司法試験の論文試験が、令和8年からワープロ入力になるらしい。誰も実務で手書きの答弁なんか書いていないことに法務省が、ようやく気がついたかららしいが、気がつくのに時間がかかりすぎだろう。自分たちだって、手書きの起案なんて数十年前からしていないだろうに。
司法試験受験生だったころ、この手書きの論文というのに抵抗があった。元々、授業内容をノートに書くという習慣が俺にはなく、大学に入るまで、そして入ってからも、ノートというのは、メモ書き程度にしか使っていなかった。
それでも、司法試験の論文試験は、紙にボールペンかサインペンで論文を書かなければならない。司法試験予備校の先生から、「自分に合った筆記用具にはこだわった方がいい」などという不要な助言をもらったので、俺はデザイン志望の学生が行くような店まで行って、筆記用具を選んでいた。結論から言うと、俺に合うような筆記用具はどこにもなかった。そして、未だに見つからない。
自分があまりにも紙に文字を書くことに抵抗があったので、司法試験予備校にペン習字を習いに行ったこともあった。今では、ありえないのだろうが、当時はそんな講義まであった。講義の終わり近く、誰かが「きれいに書こうと思っていても、時間がなくて、そんな余裕がないときはどうしたらいいですか?」と質問をした。そのとき、講師の先生は「そういう時は、もう字は汚くても、書くしかないですね。」と答えていた。俺は、いつも論文試験では時間がなかったので、それまでの講義の時間がまるで無駄になった気がした。
俺がまともなノートを書いたのはそれから数十年後。気象予報士試験のときのことだった。一度解き方をマスターしても、時間が経つと忘れてしまうので、解き方を思い出すようにノートに書くことにしたのだった。
どっかの気象予報士合格者の座談会で、ノートの提出を求められたので、俺はそのノートを持参した。そのときの司会者は、俺のノートを見て「これしか書いていないんですか。」と言った。「自分が知っていることは書かない主義なんです。」俺がそう答えたら驚かれた。世の中の人は、どうやら、自分がわかりきっていることまでわざわざノートに書くらしいことを、俺はこのとき、はじめて知った。でも、無駄だと思った。
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これから司法試験を受験する学生は、もう自分に合うはずの幻のペンを探しに文房具屋さんをまわることも、ペン習字を習いに行くこともないのかと思うと、うらやましい思いでいっぱいになる。答案構成なんて言葉も過去のものになりそうだ。そして、これもすべて、法務省の役人が、世の中をまともな目で見ていなかったせいだと思うと、どこにもぶつけようのない怒りを抱え込んでしまう。
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でも、こういった世の中の流れを俺は歓迎する。俺は未だに、紙にペンで書くことには抵抗があり、ケント紙に鉛筆で図面を描くのも、同様に抵抗があるからだ。
この紙から入力という流れがますます加速し、建築士の試験もケント紙に鉛筆で図面を描くことから、3次元cadに入力するように変わることを祈っている。ただ役人なんて世の中を知らないアホばかりなので、国交省の役人が「世の中にはもう、紙に図面を鉛筆で書いている建築士なんかいない。」ことを知るのには、もう数十年かかるのかもしれない。
しかし、それにしてもと思う。保険証はあれだけ反対意見があるのに、1年で廃止をし、マイナンバーカードと統合させる。でも、司法試験は、だれも反対なんかしていないのに、論文試験をワープロ入力にするだけのことに、あと3年もかかる。気づくのも遅いが、実行に移すのにも時間をかけすぎだろう。
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今週はジムで上半身を鍛えた。苦手な懸垂を何度もしたので、それからずっと筋肉痛が続いている。
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大学の勉強、今週はほとんど進まなかった。
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週末の土曜日には、実家に日帰りをした。姉の夫婦と話をして、また名古屋まで戻ってきた。
そして、土曜日の夜、9時過ぎから飲みに行って、2時くらいまで飲んでいた。考えてみたら、飲むのは1か月ぶりくらいだった。ウイスキーをがぶ飲みして、シャンパンも1本開けてしまった。
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おかげで、今日の日曜日は、何をする気力もわかず、ほぼ1日、寝て過ごした。未だに眠く、酒が抜けるのは、明日の朝までかかりそうだ。
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ドナルド・E・ウェストレイクの小説「ギャンブラーが多すぎる」(新潮文庫)を読み終わった。
冒頭は強く引き込まれたが、すぐに中だるみし、その部分は長かった。この小説から、特に得たものは何もない。この小説を読んで、ギャンブルが強くなる要素もない。
この本は、基本的には推理小説。馬券を買い、ノミ屋に配当金の930ドルを受け取りに行ったら、ノミ屋が撃ち殺されていた。警察からも、そしてそのノミ屋が関係する2つのギャング組織からも犯人ではないかと疑われ、警察とギャングから逃げまくりながら真犯人を突き詰めるという話だ。
昔の小説なので、電話帳を見ると住所と名前が載っている設定になっている。そして、新聞にも目撃者として、名前と住所が掲載される。昔はアメリカもそうだったんだなあと、読みながら知った。もちろん、こんなことを知ったところで、何の役にも立たない。
面白さは中くらい。ただまあ、時間つぶしにはちょうどよかった。










