【ネタバレ感想】新クトゥルフ神話TRPG『とある漫画家に起きたこと』 | 山中@middlielのブログ

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2024年6月8日(土)にセッションを行いました。

 

『クトゥルフ カルト・ナウ』掲載シナリオ。作者は坂東真紅郎氏。

 

キーパーはポリミさん、プレイヤーはジルさん、助手さん、そして私でした。

 

 

あらすじ

探索者の共通の知人である人気漫画家の大木戸リサは、疲労のため人里離れた山奥で静養をしていた。

探索者はそんな彼女から、屋敷に遊びに来ないかという誘いを受ける。

 

 

キーパー&プレイヤー紹介

全員昔から遊んでいる面子です!

 

キーパー

ポリミさん

実は今回が初めてキーパーをしていただくセッションということで楽しみでした。

キーパー慣れされていて、プレイヤーからのあらゆる提案に対応できる、素晴らしいキーパリングでした!

 

プレイヤー

ジルさん

アクティブで面白いキャラクターを作ってきてくださいました。

感情を表現するのがとってもお上手!

 

助手さん

最適な立ち回りを考えるのが凄いです! 危機回避能力の高さよ。

(今回も)苦労人ポジの探索者で来られました。人間臭いキャラのロールプレイはお手の物。

 

 

 

探索者紹介

画像に写っているキャラを上から順に。

 

私は、大木戸リサの親友、九十九 恵(つくも めぐみ)を演じました(詳しくはリブログから)。

 

ジルさんの探索者は、リサのアシスタントをしていた作家の水野 透(みずの とおる)さん(女性)。
ピンクの髪が可愛いし、キー・コネクションの鞭のコレクションが面白い!

 

助手さんの探索者は、以前はリサの担当編集者で、現在は印刷会社で働いている馬渕 創(まぶち そう)さん(男性)
サラリーマンになってしまった経緯が、前の職場の無情な配置換えのせいによるものという、世知辛い設定です。

 

 

 

 

感想

リサリサ(大木戸リサの親友である自探索者九十九恵は、彼女のことを「リサリサ」と呼んでいる)からの手紙をもらい、長野の山奥にある彼女の屋敷へ車で向かう、馬渕さん(運転手)と水野さん、そして恵。


雪が残る長野の3月、運転手の馬渕さんが、〈目星〉開幕100ファン!
うわーーーーー、スリップ―――!!!

キーパーはあっさりと〈運転〉ロールに失敗したらダメージ1D6の宣告をする。

……セーフ!!

あぶねえ・・・今回インドア探索者ばかりでHPが少ないんですよ……


その後どうにかリサリサの屋敷に到着。
マジお屋敷!
そしてメイドさん!

これには恵と水野さんのテンションが瀑上がり。

それにしてもリサリサ、同じ27歳なのにそんなに背中曲がってどうしたの?
凄い老けたように見えるよ。
絶対なにかあるよね。

 

 

夕食まで屋敷を探索するのですが、屋敷の外に人とも獣とも違う足跡を発見。

屋敷に来るまでも変なものを見たし、いよいよ怪しい。

 

そもそも、リサリサの屋敷に来ることとなった経緯がリサリサから手紙をもらったことで、その手紙には「不審者(?)が出て怖いから遊びに来てほしい(地元警察は相手にしてくれなかった)」というもの。

 

さて――

 

 

夕食は素晴らしいものでした。

メイドさんの手料理最高!

 

と思っていたら、ワインにケミカル味が……

全ての判定に成功した水野さんが(「睡眠薬入ってるっス!」)と小声で忠告してくれ、恵も飲むのを止めました。

が、馬渕さんがまたしても100ファン!!

馬渕さん「美味い~。おかわり!」

水野さん&恵「「馬渕さんーーーー!!!」」


当然、馬渕さんは寝てしまいました。
そもそも、東京から長野まで運転し通しで、慣れない雪道に神経を集中させてたら、それだけで眠くなるというもの。
それに加えてアルコール&睡眠薬で完全ノックアウトの馬渕さん。

ふ、不穏すぎる……
リサリサ、一体何をするつもりなの? 目的は何?
 

 

夕食後は、リサリサとメイドさんを当然警戒します。

馬渕さんを起こし、3人で予定した部屋と違う場所に身を潜めました。

 

すると、夜中メイドさんが見回りに来て、スマホをぶっ壊したりカバンを漁っているじゃあないですか。

「何をしている!」と現場を押さえて声を掛ける我ら3人。

 

メイドさんはしらばっくれますが最終的には謝罪。

リサリサはそんなメイドを養護。

 

この二人は完全に黒決定。

しかし、何故こんなことをするのかが気になります。

 

この時馬渕さんは、何度も念を押して「車は壊さないでくださいね!」とメイドに訴えます。

キーパーのポリミさんは車を壊すつもりでいたそうで、これが後々、探索者全員の生還に繋がるファインプレーとなりました。

 

馬渕さん役のプレイヤーの助手さんは、立ち回りがとっても上手です。

部屋を変えて待機しようという提案も助手さんによるものでした。

 

