家等管理活用支援法人」に指定します。そして、固定資産税情報や電力会社などからの情報で把握している所有者情報を、所有者の同意を得て、支援法人に情報を提供します。
支援法人は、所有者の相談にのるほか、委任されれば空き家を管理したり、解体、更地にして売却したりします。
国交省は、モデル事業を認定し、補助金を出します。補助率は、改修工事が3分の1、解体工事が5分の2、解体後の土地整備が3分の1です。
倒壊の恐れがあるなど傾いたり、窓が割れたり、屋根が破損したりしたままま放置されている空き家を市区町村が「管理不全空家」に指定し、所有者に「指導」しても改善されない場合、固定資産税の「住宅用地特例」(200㎡以下の宅地は6分の1に減額)の適用対象から除外します。
税負担が一挙に重くなるので、所有者は改修または取り壊す可能性が高くなります。
国土交通省が定めた「管理不全空家」の参考基準。
なお、空き家の発生を防ぐために、相続人が、親が住んでいた家を早く売却するよう後押しするための税制もあります。
相続から3年を経過する年の12月末までに家屋を売却(解体して更地にする場合も含む)した際、譲渡価格から3000万円特別控除する特例です。