皆さま、おはようございます。
10月7日、日曜日の朝です。
今日は、少し時間が経ってしまいましたが、9月22日~9月27日の会期で、美岳画廊で開催された「tide」山下千里個展について触れたいと思います。
山下千里さんは、2017年に筑波大学芸術専門学群卒業、2019年に筑波大学大学院人間総合科学研究科修了されており、在学中から作品を発表され、その後、個展、グループ展を着実に重ねている若手日本画家です。
美岳画廊は、地下鉄日比谷線・JR京葉線八丁堀駅から徒歩ですぐのところにありますが、初めて行く画廊でしたので、地図を見ながら現地に行きました。
会場に入ると、山下千里さんが在廊されており、まずはご挨拶をして、作品を拝見しました。
まず、私が大変気になった次の作品を紹介します。
「tide」 M30
ごつごつした岩が露出する磯に、荒波が激しく打ち返し、白い波しぶきがいたるところで立っています。
一見、油絵具で描いた写実的な作品と思えるような作品ですが、自然素材を活かした日本画の作品です。
また、額縁の側面まで絵が描かれており、立体感を感じる作品に仕上がっています。
作品名の「tide」は、潮、潮の満ち干を示す言葉。
これまで私が拝見してきた山下千里さんの作品は、クラゲや魚など海の静物と女性の作品が中心であり、この「tide」という作品は私の中では大変異質な作品と感じましたので、ご本人にその点を伺うと、この作品は、つい最近、身近な人を失い、その時の思いを込めて制作した作品であり、潮の激しい満ち干の中で海の生物が育つ磯を描いてみたかったという趣旨のお話を伺いました。
この作品は、画家山下千里さんにとって、大変重要な意味がある作品と感じました。
他の作品を数点紹介します。
「seawaterⅠ」 S0号
海面の潮を背景、憂い気な表情をみせる女性を描いた作品です。耳には、クラゲのイヤリングが飾られています。
会場には同じ大きさの作品が3点ほど並べて飾れていました。
また、クラゲの作品も。
「jeiiyⅠ」10×11.5㎝
「nocturne」M8
月と星が美しい夜。静かな磯と一体化するように描かれた女性。
夜の美しい磯を象徴するかのような女性の作品です。
山下千里さんらしい美しい作品です。
今回の作品展では、これまでの山下千里さんの作品の延長にある美しい作品に加え、山下千里さんの新しい面を拝見することができ、印象に残る作品展でした。
さて、山下千里さんの作品は、これまで何度か私のブログで紹介してきましたが、かなり飛び飛びでしたので、ここで過去の印象に残った作品を紹介したいと思います。
山下千里さんの作品を初めて拝見したのは、7年前に横浜みなとみらいで開かれた「第4回魅惑の女性画展」でした。
この第4回魅惑の女性画展では、美大生をはじめ若手の作家を中心に取り上げられており、現在活躍されている中園ゆう子さん、山本有彩さんに加え、山下千里さんが出品されていました。
「衆生」山下千里
この時から、既にクラゲと女性を描いており、山下千里さんの原点となる作品の一つではないでしょうか。
その2年後、銀座の画廊「美の起原」で開催された個展で、初めてご本人にお目にかかりました。
この個展では、沢山の魚と女性を描いた、こちらの作品が印象に残りました。
「utopia」 山下千里 M10号 和紙、岩絵具、箔、シェルパウダー
更にその2年後、東京芸術劇場で開催された大宴会的美術展「KENZAN2022」(表記Nは逆,Aは-なし)で作品を拝見しました。
「乙姫」 岩絵の具、和紙、銀箔、青金泥、シエル F30号
そして、その2年後、昨年12月で銀座「美の起原」のグループ展の次の作品も魅力的でした。
「perfume」山下千里 岩絵具、和紙、青金泥、銀泥 F6号
キラキラ輝く宝石瓶が魅力的な作品です。
このほか、折々にグループ展等で山下千里さんの作品を拝見してきましたが、こうしてみるとその作品が進化しているのがよくわかるのではないかと思いますし、そのなかで、最初に紹介した今回の「tide」が極めて特色的な作品で新展開の作品であることがご理解できるのはないかと思います。
以上、山下千里さんの今回の個展と過去の作品を紹介させていただきました。

















