銀座の画廊「つかのまをたのしむ+NOTION(プラスノーション)」で開催中の安齊まりな(テキスタイル)・土居陽子(ガラス)の二人展「森の生物展」に行ってきました。(会期 4月22日~28日)
「種種」安齊まりな 羊毛、糸
安齊まりなさんは、羊毛を厚い布片状に固め、そこに文様や絵を描き、その断片を組み合わせて様々な立体的な作品を創り上げるという独自の手法をメインにして制作活動をされており、これまで、私のブログで個展・グループ展の紹介をさせていただきました。今回は、4度目の紹介になります。
過去の記事です。
安齊まりなさんの作品は、過去、宇宙や太古などをテーマとし、大きな作品が多かった印象がありますが、今回は、森の小さな生物に視点を移した小さな作品が中心で、それゆえ、細部にこだわった作品づくりをされたとのことでした。
「廻」安齊まりな 羊毛、麻糸、他
今回の二人展では、森に生きる生物がテーマとなっており、この作品は、そのなかで思い切り小さな淡水プランクトンをテーマとした作品です。淡水プランクトンといえば、ミジンコやゾウリムシ、ミトコンドリアなど小学校のときに教わりましたが、この小さな作品の中に様々な形をした生き物が息づいています。
羊毛を紡いで創作した小さな世界に、宇宙さえも感じる作品です。
「巡」安齊まりな 羊毛、糸
数枚の葉をつけた枝が、あたかも大木かのように根を張り、森の世界の中で生命をつないでいます。
円形の無数のぐるぐる模様と羊毛のグラディエーションが、生命の歴史や宇宙を連想させる奥深く、神秘的な作品に仕上がっています。
安齊さんのお話では、様々な羊毛の元の色を活用したり、染めたりして、この色合いを創り出しているとのことでした。
「一片」安齊まりな 羊毛、糸
1枚の枯れ葉の細かい葉脈、虫食い跡が詳細に描かれており、目を見張る作品です。
過去の安齊さんの作品から連想すると、あたかも1枚の葉の上に、太古の大地を表現したかのように感じる作品です。
「光彩」羊毛、糸、野蚕糸
こちらの作品は、他の作品とは趣を異としていますが、チューリップをテーマとした作品です。
ふっくらとした厚めの生地や色合がおおらかで明るいチューリップの性格を表現しているかのようです。
次は、土居陽子さんの作品です。
土居陽子さんは、ガラスで自然の厳密な造形をテーマとしてされているとのことであり、今回の森の生物展では、森の中の小さく繊細な生き物を表現した作品が目につきました。
「氷の花(シモバシラ)」土居陽子
この作品は、氷の花とも呼ばれる「シモバシラ」という植物が氷結した様子を表現した作品とのことです。
私も「シモバシラ」という植物を全く知らなかったのですが、秋ごろに白い花を咲かせるシソ科の植物で、冬に、水分をたっぷり含む茎から染み出した水が氷結して霜柱のような美しい姿を見せることがあるとのことです。
繊細なガラスで表現されたこの「シモバシラ」という作品、その神秘的な姿に目を見張りました。
「蔓草に蜘蛛の巣」土居陽子
ガラスで表現された蔓草と蜘蛛の巣です。繊細の細工に驚きますが、光が当たりキラキラした様子や、黒い台に反射した様子にも美しさを感じられます。
我が家の庭にも女郎蜘蛛が大きな巣を造るのでその話題を土居さんにお話ししたところ、異常に高いところに大きな巣をつくるなどの蜘蛛の巣談議で盛り上がりました。
「ザラエノヒトヨタケ」土居陽子
ザラエノヒトヨタテケは、傘の表面に放射状に広がる条線と呼ばれる線模様があり、傘が白いキノコであり、一夜で溶けて消えてしまうような儚いキノコですが、あたかもそのキノコがここに在るようなことを感じさせる作品です。
作品を楽しむことに加え、植物談義も楽しめました。
「風船葛に蜘蛛の巣」土居陽子
風船葛の葉や実、蜘蛛の巣など、豪華な光輝く作品です。
以上、安齊まりなさん、土居陽子さん、「森の生物展」というテーマのもとにそれぞれの独自の世界が楽しめる充実した二人展でした。













