今日は、昨日から銀座の画廊、ギャラリーアートもりもとで始まった、菅澤薫展「密やかな巣」に行ってきました。

(会期2月12日(金)~2月20日(土))

実は、コロナ禍の影響で、銀座に行くのは昨年の11月以来です。

ここにきて、新規患者の数が少し減少してきたとはいえ、まだ東京都は緊急事態宣言中、多少心配はあるものの、久しぶりの菅澤さんの個展を是非とも拝見したくて、銀座に向かいました。

 

菅澤薫さんは、筑波大学大学院博士後期課程終了で、在学中から、独特の少女画を描き、二紀展などで活躍され、私が初めて作品を拝見したのは、2018年2月のギャラリーアートもりもとでの個展でした。

揺れ動く、不安定な少女の姿を、色とりどりの布や髪の毛で表現したり、物語性のある一連の作品を制作をしたり、その独特な感性やこだわりに魅せられて、私のブログでも、何度か取り上げさせていただきました。

 

菅澤 薫 展「想いの欠片」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2018年2月)

アグライア展(於 Gallery ARK)に行ってきました。(2018年5月)

菅澤薫展「歪な巣」(於 コート・ギャラリー国立)に行ってきました!(2019年3月)

山本冬彦推薦作家によるCDジャケット展(於 ギャラリーアーク)に行ってきました!(2019年11月)

 

それでは、作品を紹介させていただきます。

「冬の陽だまり」 12F(50.0×60.6㎝)

色合が華やかなインコを腕に乗せ、楽しそうな表情を浮かべた少女の作品です。

聞くと、このインコは掛川花鳥園で出会ったインコを題材にされたとのことでした。掛川花鳥園のホームページを拝見すると、おそらくこのインコは、コガネメキシコインコと思います。

今回は、この作品を含めて動物との触れ合いを題材にした作品を出展しており、これまでの作品とはやや趣を異にする柔らかな少女の表情が印象に残りました。

 

「心寄す」 6F(40.9×31.8㎝)

雄鶏を抱いた少女。こちらも優しく穏やかな少女の表情が印象的です。

今日、久しぶりにお目にかかることができた、菅澤さんのお話では、少女の赤いバンダナや黄色く塗った爪など、少女と雄鶏のペアを意識されているとのことでした。

抱かれた雄鶏も、目を閉じ寛いでいる様子がうかがわれます。

 

「浴室は雨」 100F(162.1×130.3㎝)

こちらは100号の大作で、これまでの菅澤さんの作品の流れの中にある作品ではないでしょうか。

長い髪に垂れ下がってきている、長い赤い布。

浴槽の壁面は、まっすぐではなく、歪んでいます。

歪んだ空間と、少女の不安げな様子・・・・、でも、少女の立ち位置も影響しているのでしょうか不思議と安定感があります。

歪みと安定。それは、少女の心の在り様なのかもしれません。

 

ほかにも、これまでの作品を連想する作品として、次のような作品がありました。

「密やかな」 6F(40.9×31.8㎝)

 

「やわらかな」 3F(22.0×27.3㎝)

 

 

物語性がある一連の作品としては、次のような作品がありました。

「あたためる場所」 10F(53.0×45.5㎝)

菅澤さんの作品に登場する色とりどりの布に、卵が二つ乗せられています。

題は、「あたためる場所」。

ここで、この卵たちは、あたためられ命を宿していく・・・・・

少女の卵を見つめる表情の優しさは、特に印象的であり、絶品ともいえる作品ではないでしょうか。

 

この一連の作品には、この布の上にハトがいる作品もあり、また、次のような作品もあります。

「色濃く残る」 6F(40.9×31.8㎝)

この頭の上の布の中で、卵がかえる=命を育てる。

菅澤さんは、現在、保育士の卵を相手に、教鞭を振るっておられます。

意識的か無意識的かは分かりませんが、子供に接する仕事を選ぼうとする生徒に日々触れることが、こうした作品につながっているのではと、勝手に思いを馳せてしまう私です。

 

今日は、久ぶりに菅澤さんの元気な様子を拝見できるとともに、こうした作品に触れ、とてもいきいきと頑張っているんだなと感じることができました。ほかにも、菅澤さんの世界を楽しめる作品が数多く展示されていますので、是非とも、興味のある方は足を運んでいただければと思います。

 

そして、こうしたお土産もいただきました。

バレンタインデーにちなんで、チロルチョコの包装紙に作品を印刷したものです。

この包装紙が捨てられない!と思う私でした。

 

最後に、いつも楽しい画廊のスタッフの佐々井さんや関さんにお礼を申し上げるとともに、この2月でお仕事を辞められる小谷さんに心から感謝申し上げたいと思います。

 

ギャラリーアートもりもとのHPはこちらになります。

www.artmorimoto.com