今日は、現在、国立新美術館で開会中の第10回日展の洋画部門と彫刻部門について触れたいと思います。

(会期 11月3日~26日)

 

なお、既に、日本画部門については紹介いたしましたので、こちらをご覧ください。

 

 

日展洋画部門で私がいつも楽しみにしている作家の方々を中心に、作品を紹介していきます。

 

「輝夜~かぐや~」 福井欧夏 東京都・会員

森と月を背景に、水面に立つ女性が描かれています。

自然が織りなす神秘的な雰囲気のなかで、袖が長いドレスを着て優雅に立つ姿は、まさに福井欧夏さんの世界です。

 

「空模様」木原和敏 広島県・会員

レースのカーテン越しに淡い光がさす窓から、空模様を伺う女性

ソファーに身を委ねる女性の体の柔らかな曲線、白く華奢な手、足

ここには繊細で美しい女性の姿が描かれています。

 

また、窓の反対側に置かれた小さなテーブルに置かれた化粧品とアクセサリーも魅力的です。

 

「花と華」中山忠彦 千葉県・顧問

可憐で堂々とした洋装の女性、洋画界の重鎮、中山忠彦さんの作品です。

 

会場の中央、第5室の定位置をいつもの通り厳かに飾っています。

 

「落ち椿」徳田明子 東京都・入選

椿の森、落下した多くの椿の花が散りばめられた地面

そこに左手を突き、右手を胸に当て、横たわる女性。

美しい花の盛りに丸ごと落ちる赤い椿を象徴しているのか、女性の美と情念を感じさせる作品です。

 

日ごろから徳田明子さんの作品を拝見する機会が多い私にとって、この作品が展示されている13室は、この作品のためにあるとしか思えない私のひいき目な意見です。

 

「予兆」中島あけみ 東京都・入選

女性の、自然な美しさを優しいまなざしで描く中島あけみさんの作品です。

私は日展は、改組第3回から今回の第10回まで連続して8回ブログで紹介していますが、中島あけみさんの作品を振り返ると第6回から今回まで5回連続して取り上げていることがわかりました。

ヌードの作品は他にもあろうかとは思いますが、女性である中島あけみさんの作品は私を魅了してきたことがわかります。

 

他にも女性を描いた素晴らしい作品は次の通りで目白押しです。

「愛読書」池田清明 神奈川県・会員

 

「時の輝き」大友義博 東京都・会員

 

「イクリプスー蝕―」 松本貴子 奈良県・会員

 

「皐月」濱本久雄 長野県・会員

 

「赤い糸」ナカジマカツ 千葉県・準会員

 

「Canon(カノン)」本山二郎 石川県・準会員

 

「光の庭」小野月世 東京都・入選

 

もちろん女性の作品以外にも素晴らしい作品が数多くあります。

「Smorzando」西房浩二 石川県・会員・審査員 内閣総理大臣賞

 

「教会の村」佐藤祐治 神奈川県・会員・審査員

 

「億念の夜―世界遺産平勝寺の夜念仏」曽剣雄 愛知県・会員

 

「匿名の地平線―ver.blue-」中島健太 神奈川県・準会員・審査員

 

次は、彫刻部門です。

彫刻は日ごろ拝見する機会が少なく、私の鑑賞眼も経験値が乏しいため、会場を眺めるよう見方しかできないのですが、その中で、次の作品は私を引き付けてくれました。

 

「日輪の彼方へ」寒河江淳二 東京都・会員

 

「清流は清いままに」熊谷喜美子 富山県・会員

 

「人間賛歌―明日を祈りてー」山本眞輔 愛知県・理事・審査員

 

「虹」山田朝彦 東京都・理事

 

以上、芸術の秋を堪能することができた第10回日展でした。