2024年5月10日(金)、茅ヶ崎市民文化会館(神奈川県)で、世界的チェリストであるミッシャ・マイスキー氏のコンサートを聞いてきました。
今回は、娘のリリー氏(ピアノ)と息子のサーシャ(ヴァイオリン)との、トリオでの来日公演。
出演者と曲目
チェロ:ミッシャ・マイスキー
ピアノ:リリー・マイスキー
ヴァイオリン:サーシャ・マイスキー
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調
ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番ハ短調
(休憩)
ラフマニノフ:チェロとピアノによる小品集
メロディ
夕暮れ
ヴォカリーズ
エレジー
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏第2番ホ短調
アンコール
【ご来場御礼】5/10(金) 「#マイスキー・トリオ」
— 茅ヶ崎市民文化会館 (@chigasakihall) May 12, 2024
多くの皆さまにご来場いただき誠にありがとうございました。 終演後のサイン会も大盛況でした♪
アンコール曲は ①シューベルト作曲 君はわが憩い D776 ②シューマン作曲 幻想小曲集Op.88より、第3曲 デュエットです。#茅ヶ崎市民文化会館 pic.twitter.com/PDgZCI9tVb
曲の感想
1曲目のバッハの無伴奏チェロ組曲では、今もなお美しい音を響かせる、ミッシャ・マイスキー氏の生演奏に酔いしれました。
世界最高峰の演奏をステージから5列目という間近で聞ける贅沢…!
氏の演奏は、自由奔放に弾くスタイルでありながら、それがいい加減ではなく信念を持って弾いている感じがします。
よく、CDとライブではパフォーマンスが違うってアーティストいますよね。
氏の場合は、CDの録音からして”俺流”なのです。
親子での演奏となった、ブラームスのピアノ三重奏曲第3番。
凄い! 凄く息の合った演奏に感動!
音の入りなんてレベルではなく、クレッシェンドのかけ方(ボリュームの上がり方)やそれぞれのバランスが絶妙。
親子で長年アンサンブルを行ってきた結果なんだろうな、と思いました。
スーパースター夢の共演で息が合っていない演奏よりも、こちらの方が私はずっと好きです。
余談ですが、私はこのブラームスの三重奏を初めて聞いて、好きになりました。
ブラームスは交響曲よりもこういった作品の方が私の好みです。
後半の最初は、ミッシャ・マイスキー氏のチェロと娘リリー氏のピアノによる、ラフマニノフ:チェロとピアノによる小品集。
ラフマニノフの曲ってどれもメロディが美しいですね(そして哀愁漂う曲も多い)。
どの曲も素敵でしたが、やはり氏のボカリーズを聞けたのは幸せで、夢心地のようでした。
それにしても、チェロという楽器の素晴らしさを再認識せずにはいられません。
低音の時の地を這う音、音の豊かさ、表現の多彩さ(すすり泣くような演奏や、全てを受け入れてくれるような演奏)。
もちろんそれは演奏者の実力があってこそですけれど。
プログラム最後はショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏第2番。
曲者ッッッ!!!
出だしからチェロのフラジオ(倍音を使って高い音を出す。正式な言い方は違うと思います)ってなんじゃ!?
と、まず曲そのものに驚かされます。
(そしてその後加わるヴァイオリンよりも高い音を弾いている)
ショスタコ…… ほとんど聞いてこなかったけど、やはりあんた常識破りの人だったんだな……
他に思ったところは、リリー氏のピアノ演奏が見た目に反して凄くパワフルだったことかな。
とにかくこの曲にビックリし、演奏するの難しそうとも思い、変な緊張感を感じたまま曲が終了。
いや、凄かったんだけど~~。
これで終わらないでアンコール聞かせて!!
と思いながら拍手していました。
それでアンコールですが、3人は何度も登場して挨拶をしてくれました。
多分10回くらい出てきてくれたと思います。
めっちゃサービスしてくれるじゃん!
あと、挨拶の時、3人で肩を組んでいるのがとても感動しました!
家族仲がとっても良さそうでホッコリしました。
しかもアンコールに2曲も演奏してくれて大満足。
シューマンとシューベルトという聞きやすい曲で、一安心でした 笑
他の客もショスタコーヴィチの時は絶対戸惑っていた(と思う)。
「ブラボー」もちらほら飛び(東京だったらきっと何十倍もの声が上がっているでしょう)、最後はかなりの人がスタンディングオベーションをして幕を閉じました。
私も、「ブラボー」とスタンディングオベーションで、3人の見事な演奏に感謝を示しました。
素晴らしい演奏会だった!!!✨️✨️✨️
今回の演奏は非常に満足度が高かったです!
座席
1階席、ステージから5列目の上手側
この至近距離で世界最高峰のチェロの演奏が聞けたのは本当に幸せでした。
弓で弦を叩く時の小さな音とかも。