現在、銀座の画廊、SASAI FINE ARTSで開催中の「里見勝藏展」(会期 5月10日(金)-25日(土))に大学時代の親友と行ってきました。

(SASAI FINE ARTSのHPアドレスはこちらです。→SASAI FINE ARTS

 

里見勝藏と言えば、日本のフォーヴィズムを代表する画家の一人であり、自分の中では「里見勝藏」といえば、通常、美術館が企画するであろう歴史的な人物という意識があり、画廊のスタッフの方に是非とも今回の企画への思いを伺いたいと思っていました。

 

画廊のスタッフに伺ったところ、画廊の代表である佐々井氏が初めて仕事を始めた画廊で扱っており、その時の印象が強烈で、以後、作品を自分で収集するなどして企画を暖め、今回の展示に至ったとのこと。

 

その思いを込めた展示した作品の一部を、紹介させていただきます。

 

「MAYA」里見勝藏 4F(33.4×24.1㎝)油彩、板

 

「婦人像」 30.8×20.7㎝ 油彩、板

 

「岩山」12F(61.0×50.0㎝)キャンパス、油彩

 

「砂丘」3F(19.5×27.5㎝)油彩、板

 

「風景」18.5×27.0㎝ 紙にコンテ

 

それぞれの作品の印象は、フォーヴィズムを代表する画家らしく、確かに強烈であり、「MAYA」や「岩山」など、その色彩の力強さや激しさから、代表作の一つではないかと感じます。

 

里見勝蔵(1895-1981)は、1921(大正10)年、渡仏してヴラマンクに師事しており、作品を拝見するとヴラマンクの影響も感じられますし、また、同時代にパリで活躍していたジョルジュ・ルオーの影響も感じられました。

 

参考に、私のブログで過去に紹介したヴラマンクとジョルジュ・ルオーの作品を紹介させていただきます。

 

「町役場」 モーリス・ド・ヴラマンク 1920年(2023-05-24,国立西洋美術館常設展)

 

「クマエの巫女」1947年  「ジョルジュ・ルオー かたち、色、ハーモーニー」(4月8日~6月25日 於:パナソニック汐留美術館 2023-05-04)

この日、佐々井代表は他の展示の準備で不在でしたが、その思いが十分に伝わる展示でした。

 

さて、冒頭に記載したとおり、この日、大学時代の親友と互いに仕事をリタイアした同士、〇十年ぶりに再会し、一緒に画廊巡りなどをしました。

彼は、大学時代美術部で油絵を描いており、当時、私と馬が合い、一時期、いつも二人で行動していました。

超有名な美術館を持つ大手損保会社に就職した彼は、絵の世界からは離れていたとはいえ、仕事そして人生で培った教養は深く、着想はユニークで、二人で楽しく銀座を散策しました。

 

8年前、私のブログでシャガールについて触れたとき、彼と学生時代にシャガール展に行った思い出を書きました。

 

彼とシャガール展を見に行ってから、半世紀近い時間が経過しており、この日、当時と同じ気持で彼と過ごせたように思います。

人生、まんざらででもないと感じた一日でした。