昨日、12月6日(土)、京橋にある画廊「Maison de neko  メゾンドネコ」で開催中の「田中アユミ個展 やわらかな余韻」に行ってきました。(会期 12月5日~12月9日)

 

田中アユミさんの作品は、以前から、横浜中華街の画廊art Truthにおけるグループ展や、現代童画展で拝見し、その魅力にひかれ、これまで私のブログで度々取り上げてきましたが、ご本人にお目にかかったことはなく、個展も初めてでしたので、楽しみにして現地に向かいました。

 

銀座から中央通りを京橋方面に向かい、上島珈琲を見印に右折し、不思議な路地裏に画廊メゾンドネコがあり、狭い階段を上って、会場に到着しました。

会場には、今まで、一点、若しくは数点の作品しか一度に拝見したことのない田中アユミさんの作品が、所狭しと並べられていました。

 

私が到着した時点では、田中アユミさんはまだ在廊しておらず、まもなく来られるとのことで、私と同じように田中アユミさんにお目にかかりたいというファンの女性と、現代童画会会友の佐藤創一さんと、作品を拝見しながら待っていると、ご本人が到着し、それぞれが自己紹介するなど、場はとても華やぎました。

 

前置きはこの程度とし、作品を紹介していこうと思います。

「旅の途中」S30 油彩・板

黒髪に黄色いリボンをしたやや幼い感じが残る女性が、花に群がる蝶に囲まれた作品です。

作品名は「旅の途中」ということで、旅の途中の一コマを描いた作品ですが、ここで蝶の模様にピーンときてネットで調べてみると、この蝶は長い距離を旅するアサギマダラであることがわかります。

1人旅の旅先で、長い距離を旅する蝶アサギマダラの美しい群れに囲まれる女性。

美しい花や蝶、愛らしい女性、そこに物語性を加え、情感溢れる作品ではないでしょうか。

 

実は、この作品は、2022年開催の第48回現代童画展で拝見した作品であり、当時、作品名の意味するところまでは読み取れませんでしたが、魅力的な作品として、私のブログの中でも触れさせていただきました。

 

「寒椿」F0 油彩・板

四方を寒椿に囲まれ、雪がちらつくなか、古風な冬姿の少女の姿。

小作品ですが、浪漫あふれる作品です。

 

「カナリアと山葡萄」F3 油彩・板

山葡萄が絡まる楕円の窓の中、少女とカナリヤが描かれた作品です。

小さな胸に当てた両手に、カナリアへの愛情とひたむきさが感じられます。

この作品は、今回の個展のDMにも使われており、田中アユミさんの作品への思いも感じられます。

 

「黄昏にうたう」16×12㎝ ペン画 インク・アクリル・ワトソン

こちらは、ペン画の作品ですが、鳥を愛でるという点以外にも背景に星が描かれ、少女が胸に手をあてているなど、「カナリアと山葡萄」との共通点が気になる作品です。

 

さて、ここで思い出したことをひとつ。

今年の2月、平成記念美術館において開催された、現代童画会に所属している7人の作家(田中アユミさん、戸井田しづこさん、天野利恵さん、宮沢寛之さん、丁子紅子さん、至剛さん、高村泰子さん)が参加した「七彩展」において、学芸員の三田村泉美さんが田中アユミさんの作品を見て、「人体表現の基礎がしっかりしている」とおっしゃっていました。

田中アユミさんの作品は写実絵画ではありませんが、学芸員の三田村さんがおっしゃるとおり、人体表現がしっかりしていることが、リアリティある魅力的な作品が創みだされる背景にあると思うところであります。

 

「花冠-アネモネとノイバラ-」36.6×27.5㎝ アクリル・板

これまで紹介した作品は、落ち着いた色彩であるのに対して、この作品は華やかで明るい色彩の作品です。

登場する少女の髪も明るい色で、服を着ていない上半身が描かれています。

この作品は、私の記憶に残っている作品で、2023年春季展で拝見し、「美しい花が散りばめられ、キラキラ光る、まぶしい作品」とブログで書かせていただきました。ただ、春季展での作品名の表示は「花冠」とだけで、今回は「花冠-アネモネとノイバラ-」とされており、花の名前がわかって納得感が深まりました。

 

innocent43×34㎝ 油彩・板

この作品の少女も、黒髪ではなく明るい色の髪をしています。

鳥が飛び、花が咲き、蝶が舞っています。

色彩も全体的に明るく、華やかさを感じる作品です。

 

「曙生花店」SM 油彩・板

曙生花店と書かれた看板を掲げた木造の古風なお店に、チューリップの鉢植えが置かれ、そして少女が色とりどりのチューリップを抱えています。

窓の外は、闇夜に月が出ています。

懐かしいただ住まいのお店に可愛らしい少女の作品。

大正・昭和浪漫を感じさせる田中アユミさんらしい作品です。

 

このような古風のお店を題材にした作品は、今年の第51回現代童画展に出展された「湖畔の洋服店」が思い出されます。

参考にその作品を紹介しておきます。(この作品は今回の個展に展示されていません。)

 

最後に、この作品を紹介します。

「星秤」SM 油彩・板

 

以上、田中アユミさんに初めてお目にかかり、また、数多くの作品を堪能することができ、楽しいひと時を過ごせた個展でした。

 

メゾンドネコのHPアドレスを紹介しておきます。

Maison de neko: メゾンドネコ |東京京橋のアートギャラリー