「入退院」とはいっても僕自身の事ではなくて、楽器の話であるからご心配無き様。
我が愛用のオベーション。
千試合出場を達成した途端に気が抜けでもしたのか、何かと不調、不具合が目立つ様になって来た。
長年に渡る酷使を思えば、まぁ無理もあるまい。
このところ最も気になっていたのは、第3弦を開放で弾いた時のバズ音だ。
パッと見で、サドルの摩耗が直接の原因である様に思えたが、所詮は素人目。
微妙な箇所の繊細な症状だけに、ここは専門家に委ねたい。
という事で訪ねてみたのは
「京都でアコギのリペアなら、まずは此処の門を叩くべし」
との評判を其処彼処で伺う、こちらの工房。
存外に気さくな老店主様、兎にも角にも話が早い。
そして仕事も、驚異的に速い。
毎週毎週ライヴが立て込んでいて、楽器を長期間預けられないこちらの事情にご配慮いただき、可及的速やかに問題なく使える状態に、との方針で入院期間僅かに一晩。
やや逆反り気味だったらしいネックを調整の上、独自形状のサドルは人工大理石製のシムを活用する方向で修正を加えて頂く。
加えてナット溝にも問題があったとの事で、樹脂的なアレをナニして修正して下さった様だ。
問題点は綺麗に解消、見事と申し上げる他ない。
熟練の技に唯々、感謝あるのみである。
よくよく見れば、諸事情により一つだけ全く違う形状のものを付けていた6弦のペグボタンが、他とほぼ同形状のものに交換されている。
僕が頼んだ訳ではないが
「そのままで良かったんならそれでもエエけど、儂が我慢出来んかったんや」
との笑顔に、これまた一つのエピソードがこの楽器に刻まれたと、有り難くこれを受け入れる事とした。
「うさみみスタウト」及び「GOLDEN BLACK MONKEYS」オリジナルCD各種、好評販売中。
お求めはライヴ会場又は下記サイトにて。