宝くじ売り場に行ってロト6の広告を見るたびに、選択さえ間違わなければ、人生というのは本当に些細なことで変わってしまうよなあ、と思う。
ロト6なんかたった6つの数字を組み合わせるだけで(もちろん、それが当たっていればだけど)、数億円が手に入る。もし手に入ったら、人生は大きく変わるはず。
本屋に行って本を選んでいるときも同じ思いがする。この膨大な情報の中から、どれかとどれかを組み合わせれば、僕の人生ががらっと変わるのではないかと。
でも、実際にはそんなこともなくロト6では1つの数字も当たらず(これだけ外すのも才能だろうか?)、本は僕の人生をほんの少しだけ変えてくれるだけだ。それもいい方向なのか悪い方向なのかもわからないまま。
村上春樹の短編集「東京奇譚集」(新潮社)を読み終わった。
そのなかの一編「ハナレイ・ベイ」で、主人公の女性が頭の悪い日本の若者に説教をするシーンがある。
「女の子とうまくやる方法は三つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ。それだけやって駄目なら、とりあえずあきらめた方がいい。」
ああ、その3つだったのか。と読みながら思った。僕はいつも3つ目しかしなかった。
その3つだったとは知らなかったよ。
ロト6で外したときと同じ気持ちになった。
昨日は雨の中、女の友達と戸隠の中社までそばを食べに行った。店の名前は「うずら家」といい、戸隠では有名な店なのだそうだ。そばがきを食べ、とろろそばを食べ、仕上げにざるそばを食べた。二日酔いで気分が悪かったにも関わらず、今まで食べたどのそばよりもうまくて完食した。店の人にも「たくさん食べて頂いて。」とお礼を言われた。
中社は雪の中に埋もれていた。お参りをするにも凍った雪の上を歩いて行かなくてはならなくて大変だった。
今年はいい年にしたいなあ、と思った。
そして、今日は松本の友達の職場までスキー靴をもらいに行った。松本は青空が広がっていて気持ちがいいドライブだった。
日本酒と引き替えに靴を受け取ったのだが、ふと気になって「この靴って幾らくらいの靴なの?」と聞いたところ「レース用の靴だから、75,000円くらい。」だとのこと。2,000円程度の日本酒ではあまりにバランスが取れないと思ったので、車に乗っていたスヌーピーのばかでかいぬいぐるみもあげることにした。
2月には4人目!の子供が生まれるらしい。
「誕生祝いということで。」
「本当は、どこかのねえちゃんに買ってやったんじゃないの?」
「俺、もうそういうことあんまりしなくなったんだよ。」
川上弘美の「センセイの鞄」(文春文庫)も読み終わった。
淡々と、そして段々と恋に落ちていく。
若者にはない、ゆっくりとしたその風情が確かにいいなあ、と思う。
でも、僕にはこういう恋愛は無理なのだ。
自分にも他人にも、一種のあきらめがないとこういう性格にはなれないと思う。センセイも主人公の女性も、何も頑張ろうとしない。ただ、流れていくだけなのだ。そこがいいんだけど。
僕はまだ、この境地に辿り着くのは早すぎる。まだ僕は自分を伸ばせると信じている。欲が捨てきれないし、他人の評価がまだまだ気になるお年頃なので。
あと、センセイがパチンコをするシーンの描写はどうも半分は想像で書いているようで、微妙にヘンテコだった。でも、とってもいい本です。僕もいつかは、こういう性格になりたいなあ、と思ったし。
それから「007ムーンレイカー」をDVDで観た。うーむ。
暇つぶしを目的に大金をかけて作った映画にしか思えない。ばかばかしいし。
先日、東京で食事をした女性が「私、映画好きな人が好きなんです。でも、ハリーポッターとか観て、映画好きとか言っている人は全然駄目で、アル・ルーバン監督(だったっけ?)の新作が観たいとか、そういう話ができる人がいい。」と言っていたのを思い出して「その気持ちわかるなあ。」と少しにんまりしてしまった。
でも、実際に話をしていたときには「ああ。アル・パチーノの弟でしょ。」とかつまらない茶々を入れて怒られていたんだけど。
自分を振り返って改める点は多いんだけど、とりあえずは「相手の話を黙って聞くこと。」から始めてみようと思いました。