2019年読書 | ゆきんこのブログ

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我が家の犬猫、保護犬、そしてゆきんこのブログです。

2019年の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:5658
ナイス数:359

23冊とは言え、いろいろ読んだな。

犬が殺される 動物実験の闇を探る犬が殺される 動物実験の闇を探る感想
犬だけではなくすべての実験動物のことが書かれていた。 少しずつではあるようだが実験による動物への苦痛はかつてよりは減るように考えられてきているようだが実験動物が必要なくなるのはまだ先のことのようだ。でも期待したい。 私たちが使っている食品、薬品、ものは、動物たちの苦痛によって成り立っていることを知るべきで、感謝しなければ ならない。読んでいて辛かった。
読了日:12月17日 著者:森 映子
消された精神障害者消された精神障害者感想
沖縄では1900年に制定された精神病者監護法により、1972年に本土復帰するまで精神障害者は「私宅監置」された。 私宅監置された人たちのことが載せられているが、本当に精神病者だったのかと疑いたくなるような人たちも多く窓もちゃんとしたトイレもないところに入れられればそれだけでおかしくなってしまう。こういうことを防ごうと働きかけた人たちがいることがまだ救いである。このような私宅監置が台湾、西アフリカでも行われているようだが、状況は沖縄ほどひどくはない感じがした。でも西アフリカは精神障害者を木に鎖で繋いでいる。
読了日:12月08日 著者:
炎上弁護士炎上弁護士感想
本書に書かれている炎上はネットだけにとどまらず、自宅での嫌がらせ、両親や先祖の墓にまで及んだ。読んでいてい身震いがするほどで、その炎上が完全に収まってもいない中、今も弱者や困っている人の弁護を続け、インターネットによる被害者を守る法律を作ろうと頑張っておられる。理不尽なことをする人たちは自身が孤独で注目を受けるところを求めて他人を攻撃しているようだ。そんな人達に負けない著者を応援したい。また誰にでも降りかかるかもしれないことなので他人事とは思えない。
読了日:10月17日 著者:唐澤 貴洋
【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女感想
第161回芥川賞受賞作。 ちょっと狐に抓まれたような終わり方だったがサラッと楽しめた作品。 謎深い、だれもが気にしている「むらさきのスカート」の女が語り手の思惑通りに自分の働く職場に来る。 その女の変化も楽しめたが、最後は殺人までからむかもとドキドキするもので、最終的には語り手がむらさきのスカートの女と同じ位置に収まり「黄色いカーディガンの女」となる。 ここまでどうやって「むらさきのスカートの女」を観察できるのだろうかと途中で不思議になるくらいだった。
読了日:10月06日 著者:今村夏子
8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら感想
2007年3月11日に挙式を上げる予定になっていた65日前の1月5日、麻衣さんが心肺停止になり、8年間彼女の元に通い待ち続け、回復した麻衣さんと2014年に入籍・挙式をした。原因は卵巣の腫瘍に対する抗体ができ、その抗体が間違って脳を攻撃するという抗NMDA受容体脳炎だった。映画をLAからの飛行機の中で見て本を読んだ。映画でも思ったが尚志さんの麻衣さんに対する変わらぬ愛がすばらしいのと、麻衣さんの家族、そして尚志さんの家族の愛も強かった。今は足はまだ不自由みたいたがお子さんもできて幸せに暮らしているそうだ。
読了日:08月31日 著者:中原 尚志・麻衣
がんに生きるがんに生きる感想
食道がんを先進医療である陽子線治療を夫婦で探し出し一旦完治したが、再発により術後、穿破(せんぱ)というがん細胞が臓器の壁を突き破る危機を脱し、抗がん剤、陽子線治療で癌を克服。 冒頭で「がんで死にたい」というのはがんで成長できるというのも一つの理由で、探究心の強い彼にはがんはもってこいだったのでは。がんで成長したという彼の源にあったのは鈴木大拙の言う「己を知れ」に突き詰められると最後に書いている。 文末は夏目漱石の言葉「凡ての人間の研究と云うものは自己を研究するのである」で締めくくっている。
読了日:08月20日 著者:なかにし 礼
サスツルギの亡霊サスツルギの亡霊感想
南極で亡くななった血の繋がらない兄英治の死の真相を探りながら、カメラマンとして南極に来た拓海に起こる サスペンスのような話。その真相をたどる際に、南極でさえも欲によって犯罪までに手が染められるのも驚きで 殺人事件が起こったのはもっと驚きであった。その犯人に拓海が疑われて・・・ ちょっと複雑で、殺人まで出てきてそこはワクワクしたが、その動機には共感できないし、殺す必要があるのかわからない。 そもそも題名のサスツルギは出てきたがなんであるかわからず、題名が覚えられないくらい馴染みのない言葉。