 

翌日になって再び屋敷を散策。

すると、地下のワインセラーで死体を発見

 

プレイヤーたちとしては「こんなところにいられるか!」な訳なのですが、せっかくだしもうしばらくいます。

恵としたら、親友のリサリサを放ってはおけないという気持ちが強くありますので。

 

 

そして発見する「ピックマン展のパンフレット」

 

食屍鬼ですか、食屍鬼ですよね。

 

 

リサリサをドライブに誘った探索者たちは、車の中でリサリサから全てを明かされます。

 

それまでの情報収集で予測はできていましたが、リサリサは食屍鬼になる家系だったことが判明します。

 

家系の誰もがなるわけではないのですが、リサリサは不幸にも……

そのきっかけとなったのが、ピックマン展で食屍鬼の絵を見たことでした。

 

それ以来、リサリサは身体に変化が起こっていき、人肉を食べる欲求を抑えられなくなりました。

そのため、彼女は長野の山奥に籠もったとのことでした。

 

リサリサの周囲に現れる怪しい存在は、リサリサの仲間である食屍鬼。

彼女たち全員で私達探索者を罠にかけ、食べてしまおうという計画だったのです。

 

メイドさんも食屍鬼、かとおもいきや、実は食屍鬼に育てられた人間。

探索の最中に食屍鬼を全滅させられるアーティファクトを入手しましたが、これだとメイドさんだけ生き残る仕様。

私は「中々考えられたシナリオだな」と思いました。

 

 

車の後ろから追ってくる食屍鬼。

アーティファクトを使えば非力な探索者でも凶暴な食屍鬼を倒すことはできますが――

 

それよりもリサリサのことです。

恵は、リサリサからの話を聞いてこう考えました。

現代の医学ではリサリサを元に戻すことはできない。

また、食屍鬼となり人間を食べるという欲求を止められない彼女が、人間世界で生きていくことは不可能。

 

 

恵は、万が一のために持ってきたスタンガンをリサリサに当て彼女を失神させます。

 

そして恵は、自らの手で親友リサリサの首を絞め、彼女の生を奪いました。

 

追ってきた食屍鬼は、同族であるリサリサの遺体を持ち、山奥へと去っていきました。

 

そして、探索者全員は生還することができました。

今回の一連の出来事を他の二人も公表しないとは思いますが、恵は墓の下まで持っていくことを決めました。

 

 

 

ここからは私の創作です。

恵が今回の出来事の帰り道、リサリサとの思い出を振り返っていたというシーン。

 

学生時代の出会い。

漫研で、毎日一緒に漫画を書いたり熱く語っていた、人生で最も楽しかった青春時代。

一緒に出した同人誌の、締切に追われたときのことや終わったときの達成感。読者に楽しんでもらえるかドキドキしたこと。

 

リサリサが描いた漫画が賞を取って漫画家デビューを果たしたときは、とっても嬉しかった反面、妬ましく思う気持ちもあり、自己嫌悪に陥ったこと。

漫画家駆け出しの頃のリサリサのアシスタントを引き受け、彼女が徐々に人気になっていく状況を、とても誇らしく思ったこと。

漫画家としては有能だけど生活感はゼロのリサリサ。いつも掃除や料理をやっていたなあと思ったこと。

 

そして今回一緒に行動した、アシスタントの水野さんと担当の馬渕さんとの出会い。

自分の絵が恥ずかしくなるくらい圧倒的な画力の水野さん。

気遣いができて行動力がある馬渕さん。

二人なら安心してリサリサを任せられると、リサリサを託したこと。

 

リサリサが売れっ子になった後も定期的に連絡を取り合っていたが、体調を崩した後音信不通になり、凄く心配だったこと。

でも、毎日の自分の生活で、リサリサのことを考えることが段々と減ってきたこと。

 

唐突に思い出す、リサリサとの他愛もない思い出。

一緒にアイス食べたり、ゲリラ豪雨の中、二人で走って帰ったこととか。

成人式の後二人で居酒屋で飲み、気がついたら自分の家で二人で寝ていてお互い記憶が無かったこととか。

 

 

まだ、自分の手にリサリサの首を絞めた感触があった。

自分がリサリサを殺した…………

 

周囲が灰色の景色に変わる。

 

 

自分のしたことは重大な罪だと頭では分かっている。

それよりも、リサリサを救う道はなかったのかと何度も何度も自問自答をするが、結論など出るはずもなかった。

 

馬渕さんと水野さんとは会話をしてなかったように思う。

あるいは何か言葉を交わしたのかもしれない。

記憶にない。

多分、二人は凄く気を遣ってくれたと思う。

 

 

気がつけば自分の部屋に帰っていた。

スマホに入っているリサリサとの写真を、スクロールしては時折止めて眺める。

 

 

「ごめんね、リサリサ…… 私、あなたを助けられなかった…………」

 

 

嗚咽とともに、スマホの画面に涙がこぼれ落ちた。