深く、暗い、黒の背景
青と白の光の濃淡により
浮かび上がる髪、そして透き通った肌
切れ長の二重の瞼が赤く潤い
静かなまなざしの奥に感じられるこころ・そして魂
「夜明けの虹」という作品
暗い闇に浮かぶ女性の姿
闇は、夜が明けるように光につつまれ
青い虹となって輝いています
この「夜明けの虹」という作品は、今回の戸井田しづこ個展を象徴する美しく、神秘的な作品です。
画廊art Truthのホームページによると、今回の作品展のテーマは「こころとまなざし」とのことです。
これまで、私は、戸井田さんの作品を何点か拝見してきました。
最初に拝見したのは、ほぼ1年前、この画廊art Truthの「夏を彩る!!展 Part4」でした。
(そのときの私のブログはこちらです。夏を彩る!!展 Part4(於 art Truth) ~涼しさを呼ぶ夏の玉手箱~)
そのときの戸井田さんの作品に対して、
「私は、最近、美人画に触れる機会が続き、この方の絵も、単に魅力的な外見だけではなく、魂を感じられる絵を描かれる方だなと感服しました。今後、機会があったら、他の作品も是非とも拝見したいと思います。」
と感想を書かせていただきました。
この初見の感想が、魂を感じられる絵、それが見るたびに私の中で深まっていくのを感じていますし、心・魂を感じさせる女性の絵が戸井田さんの作品の魅力、そして真骨頂だと思います。
「ボレオ」という作品
(「ボレオ」とは、濃い青の立方体の結晶の石です。)
そして、「ベゼリ」という作品
(「ベゼリ」は、緑青色の光沢のある結晶の石です。)
この2つの作品は、並んで展示されています。
戸井田さんは、3つ又は2つの作品を一連の作品として展示することが多かったという印象が私の中にありました。昨年の現代童画展で東京都知事賞を受賞した「羽化前夜」という作品も3枚の絵の連作でした。
今日、初めてお目に掛かった戸井田さんに、その心を伺ってみました。そこで、いろいろと説明していただきましたが、そのエキスの部分だけ申し上げると、複数の絵であっても、描こうと思うことは共通であること、しかし、複数の作品を描くことにより異なる表情を描くことが出来る・・・・とのことでした。
この2つの作品も、正面の顔(ボレオ)と横顔(ベゼリ)を描くことにより、描きたいテーマを深めていると思われます。
特に、青系の石の表題にあるとおり、顔の輪郭を引き立たせている青い髪の表情が印象的です。
そして、今回の作品展では、先程触れた昨年の現代童画展の受賞作の「羽化前夜」の作品の3点の中の1点が展示してありました。
次の作品です。
この作品は、大変魅力的な大作です。
「明けぬ夜」という作品
この作品は、髪の色合いが青よりも白が主体になっており、女性の表情もうつろで静かな感じがします。
そして、心が研ぎ澄まされていく印象が強く感じられます。
「星のリズム」という作品
この作品は、小品でこれまでの作品とは印象が違う作品です。
楽しく、かわいらしい作品です。
こうした作品を描くことにより、いろいろな意味で画家としてバランスを取っているような趣旨のお話しをされていました。
他にもこうした作品が展示されています。
この作品展、戸井田さんとお話しをすることが出来、美人画好きな私にとって、大変堪能させていただきました。
この作品展の会期は、7月12日(水)~7月17日(月)です。
画廊art Truthのこの作品展の紹介のホームページは此方です。
http://www.yccp.jp/art-truth/exhibition/20170712.shtml
art Truthのブログは此方です。