重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる定款の定め | 行政書士受かって調子に乗って司法書士を勉強するブログ

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監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合又は定款に委任ができる旨の定めがある場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる(会社法第399条の13第5項・第6項)。  監査等委員会設置会社においては、重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがある旨が登記事項となる(会社法第911条第3項第22号ハ)

 

ポイント

 

  1. 監査等委員会設置会社とは?

    • 監査等委員会設置会社は、取締役会に監査等委員会を設置している会社のこと。監査等委員会は、取締役の監督を行う。
  2. 社外取締役の過半数

    • 取締役のうち、社外取締役が過半数を占める場合、もしくは会社の定款に「重要な業務執行の決定を取締役に委任できる」と記載されている場合に、この規定が適用される。

 

具体的な規定

 

  1. 取締役会の決議による委任

    • 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役会の決議によって、重要な業務執行の決定を特定の取締役に委任することができる。これは、業務の迅速化や効率化を図るためのもの。
  2. 定款の定め

    • 会社の定款に「重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる」との定めがあることが必要。この定款の定めがあることで、取締役会はその権限を特定の取締役に委任することが法的に認められる。
  3. 登記事項

    • この「重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる」という定款の定めは、法務局に登記されるべき事項となる。

 

なぜ重要か?

 

  • 業務の効率化: 取締役会全体で決定するのではなく、特定の取締役に決定権を委任することで、迅速な意思決定が可能になる。
  • 法的安定性: 定款にこの定めを記載し、登記することで、法的にもその委任の有効性が認められ、対外的にも明確になる。

 

 理由と背景

 

  1. 監査等委員会の設置

    • 監査等委員会設置会社では、取締役会内に監査等委員会が設置される。この委員会は、取締役の業務執行を監査・監督する役割を持っている。
    • 監査等委員会は、通常の取締役会とは異なり、監督機能が強化されている。これにより、業務執行の適正性や効率性が確保されやすくなる。
  2. 社外取締役の過半数

    • 監査等委員会設置会社では、監査等委員会のメンバーは全員が取締役であり、その過半数が社外取締役であることが求められる。
    • 社外取締役は会社の業務執行に直接関与しないため、独立性が高く、客観的な監督が期待できる。この独立性が、業務執行の委任が適切に行われることを担保する。
  3. 迅速な意思決定の必要性

    • 現代のビジネス環境では、迅速かつ柔軟な意思決定が求められる。取締役会全体で重要な業務執行の決定を行うよりも、特定の取締役に権限を委任する方が、効率的かつ迅速な意思決定が可能となる。
  4. 法的枠組みの整備

    • 会社法は、取締役会の権限を特定の取締役に委任することを認めることで、企業のガバナンスを柔軟に対応できるようにしている。
    • 特に監査等委員会設置会社では、強化された監督機能を背景に、委任が適切に行われる仕組みが整備されている。

 

実務的なメリット

 

  • 効率化: 特定の取締役に業務執行の決定権を委任することで、業務がスムーズに進行し、意思決定のスピードが向上する。
  • 専門性の活用: 特定の取締役が専門知識や経験を持つ場合、その能力を最大限に活用することができる。
  • 監督機能の強化: 社外取締役が過半数を占める監査等委員会があることで、取締役会全体の監督機能が強化され、委任された業務が適切に行われることが担保される。

 

結論

 

監査等委員会設置会社では、強化された監督機能と社外取締役の独立性を背景に、特定の取締役に重要な業務執行の決定を委任することが可能。これにより、迅速で効率的な意思決定が行われ、企業のガバナンスが強化される。