日曜日に、2級建築士の製図試験を受けた。
7月に学科の試験を受けたときには、停めるべき駐車場がなくて焦ったので、今回は、事前に駐車場を予約した。所定の位置に駐車して、会場には30分前に着くようにした。でも駐車場の位置が想定していたよりも遠かった。それで、会場に着いたのは15分前だった。
この試験では、試験を解きながら、簡単な食事をしてもいいことになっている。大学入り口にあるコンビニで、カロリーメイトでも買おうと思っていたら、建築士試験予備校の大手である総合資格学院の人が、カロリーメイトを配っていたのでそれをもらった。コンビニに行かずに済んだ。
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会場は3人掛けの横並びの机で構成された教室だった。机の両側に座る人、真ん中に座る人が交互に現れる形で着席する。
俺としては3人掛けの椅子の真ん中に座りたかったが、両側に座る席だったのでがっかりした。持ってきた製図用机をセッティングする。段ボールで作ったマクラも組み立てる。今までいろいろ試したけれど、製図用机を傾けるには、やっぱりマクラが簡便で確実だ。
▲これがマクラ。段ボールを三角形になるように折り曲げて、幅広の輪ゴムで4か所留めると出来上がり。これを製図用机の下に置く。製図用机は30度までは傾けていいことになっている。ひどい絵だが、伝わるだろ。
製図机を持って、急いだこともあって、会場に着いた時には汗だくだった。ハンカチを2枚持っていたが、1枚は相当汗で濡れた。試験前に持ち物すべてを机の上に提示し、ポケットのなかのハンカチも広げる必要がある。試験官が来た時、俺はまだ汗を拭いていた。数席前の女の子の席では、ハンカチをじろじろ見ていた試験官も、俺の前では、「お前のハンカチには興味がない。」という顔をして、ちらっと見ただけで通過した。まあ、汗で濡れ切ったハンカチなんか見たくないだろうな。
机や文房具のセッティングに結構、時間がかかった。「テレビドラマなんか見ている暇があったら、試験会場に早く来いよ。」と自分を責めた。俺は、早起きし過ぎたからと、朝、ずっとテレビドラマを見ていたんだった。
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今まで、通信教育の課題で、200㎡を超える問題が出されると、「そんなに無理して問題を難しくしなくても。実際の試験にはきっと180㎡くらいの家しか出ないよ。」なんて思って、真面目に捉えていなかった。
問題用紙を見た瞬間に、目を疑った。建物の大きさが200㎡以上、250㎡以下だという。そのくせ、敷地の東西幅が小さい。便所の数が5、シャワールームが5、そして部屋が多くて広い。8畳が4部屋、11畳が3部屋もある。こんな大きな部屋を複数、計画したことがなかった。おまけに、きっとどっちかだけだろうと思っていたバルコニーも吹抜けも両方ある。そして、LDKは15畳強。でかい。でかすぎる。
俺の今までの知識では絶対に解けない問題だった。一度も描いたことのない、縦が4.55メートルの部屋を計画する。
2階の計画も悲惨だった。最終的に、今まで描いたことのない、長方形でない凸凹のある2階を設計することになった。
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昔、20代の時に大工の友達と話したことがあった。その友達は20代のうちに建築士の2級も1級も取っていた。
「この試験では消しゴムを使わないようにしないといけない。消しゴムを使って、手戻りしてまた描くなんてことをしたら、落ちる試験だ。」
ビールを飲みながら、そう彼は言っていた。
「ふーん。そうなんだ。」
俺はよくわけのわからないまま相槌を打っていた。
その消しゴムを使った大規模な手戻りを俺は2回もやってしまった。どちらも、壁の位置が44.5センチずれた個所から描くという、よくやるけど、素人しかしない間違えだった。
「こんなときにそれやる?」
自分を叱り飛ばしたい気分だった。
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試験終了時間ギリギリになっても、まだ製図は終わっていなかった。外構のアルミフェンスも避難経路もちゃんと描けていなかった。他にも考え出したら、穴だらけだと思う。
そういえば、最後になって、面積が違うことにも気が付いた。途中で変更して、そのままにしていた。あれも、きちんと訂正できたのか、1回計算しただけで、ノーチェックで提出せざるを得なかった。面積相違は一発失格なので、これだけでアウトの可能性も高い。
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試験の翌日は、ジムで、知り合いの女の子と一緒だった。
その久しぶりのジムで、俺は、トレーナーにまともに歩けなくなるほど追い込まれ、くたくたになった。
「試験、ダメだったよ。全然。」
ジムの時に、俺がそう女の子に愚痴をこぼすと「そういう、俺は失敗した、みたいなフェイクいらないから。いつも失敗したって言いながら受かるじゃん。腹が立つ。」という。
「今回は、マジで失敗した。」
「でも、頑張ったからいいじゃん。」
「まあね。」
確かに。5時間ぶっ通しで、トイレにも行かず、用意していたペットボトルにもカロリーメイトにも口を漬けず、ひたすら描いていた。こんなに集中できる自分がいることを、今まで俺は知らなかった。司法試験の論文試験のときも、俺はこんなに集中していなかった。
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消しゴムの消しカスだらけになった自分の部屋を掃除するとき、今まで描いた製図の枚数を数えてみた。19枚あった。1枚描くのに、俺は5時間以上かけていたから、これだけで100時間以上かけていたことになる。
思っていたより、勉強していたんだなあ、と思う。だんだんとうまくなってきた過程を見たくて、過去に描いた製図を見てみたら、時間無制限で描いていたせいで、昔、描いた製図の方がずっときれいだった。
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試験が終わって、ぽっかりと時間が空いた。これを機会に、仕事も変えたいが、今の事業が売れない限り、それも難しい。フランチャイザーは、フランチャイジーがいる限りピンハネができるから、俺の収入がどれだけ細くても切らない可能性がある。生かさず、殺さず。フランチャイザー契約なんてするもんじゃない。こんな会社と手を握った自分に腹が立つ。でも脱出するのにも金がかかる。
仕事を今すぐ変えられないので、別の試験を受けることにする。そして、16日の火曜日の夜、ネットで「賃貸不動産経営管理士」の試験をインターネットで申し込んだ。試験日は11月16日。もう時期を逃していて、5点免除になるという「賃貸不動産経営管理士講習」は受けられない。そもそも賃貸不動産経営管理士とは何かについてもよくわかっていない。それでも試験を受ける。俺は結局のところ、試験に向けての勉強や、試験の時の緊張感が好きなんだろう。
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韓国で撮影されたドラマ「バタフライ~追う者と追われる者」のシーズン1、全6話を見終わった。
暗殺者として訓練され、超エリートとなった娘の前に、9年前に死んだはずのスパイの父親が現れる。アメリカ人を暗殺した直後だった。
一人ぼっちにされたのはなぜなのか、今頃、何をしに彼が現れたのか。寝返ったと思われた組織から狙われながらも、娘は謎を解いていく。
韓国で撮影されてはいるが、主人公以下、基本的に英語でドラマは進む。暗殺者となった娘レベッカのアクション・シーンは素晴らしく、どうしてこれが日本映画では撮れないのか不思議に思うほどだった。
シーズン1は見終わった。父親がなぜ失踪し、なぜ戻ってきたのかは分かったが、妻は襲われ、娘が失踪。別の娘の安否は不明。シーズン2でどうなるのか楽しみだ。
それにしても、このレベッカという娘は魅力的。日本映画がまず見直すべきは、キャスティングだと思う。



