読了日:07月17日 著者:神山 裕右
博士の愛した数式博士の愛した数式感想
博士は1975年センターラインをオーバーして正面衝突された事故によって大学教授だったのに80分しか記憶がもたなくなった。そんな彼の元に家政婦として1992年3月に「私」は雇われた。彼女には息子のルートがいて、博士の意向で息子も学校終了後に博士の家に来ることになる。博士の機嫌を損なわないよう少し緊張感はあるが、博士のルートを思いやる気持ちと三人の優しい関係がとてもよかった。退職後も二人で博士のいる介護施設に通うのも暖かくよかった。
読了日:07月05日 著者:小川 洋子
私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活感想
再読だったようだ。2015/10/31に読んでいた。 2012年50歳で幻視を見てレビー小体型認知症を発症。日記により日々の病状が詳細に書かれている。 彼女は病識があることが幸運であると自身も書いている。 私の母もレビー小体型認知症だったので、この病気にはある程度の認識もあるし、興味もあるので読んだ。 母よりはずっと病識があるし、自身を客観視していおり、かなり勉強されている。現在は自律神経障害以外の症状はほぼ消え、認知機能はほぼ正常に回復されているのは本人の気力、努力のおかげだと思う。
読了日:06月21日 著者:樋口 直美
星野源 音楽の話をしよう (AERAムック)星野源 音楽の話をしよう (AERAムック)感想
音楽の話にはほとんど付いていけず、読んでもわからないのでさらっと読んだ。 「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本家、野木亜紀子さんとの対談で最後の新垣結衣ちゃんの演技の話は興味深かった。演技力、やっぱりあるようです。 有村架純さんとの普段の話もおもしろかった。
読了日:05月26日 著者:星野源
「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟 (集英社新書)「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟 (集英社新書)感想
「本当の大人」が何が正しいかはよくわからないが、参考になったことはほとんどなく、参考にするまでもなく本書に書かれていることが「本当の大人」ならすでにそうであるような気がした。当たり前のことが推奨されていて、そんなことはわかっている、やっていると思うことばかりであった。だからといって自分が「本当の大人」であるかはわからない。
読了日:05月25日 著者:諸富 祥彦
こんな夜更けにバナナかよこんな夜更けにバナナかよ感想
筋ジス・鹿野靖明氏がボランティアを募り、自立生活していく。わがまま、気まま、厚かましく自分勝手な鹿野氏に それぞれが魅了され、そして生き方まで変えられていったと言っている。 筋ジストロフィーで体が動かなくなり、自分でできないことが多く、人を頼らざるを得ない、隠したいことも隠せない 状態が人を魅了したのかもしれない。鹿野氏は2002年8月12日、42歳で拡張型心筋症による不整脈で誰にも看取られず、救命救急センターで、つまり誰も責任を感じることなく亡くなったのは鹿野氏らしかったようだ。
読了日:05月13日 著者:渡辺 一史
噛みあわない会話と、ある過去について噛みあわない会話と、ある過去について感想
日常に悪気はないのに知らない間に人を傷つけていることはままある。それはその人をバカにしているからである。 この本には恐ろしいくらいの噛み合わない会話があり、それは過去の回想になるのである。 知らぬ間に生徒を傷つけていた「パッとしない子」、小学生の頃結局はいじめのようなことをしていた「早穂とゆかり」 どちらも強烈だった。
読了日:04月26日 著者:辻村 深月
怪談遺産怪談遺産感想
実話怪談の短編が連なっている。これが実話なら、本当に気味が悪いからこれは実話ではないと思いながら読んだ。 ゾクッとするけど、これが作り話なら「あり」かと思う内容。怪談を遺産として残したいから、この題名にしたそうだ。遺産になるほどのものはない気がしたけど、怪談としては現実に起こっては嫌だけど作り話ならゾクッとしていい。
読了日:04月06日 著者:平山 夢明
屍人荘の殺人屍人荘の殺人感想
ある別荘に大学生が集まり、その中で殺人事件が起きる。登場人物が多く、ゾンビも出てきてよくわからずさっと読んでしまった。第27会鮎川哲也賞受賞作であるが、あまりおもしろくなかった。
読了日:03月25日 著者:今村 昌弘
刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話感想
刑務所に高齢者、障害者が多く、何度も繰り返し犯罪を犯す累犯をする人は彼らに多いようである。それはシャバに出ても暮らしていけなく、刑務所のほうが安心して暮らせるかららしい。知的障害者は、悪気もなく窃盗などの犯罪を犯してもそれをうまく弁明できずに、またそれを理解する弁護人もいないようで、罪に見合わないような刑に服することが多い。刑務所を出た後、彼の造語であるが累犯障害者を作らないような社会の仕組みを作らなければならない。 もっと本当の意味で障害者に優しい社会にならなければならない。
読了日:02月18日 著者:山本 譲司
ソロモンの偽証 第I部 事件ソロモンの偽証 第I部 事件感想
中学生の柏木卓也がクリスマス・イブの翌朝、学校の裏庭で死体で発見されることから話が始まる。その死因をめぐり話が展開していき、同級生三宅樹里が告発状を送るなど、話が混乱していく。中学生の複雑な関係なども描かれて、事件の真相は自殺で終わったかのようであるが、二部に続く。一部だけでもかなり長いのでどこまで続くのだろうか。一冊読むのに三年以上掛かった。 表紙のカバーの見返しに事件発生直後の人物相関図があるのはわかりやすかった。
読了日:02月11日 著者:宮部 みゆき
大家さんと僕大家さんと僕感想
矢部くんが借りていた部屋の大家さんとの心温まる話が漫画で描かれている。 大家さんの次の発言、行動が楽しみでどんどん読めたし、読むのが楽しみになったほどであった。 矢部くん、いい人と貴重な時間を過ごし忘れられないいい思い出になったと思う。 大家さんはその後亡くなったと聞いて残念だ。
読了日:02月04日 著者:矢部 太郎
泣きかたをわすれていた泣きかたをわすれていた感想
落合恵子さんが母を介護して看取るまでと、自身が経営していた児童書店『ひろば』でのことが書かれていた。 子供の頃から母の前には死ねないと考えていたようで、母が亡くなり母も解放されたのもあるが、何よりも自身も解放された。親を介護するというのは、元気な頃の親と弱って自立できない親との違いに圧倒され失望感も携えなければならないのでたいへんだと思う。タイトルは介護の間、泣くこともできず泣き方も忘れていたということだろうか。
読了日:02月02日 著者:落合恵子
夫の後始末夫の後始末感想
夫三浦朱門91歳を2017.2.3に看取った妻曽野綾子85歳の手記。老老介護であるが湿っぽさは全く無い。 この本のタイトルを「自宅で夫を、介護する」としたかったが、その介護が1年1ヶ月で終わったと書かれていた。 介護と言っても苦しみや辛さは感じられなかった。それは二人が決めていたことにあるのではないだろうか。やっていけない3つのこと。○点滴または胃瘻によって延命すること。○気管切開。○酸素吸入 基本的に自分のスケジュールは変えずに介護されていたのでそれがよかったと思う。
読了日:01月24日 著者:曽野 綾子
えがないえほん (親子で楽しむ読み聞かせ本)えがないえほん (親子で楽しむ読み聞かせ本)感想
冒頭にこの本のルール「かかれていることばは ぜんぶこえに だしてよむこと」があったので書かれている 通りに声に出して読んだ。こどもが喜びそうな擬音満載で読んでいて楽しかったし、音読することで 年寄りにもいいのでは、いや、自分にいいのではと思った。楽しく読めたえほんだった。
読了日:01月22日 著者:B J ノヴァク
送り火送り火感想
第159回(2018年)芥川賞受賞作品。後味のよくないものだった。「送り火」の意味はなんだったのだろうか。 少年たちの魂を昇華させるということだろうか。 津軽地方に越してきた歩が地元の少年たちと自分は手を下さずにいじめや盗みに加わる。いじめも盗みも気分の悪いものである。その中の稔がいつも標的になる。歩は彼と話すこともあまりなく、手も下さない。だが最後は意外な結末となる。
読了日:01月18日 著者:高橋 弘希
認知症鉄道事故裁判 ~閉じ込めなければ、罪ですか?~認知症鉄道事故裁判 ~閉じ込めなければ、罪ですか?~感想
2000年84歳で認知症を発症した父親が2007年91歳12月にJR東海、愛知県共和駅の線路での鉄道事故に関し、2010年JR東海より損害賠償請求720万円を受ける。2016年3月1日、最高裁にて逆転勝訴。 父親が無残な死に方をした時に、被告として裁判で訴えられるなんてたいへんだったと思う。この本の著者高井隆一さんとその家族、よくがんばった。この判決は認知症高齢者とその家族介護関係者にとっても大きな意味があった。 それにしてもJR東海と一審、二審の裁判官の認知症に対する不理解には呆れるほどである。
読了日:01月17日 著者:高井 隆一

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