今日は、銀座の画廊、ギャラリーアートもりもとで始まった『植野綾展「emotion」』に行ってきました。(会期 6月16日(水)~26日(土))

 

植野綾さんは、佐賀大学大学院芸術地域デザイン学部地域デザイン研究科出身の若手洋画家で、白日会展を中心に活躍されている作家さんです。

私のブログでは、3年前の白日会展ではじめてその作品を拝見し、その後の白日会展、グループ展でも取り上げさせていただき、注目している作家のお一人です。

 

植野綾さんを取り上げている主な記事です。

第94回白日会展の感想の続編です。(2018年3月)

「山本冬彦推薦作家による自画像展」(於 Gallery ARK)に行ってきました。(2018年4月)

佐賀大学のグループ展「礎展」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。(2018年9月)

白日会展 第95回記念展(於 国立新美術館)に行ってきました。(2019年3月)

いまだ未開会の第96回白日会展の映像が面白い!(2020年3月)

第97回白日会展(於 国立新美術館)に行ってきました!(2021年3月)

 

植野綾さんのこれまでの作品、例を挙げると、3年前の白日会展の内臓を描いた作品、佐賀大のグループ展のすり硝子越しの女性を描いた作品、幻の第96回白日会展の水中を遊泳する4人の女性(モデルは藤井佳奈さんとのことです。)を描いた大作など、正直、とても驚かされてきたのが、私の第一印象です。

また、それぞれの作品からは、作品に対する真摯な姿勢と意欲が感じられるとともに、優れた写実力に感心させられてきました。

今回は、その植野綾さんの初めての個展とのことです。

 

それでは、作品を数点紹介させていただきたいと思います。

「百色の塵」 100F

様々な柄の着物や布を重ねたうえに、横たわる女性。

折り重なる様々な柄、一つ一つが美しく、それが違和感がなく調和し、統一した作品となっています。

 

今回の作品には、この着物の柄を取り込んだ作品が何点かあります。

「うつわ」 8F

この拝見の着物の柄は、こうしてみると布を張り付けているようにも見えますが、もちろん丁寧に描きこんでいます。

背景の柄と布、ショートカットのモデルさんの明るく瑞々しい肌の異なる質感と存在感が魅力の作品と思います。

 

着物の作品として、こんな作品もあります。

「遠くから」 SM

 

また、同じモデルさんが様々な表情を描いた4枚の作品が並べられています。

その中の2点を紹介します。

「真」 4F

 

「信」 4F

まず、このモデルさんの目の表情に惹かれます。

見る者を少し突き放すようにも感じられますし、揺るがない強い意志も感じます。

このモデルさんの、この表情を描くところに、これまで様々な作品を描いてきた植野綾さんの現時点での到達点と思うと、自分なりに納得してしまいます。

 

そして、この作品は、ご本人がモデルとのことです。

「おもちゃ箱」 10F

女性の一瞬の表情をとらえるとともに、リラックスした服の着こなし、さらに、赤と黒の筆のほとばしりにより、動画のような勢いを感じる作品です。新しい「植野綾」を側面を感じる作品です。

 

そして、手を描いた作品もあります。

「bud」 3S

以上、作品の一部ですが、植野綾さんの魅力を少しはお伝え出来たのではないでしょうか。

 

植野綾さんは、熊本在住で今日はお目にかかれず残念でしたが、今後、在廊される予定とのことでした。

既に、かなりの人気のある作家さんですが、今後がさらに楽しみです。

 

最後に、ギャラリーアートもりもとのHPアドレスを掲載します。

ギャラリーアートもりもと (artmorimoto.com)